ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

体感主義

2017年07月14日 | 通信-科学・空想

 「私は健康か?」と自問すると、「概ねそうである」と答えられるが完璧では無い。体の不具合はあれこれある。老眼で、大工仕事の時、老眼鏡無しではメジャーの目盛がはっきり見えない。右下奥歯の奥から2番目の歯が根元まで2つに割れ、より小さい方の部分がグラグラしている。腰が痛い、一時期の痺れるような酷い痛みは消えたが、畑仕事を長くやると痛みが戻る。そして、血圧が高い、160台、170台が続いている。
 それでも私は、病院へ行かない。健康診断や検診の類はもう40年余もやっていない。注射が痛いからとか、余命の宣告が怖いからとかいう理由では無い。私は、痛みにはまあまあ強い方である。大雑把な性格なので大工仕事で切傷、打撲は日常茶飯にある。畑でハチに刺されたりもする。それらは、大怪我ではないので病院へ行かなくて済む。

 医者、あるいは他の誰かに言われたことで自分の行動を決める、ということをなるべく避けたいと私は思っている。自分の体が感じたことで行動を決めたいと思っている。
 私の弟や私の友人達の中には、ネットで知ったらしい裏付けの取りようがないこと、例えば宇宙人とか、世界の黒幕とか、あの世のこととか、世界の終りとかいった類の話を、まるでそれが真実であるかのように熱心に語るが、私にしてみれば、それらは私が体感していないこと、あるいは体感しようにもできないことなので「どうでもいいこと」に分類される。宇宙人のことは宇宙人に会ったら考えよう、あの世のことはあの世に行ったら考えようと思っている。それからでもちっとも遅くないと思っている。

 先週のガジ丸記事『ボケカス人生』で「散歩しない、休肝日は週一だけ、タバコも吸う血圧高めの後期オジサン」と自分のことを表しているが、それも体感からの評価である。散歩しないのは良くないと判断し、やらなきゃ思っている。私の体感は散歩すると体調が良いと感じている。血圧高めは少し気になるが、「休肝日は週一」、「タバコも吸う」については、私の体感では特に問題無い。血圧高めも体感では不具合は感じていない。
 そこで、ふと思った。私の血圧が実際に高いのではなく、使っている血圧計が不調なのではないかと。そういえば、体重計もおかしいかもしれない。去年2016年は体重が57~59キロで推移していたのに、今年2月から下がり始め、6月19日、54.2キロまで落ちた。高校3年の頃の体重だ。体重はなお落ちて、26日には53.2となる。これには驚いて翌日も計ったら何と52.6、高校1年の頃の体重になってしまった。
 「体重計もおかしい」と思ったのは体重の激減からではない。2016年は体脂肪率が11~14%、今年も5月までは11~13%だったのが、6月19日には何と18%、26日には22%と見たことない数値となってしまった。「体重が52キロはもしかしたらの可能性もあるが、体脂肪率22%はありえない。機械がおかしい」と思った。
 
 

 私は私の体を以前より重いとは感じていない。つまり、私の筋肉は減っていないし、脂肪は増えていない。懸垂も腕立て伏せもできている。私は、機械よりも私の体感を信用しているので、よって、体重計がおかしいと結論した。血圧計もきっとおかしい。血圧計は買って10年、体重計は買って20年以上は経っている。2つとも老化しておかしくなっているのだ。老化しておかしくなっているのは私の体感の方かもしれないが・・・。
 

 記:2017.7.14 島乃ガジ丸


ウスオビヒメクチバ

2017年07月14日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 自然いっぱいの畑で

 300坪の畑ナッピバルを始めたのは2012年の夏、ナッピバルの北隣はウージ(サトウキビ)畑、南隣りはキャベツ畑、東隣りは元バナナ畑の原野、西隣りは道路を挟んで墓が点在する原野となっている。東南方向へ行くと民家の建ち並ぶ街となるが、北から南西方向は広く墓地や畑、原野となっている。そんな環境なので自然はいっぱい。
 植物も動物もいっぱいの環境で、既に850種以上も紹介している植物はともかく、動物は、わざわざどこかへ出掛けなくても「初めまして」の者によく出会う。動物の中でも昆虫にはたくさん出会って、写真を撮っている。そしてたまには、図書館から借りた図鑑と見比べて、写真の者が何者であるか判明させる作業をやっている。

 過日、パソコンの不明写真フォルダの、動物フォルダを覗いたら、何者か不明の者は昆虫の中でも蛾の類に多く約80種、判明写真フォルダにも蛾は多く約20種。それらのうち、ナッピバル周辺で撮ったものは不明が約50種、判明が約10種あった。
 じつは、写真は撮れていないが、蛾にはまだ多く会っている。この先も出会って、次の機会には写真が撮れるかもしれない。「不明が増えるなぁ、調べなきゃ、調べたら判明が増えるなぁ、記事書かなきゃ」ということで、先々週のツマキモンシロモドキから始まって、しばらく昆虫の紹介が続く。第二弾はウスオビヒメクチバ、去年6月、畑で発見。
 
