ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ビンロウジュ

2017年07月23日 | 草木:ヤシ竹特殊類

 ある年ある日、写真のプロパティーを見ると2006年2月12日、末吉公園でビンロウジュを発見した。それに名札はついていなくて、本当にビンロウジュなのかどうか、うっかりものの私としてはいくらか不安もあるが、その幹肌の状態からしてたぶんビンロウジュ。写真を撮る。参考文献と照らし合わせる。
 文献によると、ビンロウジュはのっぽでスリムなヤシとあったが、末吉公園のものは3mほどしかなかった。それでもビンロウジュ。まだ若いのであれば3mしか無くても何の不思議も無い。文献の写真と幹肌がそっくりなのである。だからビンロウジュ。
 絶対確か、という自信も無く、こうやって発表していっていいのか、と自問する。いいのである、と自答する。たぶん、間違っていたらごめんなさい、で済む話であろう。空は青空だし、風はそよ風だし、蝶々は飛んでいるし、沖縄は、厳しくない。

 それから5年後の2011年2月13日、海洋博公園でビンロウジュを発見した。参考文献の写真と幹肌はそっくりとは言えないが、「のっぽでスリム」についてはその通りであり、さらに、それにはビンロウジュと名札があった。だからビンロウジュ。
 それからさらに7年半後、ヤシ類について改めて調べる機会があって、過去の自分の記事を読み返していたら間違いがいくつもあることに気付いた。だから訂正加筆。
 
 ビンロウジュ(檳榔樹):街路・公園
 ヤシ科の常緑高木 原産分布はインド、マレーシア 方言名:ビンローギー、ビンロー
 アレカという名の本家。英語辞書でarecaを引くと「ビンロウジュ属の植物、特にビンロウジュを指す」とある。Arecaは学名の属名であり、英語のarecaもそこからきているのだろう。英語名は、Areca-nutでビンロウジュを特定し、その果実も指す。漢字の檳榔はビロウとも読み、ビロウ(蒲葵とも書く)のことも指す。私はずっと思い違いをしていたが、ビロウ(蒲葵)は同じヤシ科でも属が違う別の種。
 高さは10~15mほどになる。直立する幹の頂部に葉を叢生する。樹高に比べると葉は小さく、したがって樹冠も狭い。八頭身とか十頭身とかに見える、のっぽでスリムなヤシ。幹には竹のような節がある。
 果実は鶏の卵大できれいなオレンジ色になり、嗜好品となる。キンマ(蒟醤:コショウ科の植物でコショウに似る)の葉に石灰と共に混ぜて、チューインガムのように噛む。英語名の別称であるBetel-nutのBetelは、このキンマのことを指す。
 
 幹(末吉公園)
 
 幹(海洋博公園)

 訂正加筆:2018.9.4
 記:島乃ガジ丸 2006.3.14 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行


ビロウ

2017年07月23日 | 草木:ヤシ竹特殊類

 ヤシ科の植物に方言名のついているものは少ない。自生種が少ないからである。沖縄に自生するヤシ科の植物は、八重山のヤエヤマヤシの他、南西諸島全般に分布するクロツグやビロウなど数種しかない。それらの中で、ビロウはもっとも身近な存在である。ウチナーグチのクバという名前で親しまれている。ビロウという名前は知らずとも、ビロウそのものは知らずとも、クバという名を知っているウチナーンチュは多いはず。
 クバの葉で作られたクバガサ(笠、三角錐の帽子)、クバオーギ(扇)は、子供の頃使っていたし、今でも販売されている。ハルサー(農夫)にはこのクバガサが良く似合う。
 ビロウの木は公園樹としてもよく利用され、あちこちで見ることができる。沖縄では神聖な樹木ともされ、各地のウタキ(御嶽)やハイショ(拝所)に多く植栽されている。

