↑は南イタリアのバーリ駅。
日本の夏は蒸し暑いですが、「蒸し」がないだけで「暑い」のは
バーリも同じ。
まだまだ続く日本の夏模様ですが、暑い夏の午後のバーリを歩いた日のことを
お話しします。
バーリの駅にスーツケースを預けて街の散策にいざ出発。
しんどくなっても いつもなら「ホテルで昼寝でもするかな」という
距離感の我々のスケジュールですが、この日はちょっと違いました。
夜の10時にバーリの港からクロアチアのドブロブニクに行くために
船に乗るので、それまでたっぷり時間があるのです。
まずは、駅前からすぐの通りにあるファーストフード(・・にあたるかは不明・・)
のお店で軽く腹ごしらえ!のつもりが このボリュームにびっくり。
モッツァレッラやきのこ、カルチョーフィなど好きなものを5種類選んで
白ピッツァにどかんとてんこ盛り、器も食べられる、かなり美味しいものでした。
前にも記事に書きましたが
バーリの記事はこちらから
この南イタリアの写真はなぜかボケているのが多く、
しかもバーリで 一番想い出に残したい画像の記録がすっぽり消えているのです。
それが 夕暮れに近いバーリの旧市街で出会った一人の男の子とのひとときでした。
なので、彼の写真は一枚もないのですが、バーリの街歩きの写真とともに
お話しします。
駅前からバスに乗り、まずはカステッロへ向かった私たち。
大きな通りをはさんだ 白い建物が印象的な地区を抜け、
さてカステッロへ入場!と入口へ行くと
「たったいまchiuso(閉館)」と、よくある話。
「いいよ、また来るから。」と旧市街へ歩きます。
しかし、暑い・・・
午後だからか、お店も閉まっているところが多く、なんだかシーンとしています。
白い石の教会が続き、太陽はき~んと照り続けます。
この日は二つも結婚式に遭遇。
教会の中は少し涼しいけど、やがてじんわり暑くなりました。
暑い~ ジェラートが食べたい!
海の見える風通しのいいバールでレモンのグラニータを食べ
マルコ・カルタの歌に元気をもらっていよいよ帰る方向へむかいます。
夕方になると、日陰が増えて住民たちが家から姿を見せはじめました。
あんなにひっそりしていたのに、お昼寝でもしていたのでしょうか。
子供たちもちらほら集まって「さあ、遊ぼ!」って感じです。
その子供たちの中に じっとこちらを見ている少年がいました。
自転車に乗って、白いランニングシャツと白い半ズボン。
小麦色に日焼けした彼は大きな瞳で私たちを見つめ、何か言いたそう。
地図を持っている私たちに、何かを教えたいのかも・・・と
「カテドラーレを知ってる?」と聞いたら 大きな目をくるくるさせて
「僕についてきて!」と 自転車に乗って私たちの先を走り出しました。
彼の名前は「バビアーノ」5歳だそうです。
曲がり角にくると、自転車に乗ったまま、後ろをむき、
私たちが追いつくと また「こっちだよ」と走りだします。
カテドラーレに着くと、彼は「まだ教会を知ってるよ。僕についてきて」
と自転車を走らせます。
「バビアーノ、遠くなるからもういいよ。迷子になるよ。」と言っても
「教会の道はこっち。ついてきて。」と先に行き、
また曲がり角でこちらを見て待っているのです。
その小さく細い後姿、日焼けした肩をぎゅっとあげて、自転車のブレーキを
かける姿が 夕方の太陽にシルエットとなって映るのです。
それが映画のシーンのようで、何枚も彼の後姿をカメラに撮りました。
なのに彼の映っているシーンだけが記録から消えているのです。
これ以上遠くなったら心配、というくらい旧市街の入口までいっしょに
来てくれたバビアーノ。
家に帰ってマンマに話すかなあ。
「あのね、僕ね。きょう、イタリア人じゃない女の人たちを教会へ案内してあげたんだよ。」って。
ありがとうございます。
ひょっとしてバビアーノがどこかに映っているのではないかとグーグルストリートビューでBariを探してみたりしたのですよ。
子供ってすぐに大きくなるのにね。(笑)
素敵な写真!!
そうですね。
トトと顔はちがいますが、確かに子供の夏のスタイルはいっしょかも・・・
もし私がイタリア映画の巨匠だったら
バビアーノを次回作品の主人公にスカウト!
・・・するんだけどなぁ。
楽しい旅のエピソードが。美しい写真と相まって、
なんだかファンタジーアの絵本を読んでいるような
素敵な気分になりました。
バビアーノくんのしぐさ、ニュー・シネマ・パラダイスのトトを彷彿とさせますね。