合唱の出だしは、プロでも緊張しているようです。
一つのパートだけが出る時もありますが、「p」あるいは「pp」で4声が出る場合は、特に緊張を強いられます。
この、出だしでその合唱団の評価がほぼ決まるからです。
「pp」の場合は、当然、一斉に発声するわけですが、「p」や「mf」になりがちの上、弱々しくなったり、ピッチがあわなかったり、出だしがばらついたり、が目立ってしまいます。
某、指導者が、二通りの息の使い方があると、仰っていました。
表記すると、
1.「(a)Aー」
2.「()Aー」
1のタイプでは、発声するまえに、息を出し始めます。
喉を開いておくという指導者もいました。そして、第一声になります。
2のタイプでは、いきなり、発声するものです。
こういう場合は、「pp」が大きくなりやすいので、特に留意しなければなりません。
図1の場合は、「Aーー」「Miーーーーn」と、の次は、「,(カンマ)」がありませんから、続いて「Pridi-te」の後で「,(カンマ)」になります。
図2は「Богородице Дево」まで「p」で一息、次は「,(カンマ)」 なので、切ります。そのあとは「f」になります。「p」を引きずって「mf」あたりに
なりやすいので、これも留意点になります。
S・ラフマニノフ 「晩禱 (ALL NIGHT VIGIL Op37)」 より
*「2.БогородицеДево」の表記になっていますが、「2.」ではなく「6.」です。