 ビロウとワシントンヤシは、その葉の形状がよく似ている。ビロウの小葉は中途から折れているが、ワシントンヤシの若い葉は折れていない。また、ワシントンヤシは枯れた葉が長く残り幹から垂れ下がっているのも特徴。さらに、「ビロウは葉を付け根から落とし幹肌はなだらかであるが、ワシントンヤシは葉の付け根部分が幹に残って、幹肌が網目模様になっている」などといった違いがあるが、
 ある年のある日、末吉公園を散歩していたら、幹肌がほとんどビロウと変わらないワシントンヤシがあった。それも、たくさんあった。「ずいぶんと背の高いビロウだな」と初めは思ったのだが、それには名札があって、ワシントンヤシと書かれてあった。その隣にはビロウがあって、見比べると、背の高さが違い、葉の横への張り出しが違った。ビロウは低いくせに葉の張り出しが大きく、ワシントンヤシは真分数、今流行の小顔。すらりとしたスーパーモデルのようであった。
     →ビロウとワシントンヤシ
 
 ビロウ(蒲葵)公園・街路
 ヤシ科の常緑高木 原産分布は九州南部以南、南西諸島、他 方言名:クバ
 基本種のシナビロウは中国南部に、ワビロウは九州南部・南西諸島に、オガサワラビロウは小笠原に自生するとある。沖縄で見るビロウの多くはワビロウということであろう。文献にシナビロウ、オガサワラビロウとの違いが書かれていないので、確かなことは言えないが、写真のものもたぶんワビロウなのであろう。
 ビロウというと、下品な私はすぐに尾籠(きたなく、けがらわしくて、人前で失礼に当ること。広辞苑より)の字が思い浮かんでしまうが、漢字は蒲葵と書く。蒲色の葵とはいかなることか、という字の意味を含めて、ビロウの名前の由来については不明。
 ビロウを広辞苑でひくと、檳榔という漢字も出てくる。これはビンロウとも読み、檳榔樹のことを指す。ビンロウジュは同じヤシ科だが、本種とは属が違う。
 ビロウは神木とされ、沖縄の神聖な場所である拝所などに多く見られる。また、その葉は、笠や団扇などに利用される。方言名であるクバの名と共に、クバガサ(笠)、クバオウギ(扇)などは、ウチナーンチュによく知れ渡っている。繊維から縄も作られる。
 高さは10~15mほどに達する。陽光地でよく生育する。また、乾燥に強く耐潮風性があるので海浜地の植栽にも適する。開花期は3月から4月。 
 
 花
 
 実
 
 葉
 
 幹 

 訂正加筆:2018.9.4
 記:島乃ガジ丸 2006.1.7 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行


ビルマネム

2017年07月23日 | 草木:公園街路

 大学は日本文学科出身の私であるが、社会人になってからの読書量は少ない。特に文芸書なんてのは、ここ20年で数冊読んだかどうかというくらい。今、私の書棚は漫画本が半数以上を占め、他にはパソコン、美術、工芸、旅行、植物関係などがほとんど。
 そんな私でも中学、高校の頃は文芸書を多く読んだ。国産、外国産に関わらず、有名どころはほとんど読んでいるかもしれない。読んでいるかもしれないが、その内容はどれ一つとしてしっかりとは覚えていない。友人たちと遊んだことや、好きだった女の子のことなどははっきり覚えているのにだ。そういうことから考えると、少年の頃の読書が人格形成に及ぼす影響はあまり無いのではないかと思う。友情の一つは100冊の読書に勝り、恋の一つは1000冊の読書に勝るのではないかと思うのである。

