フェルマータの演奏では、もう一つ、留意したいことがあります。
全パートが、同じ動きであれば、一緒に演奏すればいいのですが、変わる場合、特に
下図のような、時には、伸ばしていて次の小節は、休符の場合、つい伸ばしがちになります。
全パートが伸ばしているのであれば、あとは指揮者の指示でぷちっときるとか、余韻を持たせるとか、徐々に消えるとか
全パートが揃えば問題はおこりません。
しかしながら、下図のように半分のパートがここで休符に移り、半分のパートが「p」で演奏を始めます。
当然のことながら静かに歌いだすので、伸ばしていたパートは、演奏の入るパートの邪魔になってはいけません。
「p」で始まっていますから、きちんと、受け渡さないと音が濁ったり、新たに始まったように、聞こえないことになります。
つまり曲の演奏の、邪魔になりかねないということです。
休符に入るパートは、指揮者から指示が出ない場合もあります。
きちんと、演奏につながるパートに引き渡しましょう。
図 S/ラフマニノフ 「ALL NIGHT VIGIL Op.37」 No.3