「アカペラ」は、自パート、他パート、指揮者を頼りに演奏することになります。
伴奏は、自パートだったり、他のパートが担っていたりします。
自パートがどこで、どういうふうに入るのか。
自パートだけみていると、入れない場合があります。
下図の場合
赤枠のパートは黄土色のパートを聞きながら、「f」で入ります。
そして、青枠のパートは赤枠のパートをきいて、伸ばしの数をカウントします。
ただし、この方法は、相手パートが聞こえる時のことになります。
演奏中に、相手パートが沈没するかもしれません。
早く出てしまったり。なかなか出なかったり。
時には小節を飛ばしてしまうことも本番では起こることがあるのです。
伴奏者が、ページめくりを間違って、しまうことも時には起こります。
アカペラの場合は特に、一つのパートが何かのために聞こえなくなった。
何かで聞こえにくいという場合があるかもしれません。
そういう時のために、自パートだけを覚えておしまいにしないほうが無難です。
一パートが沈没した場合、そのパートを頼りにしていたパートも出だしを失う
かもしれません。
楽譜は、自パートだけを習得してもダメだということです。
アカペラは特に、聞きあいながらの演奏なので、良いことも悪いことも伝染します。
それを、含んで、どういう状況になっても動じずに、まっとうできるように、日ごろの
練習から、準備していきましょう。
合唱の楽譜は、全部の参加者の音符が網羅されています。
弦や吹、打は、パート譜で自分の担当だけしかありません。
一つのためのパート、みんなのためのパート。
合唱の良い面を大いに活用いたしましょう。
S・ラフマニノフ「晩祷」ALL NIGHT VIGIL Op.37より