ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ワシントンヤシ

2017年07月25日 | 草木:ヤシ竹特殊類

 沖縄県庁の建物は15年ほど前に建替えられた。元の建物は今とほとんど同じ場所にあったのだが、どんな建物だったか、物覚えの悪い私はほとんど覚えていない。ただ、建物の北側に面した道路沿いの、県庁の隣にあった県議会棟の近くに大きなワシントンヤシが数本あったことは覚えている。
 その頃、植物に対する興味はそれほど無かったのではあるが、県庁のワシントンヤシはじつに見事な大きさで、ガッシリとした風格があった。それで名前を覚えた。オキナヤシという別名もあるが、それも覚えた。幹は太くゴツゴツとした肌、大きな葉を垂れ下げたワシントンヤシの姿は、思慮深く人徳の高い翁に見えたのである。
 ところが、新しくなった県庁の、北側に面した道路沿いの県議会棟前からはそのワシントンヤシが1本残らず消えていた。

 数年後のこと、ある造園屋の人から話を聞いた。県庁のワシントンヤシは切り捨てられたとのことであった。見事な姿のヤシ、廃棄処分となると市民から必ず抗議がある。マスコミにも叩かれる。というわけで、事は秘密裏に進めなければならない。作業は市民にばれないよう、夜中に行われたということである。
 大きなワシントンヤシを生かして移植するのには、1本当たり、たとえば100万円かかるとすると、大きなものは廃棄処分にして、2トンダンプに乗る程度の大きさのものを新たに植えれば、3、40万円で済むらしいのである。お金の問題なのであった。
 まあ、お金を最優先させる今の世ではしょうがないことなのであろう。しかし、あの見事な姿を廃棄なんて、じつに勿体無いことをしたものである。
 
 ワシントンヤシ(華盛頓椰子):公園
 ヤシ科の常緑高木 原産分布は合衆国南部 方言名:ヤーシ(ヤシの総称)
 ワシントンという名は英語名のWashington来ていると思われるが、英語名は属名のWashingtoniaから来ているのであろう。Washingtonはたぶん、アメリカ合衆国の首都であるワシントンDCのこと。この植物の原産分布はカリフォルニア南部の他、アメリカ東部も含まれている。最初の発見がアメリカ東部のワシントンDCだったのかも。
  別名にペチコートヤシ(英語名Petticoat palmから)という名前もある。枯れた葉が幹についたまま垂れ下がり、それらが何枚も折り重なっている様がペチコート(スカートの形状をした女性の下着の一種)に似ているところからきている。他にシラガヤシ(白髪椰子)、オキナヤシ(翁椰子)という別称もある。これらは、繊維状のものが葉の縁から垂れているところを、白髪を垂らした老人の様に喩えたもの。
  一見ビロウと見間違える。ビロウそっくりの掌状の葉を持つからである。ビロウの小葉は中途から折れているが、本種の若い葉は折れていない。また、本種は枯れた葉が長く残り幹から垂れ下がっているのも特徴。さらに、ビロウは葉を付け根から落とし、幹肌はなだらかであるが、本種は葉の付け根部分が幹に残って、幹肌が網目模様になっている。
  高さ15mに達する大型のヤシ。幹の直径は1mほどとなり、見た目ガッシリとした風格がある。陽光地を好む。乾燥に強く、耐潮風性もあるので海浜地の植栽にも適する。花序はクリーム色、花は白色、開花期は6月から7月。果実は8月に黒褐色に熟す。
 葉
 
 幹

 訂正加筆:2018.9.19
 記:島乃ガジ丸 2006.1.10 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行 
 『沖縄のヤシ図鑑』中須賀常雄・高山正裕・金城道男著、(有)ボーダーインク発行


リュウキュウハリギリ

2017年07月25日 | 草木:公園街路

 3、4年前の春、みちのく一人旅その1(その2は去年)に出た。福島で県立美術館を見学した後、午後2時を過ぎて遅い昼飯を取る。山菜の時期だそうで、山菜を肴にビールを一杯やろうと、福島駅近くでそれらがありそうな店を見つけ、ガラガラとドアを開けて中へ入る。カウンターの向こうに60歳位のオヤジが座っていて、ジロっと睨まれた。
 オヤジはテレビを観ていたようだ。テレビは大きな音量で競馬中継をやっていた。「何で、こんな時間帯に入ってくるんだ!」といった憮然とした表情でオヤジは
 「っらしゃい」と小さな低い声で言う。馬券を買っていたんだろう。オヤジにとっては客よりも競馬中継の方が大事なようである。こっちを見てはいるが、耳はテレビから離れたくないようで、なかなか立ち上がらない。傍に立っていた奥さんと思われる人が、さっと動いて、オシボリを出し、注文を聞く。生ビールと山菜の天ぷら盛り合わせを頼む。そこでやっとオヤジは立ち上がり、天ぷらを作る。包丁を握ったところでオヤジは自分の商売を思い出したようだ。愛想笑いを浮かべて「お客さん、旅ですか」などと訊く。やっと私を客扱いしてくれたのだが、そこまで、私が店に入ってから10分ほど経っていた。
 オヤジの態度はあまり良いとは言えなかったが、天ぷらは美味しかった。特に、タラノメの天ぷらは私の好物で、それも十分に旨かった。

 タラノキは、沖縄には無い。が、それに近いものはある。従姉の亭主が私同様、酒が好きで、食い物への好奇心も強く、数年前、自分の庭にリュウキュウハリギリを植えた。リュウキュウハリギリの若芽はタラノメに近い味がすると言う。植えてから3年後くらいには十分大きくなり、新芽も収穫できるようになったのだが、沖縄の春は短い。あっというまに過ぎる。収穫できるようになった去年、そして今年と、彼も私もリュウキュウハリギリの新芽を食っていない。二人とも「好奇心はあるが、貪欲では無い」のだと褒めておこう。脳が衰えて、忘れっぽくなっているだけに過ぎないのかもしれないが・・・。
 
