1週間前のネット解説であるが、日本のコロナ敗戦の本質について、医療ガバナンス研究所の上昌広理事長による明快な解説が、郷原信郎の「日本の権力を斬る!」で取り上げられていた。上さんによると、世界のコロナ対策は、PCR検査と隔離で感染を抑えるのが基本となっているが、日本では当初からクラスター対策を取ってしまったことが失敗の本質であったといえる。これは、日本の感染研や医系技官の利権が絡んでいるという。PCR検査をどんどんやると医療崩壊を起こすということで、保健所を配下に置く感染研の利権の壁で当時安倍首相が声高にPCR検査を増やすと言っても増やすことができなかったようである。いまだに日本のPCR検査は増えていない。また、政府の分科会の専門家の中核は、皆、感染研の連中であったので、政府は完全に間違った方向の対策を取ってしまった。このようなコロナ対策を取っているのは、世界中では、日本だけだという。PCR検査数が増えないこと、変異株の検査も不十分なこと、ワクチン接種が遅れていること等すべての点で日本のコロナ対策は世界でも最低クラスになっている。
この対談でも詳しく解説されているが、現政権は、「失敗」を「失敗」と認めず、繰り返している点、国際世論に非常に鈍感になっている点、世界の情報収集を全くせず、自分の考えを無理矢理押し通そうとしている点、まさに、戦時のノモンハンやインパール作戦の「失敗の本質」と同じであるという。当時もそうだが、今も、政治も専門家も司令塔が変わっていないことが致命傷である。アメリカの専門家のファウチ氏と日本の専門家の尾身氏とでは、大谷選手と草野球のおじさん位の差があると上理事長は厳しく指摘する。専門家の尾身会長も政権にちゃんとした提言ができず、政府の政策を中途半端にしている責任も重大であるという。菅首相は、自分の考え方に異論を唱える人は左遷すると豪語していたので、真実が本人には伝わらないのであろう。まるで、裸の王様そのものである。
東京五輪については、回りの人間は、「安心・安全な五輪は可能」だと言い続けているものと思われる。科学的根拠もなく、その言葉だけを繰り返すあたりは、哀れそのものである。痛い目にあわないと「失敗の本質」がわからないのであろう。今や、IOCと日本政府以外に世界で五輪はやるべきという意見は皆無である。安倍政権の政治的思惑で、五輪を誘致し、延期も自分の任期中やるために、2年延期の要請を断り、1年延期に決めてしまい、菅政権もそれを継承して、突き進んでいるので始末が悪い。世界からの勧告を無視して、このまま突き進むと国家の破滅につながる恐れもあるほどである。このような指摘は耳に痛いかも知れないが、現政権の幹部も是非とも耳を傾け、覚醒してほしいものである。
郷原信郎の「日本の権力を斬る!」~日本のコロナ敗戦~失敗の本質(5/21): https://youtu.be/pGkBrSiwdoY
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