米澤穂信「リカーシブル」新潮文庫 H25年刊
矢月秀作「リンクスⅡ」中公文庫 2015年刊
佐伯泰英「新古着屋総兵衛11『八州探訪』」新潮文庫 H27年刊
暑い日が続きます。たまに刈谷に帰っても外に出歩くことは極力避けエアコンの聞いた室内に逃げ込んでいる毎日です。やはり緑豊かな涼しい蓼科高原が快適です。
そんなわけで散歩もろくすっぽせずに室内にいるので、畏友が貸してくれた本を相手に読書三昧です。手当たり次第に読むのですが、ハードボイルドアクションの矢作秀作のもの、シリーズが続く佐伯泰英の時代小説は、どちらも頭を休めるには絶好の読み物である。
米澤穂信のリカーシブルと言うのは「繰り返される」という意味らしいが、日常の中に潜むミステリーをきめ細かく描き出す技術はピカイチである。何気ない毎日の生活の中に展開する悪意や作為をそれとなく淡々と語る。
大仕掛けな展開や、あっと驚く仕掛けなどはないのだけれど、妙に納得できる謎解きが面白い。3冊がそれぞれ酷暑の中でのエンターテイメントになった。