 竹山道雄の『ビルマの竪琴』も確かに読んでいる。おそらく中学の頃に読んでいる。第二次世界大戦の頃の話で、主人公は兵隊で、戦争が終わってもビルマに残って竪琴を弾いていた。などということが記憶にある。なぜ竪琴を弾いていたのか、竪琴が物語の中でどういう意味を持っていたかについては記憶が無い。物語のテーマが何であったのかも思い出せない。が、主人公の名前が今、ふと浮かんだ。確か、水島上等兵。
 そうだ、『ビルマの竪琴』は確か何年か前に映画化されたのであった。僧侶の格好をして竪琴を抱えている水島上等兵が、フェンスの向こうに立っている場面を思い出した。僧侶の格好は中井貴一ではなかったか。僧侶?そうだ、ビルマが仏教国であることも思い出した。そして、ついでに、ビルマという国が今は無い、ということも思い出した。

 東南アジアの西に位置する元のビルマは、1989年に国名をミャンマー連邦と改称されている。他所の国の名前にいちゃもんつける訳ではないが、ビルマという名前が無くなったのは惜しいことである。ミャンマーに比べたら耳障りの良い美しい響きの名前だと私は思うんだが、『ミャンマーの竪琴』ではイマイチしっくりこない。今回紹介する植物のビルマネムも、ミャンマーネムでは響きが悪く、覚えにくいであろう。
 
 ビルマネム(緬甸合歓):公園・街路
 マメ科の落葉高木 原産分布はインド、エジプト 方言名:なし
 マメ科は種子植物の中ではキク科、ラン科についで種の多い科で、その属も550から600もあるらしい。マメ科の下にネムノキ亜科、ジャケツイバラ亜科、ソラマメ亜科の3つの亜科があり、それぞれに多くの属を持つ。ネムノキ(合歓)はネムノキ亜科ネムノキ属のネムノキとなる。オオベニゴウカン、ギンネムとこれまでに合歓やネムと名のつくものを紹介したが、それらはネムノキとは別の属。今回紹介するビルマネムはネムとついていて、その通りネムノキ属の植物となっている。漢字の緬甸はビルマを指す。
 高さ10~20m。陽光地を好み、成長は速い。細い糸が多数突き出て丸まったような花は薄い黄緑色。芳香があり、夜間に特に強く香る。開花期は5月から7月。樹形が乱れやすいので、適宜剪定する。材は建築材に用いられる。
 マメ科の植物らしく、花後は豆の入った莢をつける。20センチ余りの長さがあり、熟した莢は風に揺れるとカラカラ音を立てるとある。これは、まだ未確認。
 
 花
 
 実 

 記:島乃ガジ丸 2005.10.2 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行


ヒルギモドキ

2017年07月23日 | 草木:公園街路

 今年(2011年)7月の下旬、ヤマトゥンチュ(大和人)のくせに沖縄の民俗文化に関心があり、その著作もあるIY氏の友人で、ヤマトゥンチュのくせに沖縄の植物や焼き物が好きだというT女史が沖縄に来て、2日間、そのお相手をした。
 T女史は東京の高円寺で工芸店を経営しており、読谷の「やちむん(焼き物)の里」へ仕入れにが第一の目的で、観葉植物のナーセリー(苗畑という意味らしい)見学が第二の目的で、ヤンバルの山を散策したいというのが第三の目的。二泊三日でその目的の全てを果たし、その目的の全てに私は運転手を兼ねて付きあった。

 その二日目、ナーセリー見学、ヤンバルの山散策を済ませ、まだ時間に余裕があったので海洋博公園へ行く。観光客に人気のある「ちゅら海水族館」なんぞへはT女史も興味が無いらしく、彼女は海洋博公園の施設の一つである植物園へ入った。このところ早寝早起きをしている私は植物園へは同行せず、車の中で昼寝をすることにした。
 ところが、睡魔が襲って来ない。よって、少し園内を散策する。園内には池があり、その池にはマングローブ植物らしきものが植えられていた。既に見知っているオヒルギとメヒルギがあった。どちらも花を咲かせていた。それらの傍にもう一種別の植物があった。それも花を咲かせていた。形は違うがメヒルギと同じ白色の花。
 「おっ、もしかしたらまだ見知っていないヤエヤマヒルギか?」と思ったが、図鑑を見て記憶している限りでは、ヤエヤマヒルギは高木で、支柱根がいくつも出て、タコノキのように見えるらしい。今目の前にあるのは灌木で、支柱根は出ていない。
 「お主何者?」と、写真を撮って、後日調べる。マングローブを形成する植物はヒルギ科の植物だけでは無かった。何者?はヒルギモドキであった。
 