 ウスオビヒメクチバ(薄帯姫朽葉):鱗翅目の昆虫
 ヤガ科 本州から南西諸島、他に分布 方言名:ハベル(ガの総称)
 名前の由来、資料が無く正確には不明だが、おそらく見た目から。ナタモンアシブトクチバの頁にも書いたが、クチバと名のつく蛾は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に載っているだけでもヤガ科に17種ある。そのどれも翅色が赤褐色とか黒褐色とか灰褐色とある。~褐色というその色が朽葉に喩えられているのではないかと想像する。ウスオビを薄帯としたのも私の想像、翅底に縦に走る薄い暗色紋がありそれが薄帯。姫は小さいことの喩え。
 平地性のガ、ヤガ(夜蛾)科だが昼間も遭遇する。『沖縄昆虫野外観察図鑑』には「植物の根際などに止まる」とあったが、私は葉の表で1度、ノゲシの蕾の上で1度会っている。いずれも6月梅雨時の、梅雨の晴れ間の明るい昼間。
 前翅長21ミリ内外。成虫の出現は3月から11月。沖縄での食草は確認されていないとのこと。「本土ではイネ科につくという」(沖縄昆虫野外観察図鑑)とのこと。
 
 蕾の上で

 記:ガジ丸 2017.6.26 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田晴夫他著、株式会社南方新社発行


タデノキ

2017年07月14日 | 草木:中木

 今年(2017年)3月初めから4月中頃まで介護施設でバイトをした。ご老人方の送り迎えの運転手というバイト。概ねで言うと、朝は宜野湾市真栄原の宿泊施設から浦添市牧港の宿泊施設に寄って同じ牧港のデイサービスまで、夕方はその逆の送迎。
 朝、真栄原の宿泊施設には8時15分までに着けばいいのだが、道が混むことも想定して私はいつも早めに家を出、いつも8時前には到着していた。宿泊施設から少し離れた所に駐車場があり、そこで自分の車から施設の大きな車に乗り換え、宿泊施設の近くに路上駐車し、仕事が始まるまでの15~30分は近辺の散策をしていた。
 近辺にちょっとした広さの公園があり、そこの散策を多くやった。そこには私の興味を引く樹木が1種、園路沿いに数本並んで立っていた。その木は、枝先から長さ20センチ程度の紐状のものを20本前後出していた。それは「きっと花穂であろう」と想像はできたが、このような花穂も、このように花穂を出す木を私はかつて見たことがない。
 数日後、公園を管理する業者の車が停まり、中から出てきた若い男に「この木何の木ですか?」と訊く、その数日後に同じく管理業者の中年の男に「この木何の木ですか?」と訊く、さらにその数日後、同じく管理業者の年配の男性に「この木何の木ですか?」と訊く、いずれも答えは同じ、「さぁー何ですかねぇ」とのこと。
     

 その後、家にある参考文献10冊余、図書館から借りた3冊の図鑑を調べたが該当するものは無かった。さらに数日後、「大きな図鑑で探すしかないか」と図書館へ行って、あれこれ見ていたら、沖縄の植物のコーナーで手に取った『沖縄植物図譜』で見つけた。

 
 タデノキ(蓼の木):景観
 タデ科の落葉高木 南米原産で沖縄へは移入種 方言名:不詳
 名前の由来は資料がなく正確には不明だが容易に想像はつく。タデ(蓼)は「蓼食う虫も好き好き」のタデ、本種はタデ科の植物では珍しく木本性なので「の木」となる。
 沖縄では個体数の少ない植物のようで、私は宜野湾市真栄原の公園で初めて見た。『沖縄植物図譜』にも「宮古島ではよく見かけるが、沖縄本島内ではあまり見かけない」とあり、同書以外に本種の掲載されている文献を私は見つけていない。下記の参考文献のほとんどは掲載無し。『沖縄植物図譜』には書かれていないが、南米から移入されてからそう時の経っていない植物だと思われる。ここ30~50年前ではないだろうか。
 高さ6m、宜野湾市真栄原の公園には5~6本の本種があったが、それらは3~5mほどであった。葉は大形で長さ30センチ、幅15センチほど、葉脈は裏面に突出しよく目立つと文献にあり、これらのことは確認済み。花は桃色で、開花期は2月~4月と文献にあり、私の認識では、花色は濃い桃色、3月上旬には既に花穂が着いており、中旬から開き始め、3月終わりにはほぼ満開となっている。満開は4月中旬まで続いた。
 雌雄異株と文献にあったが、それは未確認。写真のものが雄花か雌花かも不明。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2017.6.27 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行