ブレスには、「すぅ」「すっ」「すう」の他に、合唱には必須ともいえるカンニングブレスというものがあります。
ブレスしたことが、他の人には、気づかれないように、そっと行うものと、されています。
合唱を始めたころに、「カンニングブレス」と聞いて、何やら、「カンニング」という言葉に、後ろめたいような気にさせられました。
「カンニング」という言葉に、今でも、多少の拒否感があります。
しかしながら、長いフレーズの時は、必須ともいえる行為となります。
「一息に聞こえるように」と言われるときもあります。
目立たない、方法というものにも、テクがあって、パートのなかで、皆が一度にしない。
見立ちにくい個所でそっと息をするというように、どこでブレスをするか、お隣さんのブレスの場所と、同じにならないように、
気を使います。
実のところ、このそっとするブレスは、「PP]や「PPP」の時にも使えるということがわかりました。
演奏を聴いていると、フレーズの合間に、演奏者のブレスが、もろに聞こえてしまって、がっかりすることがあります。
しずかな、静寂のなかからかすかに聞こえてくる歌、というときに、「すっ!」と聞こえたら幻滅です。
「ff」の時でも、このブレスがすごく耳障りに聞こえることがあるのです。
なので、ブレスは、極力音がしないように、心がけています。
指揮者の重みのあるブレスは、演奏への意気込みのように聞こえてきて、聴いているものにも緊張が走ったりすることが
あります。
しかしながら、指揮者でない、音を出す演奏者は、余計な音を出してはいけないのではないかと、思っています。
鼻から吸うのではなくお腹で吸うようにすると、音がもれることはありません。
お腹でするブレスを、どうか体得してください。