 ヒルギモドキ(蛭木擬・漂木擬):海浜緑化
 シクンシ科の常緑低木 沖縄島金武町以南、熱帯地方に分布 方言名:ハマカニーキ
 名前の由来は資料が無く不明。マングローブを形成する植物の一つで、他のヒルギたちと同じ場所で見られることから「ヒルギのような」と名が付いたのかもしれない。
 葉はメヒルギに似て、メヒルギの葉を小型にした感じ。花も白いというところはメヒルギに似ているが、これもメヒルギより小さく、形は異なる。
 熱帯地方では高さ10mに達する高木とのことだが、沖縄では3mほどに留まり灌木状となる。マングローブの中でも陸側に生育するとのこと。
 沖縄島金武町が生息北限らしいが、私が見たのはそれよりさらに北へ30キロばかり行った沖縄海洋博公園。公園なので当然、人工的に植栽されたものであろう。でもしかし、地球温暖化が進んでいる現在、自然にも金武町以北に生えているかもしれない。
 多く枝分かれし、その先端に多数の小さな花をつける。色は白、開花期は夏。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2011.8.1 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行


ビヨウタコノキ

2017年07月23日 | 草木:ヤシ竹特殊類

 昨日(7月2日)、那覇新都心の辺りを1時間ばかり歩いた。木陰の少ない街中、強烈な日差しが照りつける中、くっきりした自分の影を見ながらトボトボ歩く。
 新都心から古島へ渡る。渡る道は国道330号線。ウチナーンチュにはバイパスという名前で親しまれている。その道の上、安里十字路から古島交差点までの間は中央にモノレールが走っている。そのモノレールの真下、中央分離帯にタコノキが列植されていた。潮風に強いタコノキは海辺の街路樹としてよく用いられるが、また、排気ガスなどの空気汚染にも強いので、こういった街中の街路樹としても使われる。
 国道330号線のタコノキは、その2本に1本は枝から多くの実をぶら下げていた。枝は横に広がり、気根はそう多くない。ビヨウタコノキであろう。ビヨウタコノキの写真は既に海岸端の公園に植栽されたものがアルバムにあるが、こっちのたくさん実をぶら下げた姿がカッコいい。写真を撮ろうかと思ったのだが、330号線は交通量が多く、カメラを構えて5分経っても車の途切れることが無い。カメラを構えて5分も経つと、直射日光が堪える。午後2時の太陽は厳しかった。写真は諦める。
 
 ビヨウタコノキ(美葉蛸の木):公園樹、防潮林
 タコノキ科の常緑高木。原産分布はマダガスカル。方言名:無し
 タコノキという名は、幹から太い気根を多く出している形が蛸に似ているところからきている。ビヨウは美葉で、葉が美しいという意味。葉の縁に赤色の棘があり、アカタコノキまたはフチベニタコノキとの別称もある。漢字でタコノキは露兜樹ともあった。
 同属のアダン、オガサワラタコノキ同様、造園木としては特殊類に分類される。陽光地を好む。耐潮風性が強いので、海岸端の植栽に向くという性質も他の2種と同じ。
 アダンやオガサワラタコノキに比べ枝の分枝は少なく、気根も少ない。樹形が見事に整って観賞価値があり、また、ビヨウ(美葉)という名の通り葉も美しい。
 オガサワラタコノキよりさらに高くなり10mほどに達する。葉には鋭い棘があるが、その棘を除去して屋根葺き、かご、敷物、手芸品として利用される。
 
 花
 
 実
 訂正加筆:2011.1.15

 記:島乃ガジ丸 2005.7.3 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行