花浄土鹿児島

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出水のツル 北帰行始まる 2019/01/23 (鹿児島)

2019-01-24 20:57:31 | 自然観察
1月24日(木)出水平野でツルの北帰行が始まりました。
前日23日に出水ツル観察センターなどで撮影したツルの様子を掲載します。

7時14分 西空に残る月とツルの群 東干拓地


風はなく霜は降りていましたが、あまり寒さを感じません。西空には丸い月がかかっていました。月齢17.1、月没8時49分、方位287.2度でした。

月は西側の山よりもかなり上にあり、ツルとの組み合わせは写しにくい状態でした。日の出は7時16分、東の山から朝日が顔を出したのは7時半頃でした。

7時36分 鶴見の団体客 東干拓地


バスで20名ほどの団体客が訪れていました。一般的な観光客と違い大半が双眼鏡、一眼レフカメラなどを装備した野鳥愛好家のようでした。県外からの写真教室、外国人観光客なども見かけました。

PM2.5の影響か朝から見晴らしが悪く、10時頃から雲が広がり日差しが少なくなりました。この日に出会った顔見知りの地元カメラマンは一人だけでした。

7時42分 朝もやの中を飛ぶ 東干拓地


23日、阿久根市の最低気温は5.8度、最高気温は13.9度でした。24日はそれぞれ5.9度、13.7度。日照時間は24日の方が長くなりマナヅルの北帰行を促したようです。

鹿児島県ツル保護会によると、24日午前11時前、出水平野から飛び立ったマナヅル35羽が北に向かったのが確認されました。去年より3日早く、2014年の1月20日に次ぐ、観測史上2番目に早い北帰行の開始とのこと。

8時8分 少し飛び上がるナベヅル 東干拓地


何かの拍子にツルたちが一斉に飛び上がることがあります。写っているのはナベヅルですが、左上にカナダヅルが一羽だけいました。

ツル観察センターへ移動


ツル観察センターは室内からツルを観察できます。屋上にも出ることができ、三脚設置の撮影が可能です。ただしツルが驚くのでストロボは使えません。

今季のツル渡来数は 14,286羽


ツルの越冬期間中に6回の羽数調査があり、その中の最大値を渡来数としています。ナベヅルとマナヅルの羽数に大きな開きがあり、それぞれの大きい数値を足した実質羽数は17,000羽程度と思われます。

ツル保護区域などの表示案内


鳥インフルエンザへの警戒が続いており、最近では特別保護地区周辺への立入制限が拡大されています。カメラマンに人気だったツル観察センター前道路からの撮影はできません。10年ほど前は県外からも多くのカメラマンが訪れ、珍しいツルが飛来すると撮影ポイントは混雑していました。

最近多くなったのは外国人観光客の姿です。東干拓地では2台のレンタカーに分乗した中国人客を見かけました。特別保護地区周辺の道路は地元民の生活道路ですが、将来的には一般車両の通行禁止が模索されているようです。

2月2、3日は特別保護地区周辺への一般車両通行を規制する環境省の社会実験が行われます。当日はマイカーからガイド付きの団体周遊バスに乗り換えてツル休遊地を見学することになります。

観察センター前の保護区 マナヅルが多く集まる


観察センターに近い場所まで餌が撒かれているため多くのツルが集まっています。北帰行が本格化する2月上旬にはマナヅルにそわそわとした動きが見られます。

ナベヅルは大半が3月中旬頃まで居残りますが、羽色の美しいマナヅルは2月下旬までに殆どが北に帰ってしまいます。

保護区域外へ飛び立つマナヅル


餌を食べると連れだって保護区域外に飛び立つ姿が見られます。家族単位で周辺の水田などで過ごし夜になると保護区域に戻ってきます。

保護区域内で水を飲むマナヅル


田んぼの窪みの水溜まりで水を飲んでいました。まるでうがいをするように口元から水玉が飛び散っています。

保護区域外で餌を探すマナヅル 右奥は観察センター


狭い土手にくちばしを差し込んで虫でも探しているようです。保護区域内では畦や土手が削られてしまう場所もあり、春には補修作業が行われます。

ツル観察・撮影への注意事項など


ツル保護のため長時間の停車や夜間通行はしないよう注意が呼びかけられています。この日もツルを驚かせ一斉に飛び立つ姿を撮影しようとする人がいて残念な思いをしました。

遠来の大切なツルたちを大事に見守りたいものです。昨年は一度訪れただけでしたが、今年は温暖なこともあり再訪したいと思っています。

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