 リュウキュウハリギリ(琉球針桐):公園
 ウコギ科の落葉高木。基本種の原産分布は日本各地。方言名:ダラギ、ヤマギリ
 基本種のハリギリは日本の他、シベリア、中国にも分布している。リュウキュウハリギリはハリギリの変種で沖縄特有のもの。
 半日陰でもよく育ち、耐風、耐潮風性も強い丈夫な木。開花期は5月から7月であるが、花は特に観賞するほどのものでは無い。樹形を楽しむ。高さ10~20mになる。
 幹、枝に鋭い棘がある。クマゼミが好んで集まる。材は器具材に使われる。
 
 葉
 
 枝

 記:島乃ガジ丸 2005.7.3 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


ヤマドリヤシ

2017年07月25日 | 草木:ヤシ竹特殊類

 親しみのあるヤシをまだ紹介していなかったということで、先週に引き続いて今週もヤシ。今週は親しみのある数種の中からアレカヤシ。このページのタイトルがヤマドリヤシとなっているが、それが、アレカヤシの和名の本名となっている。
 アレカヤシはその名前で、観葉植物の鉢物として園芸店でよく見かける。若い頃、私もアレカヤシの鉢物を一つ部屋に飾っていた。だから親しみがある。また、アレカヤシは他のヤシとは見た目に大きな違いがあり、若い頃の私でも、アレカヤシをヤシという名前で一括りにしていなかった。その大きな違いとは、アレカヤシが株立ちであること。
 アレカヤシの和名の本名がヤマドリヤシであるということは後年知った。ヤマドリヤシとはなかなか面白い名前なので、今回調べてみた。
 ヤマドリというと、山取りと書いて造園用語にある。「地植えされた植物を、移植するため、根回し無しにその場で掘り取る」ことを言うが、広辞苑にもある。「植物などを、山の自生地で採集すること」である。
 造園用語の山取りにはリスクが伴う。根回し無しということは、移植後の生育が不調になる可能性が高くなるということだ。ヤマドリヤシはそのリスクが少ないからその名前が付いたのかと考えたが、確かに、ヤマドリヤシは移植が難しいということは無い。
 ヤマドリというと、もう一つ山鳥も考えられる。山鳥は「山にすむ鳥」(広辞苑)のことだが、ヤマドリヤシの葉は深い緑色で光沢があり、美しい。それを山鳥の羽に見立ててのヤマドリということなのかもしれない。正確なところは不明。
 
 ヤマドリヤシ(山鳥椰子):公園・鉢物
 ヤシ科の常緑高木 マダガスカル原産 方言名:なし
 ヤマドリヤシにはコガネタケヤシという別名もあるが、それらよりもアレカヤシという名前の方がずっと有名かもしれない。園芸店の観葉鉢物のほとんどにはその名札が付けられている。私もヤマドリヤシではピンとこないが、アレカヤシならすぐにわかる。
 アレカという名は、ジャングルを探検していた一行が、「教授、あれが目印の椰子の木です。」、「そうか、あれか。」といった逸話からきている、のでは無く、おそらく、英語名のAreca palmから。もう一つのコガネタケヤシ(黄金竹椰子)は見た目から。全体に明るい色をしていて、幹に節があって竹のように見える。ところが、肝心のヤマドリヤシの由来が不明。山鳥という字は『沖縄園芸植物大図鑑』にあった。
 高さは10mほど。陽光を好むが半日陰でも育つ。風を強く受けると葉が枯れるので、風の弱い場所に植栽する。耐陰性があるので室内の観葉植物にも向く。葉に照りがあって美しいので花屋に切り葉としても売られている。花は目立たない。
 
 花序

 記:島乃ガジ丸 2008.3.29 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行


ヤブニッケイ

2017年07月25日 | 草木:公園街路

 私が子供の頃、沖縄では駄菓子屋のことをイッセンマチヤグヮーと言った。マチヤグヮーは漢字にすると街屋小とでもなるか。街は市場を指し、屋がついて商店、小がついて小さな商店ということになる。イッセンは、その意味としては1銭と書いてもいい。子供相手の、単価の安い駄菓子が主な商品である。が、じっさいは1銭では無く、1セントを短く言ったもの。1セントはアメリカ合衆国の通貨。私が子供の頃、沖縄はまだアメリカの統治下にあり、我々が使う通貨はドルであった。
 当時のイッセンマチヤグヮーには、いかがわしい食い物がたくさんあった。現在では食品として使用するのを禁じられている合成着色料、合成甘味料、防腐剤などが何の歯止めも無く使われていたと思う。そんないかがわしい食い物でも子供たちにとってはご馳走となる。我々はそれらを喜々として食った。我々の世代はきっと早死にするに違いない。
 マチヤグヮーやイッセンマチヤグヮーについては後日、詳しく紹介したいと思う。

 さて、いかがわしい食い物の中に、色のついた紙があった。紙は飲み込むのでは無く、口に入れて、噛んで、紙に染み込まれている味を楽しむもの。紙を噛んだ唾液は甘く、口の中がスーッとした。舌が紙の色(赤、黄、紫など)に染まった。名前をニッキと言った。大人になってから、それがニッケイのことであることを知った。口の中がスーッとしたのはニッケイ(科学合成のニッケイかも)の成分が含まれているからであった。

 以下、2013年8月、訂正加筆。
 過日、南風原黄金森公園を散策した。ところどころに樹木札があり、その中にはその木の用途を記されたものも多くあった。ヤブニッケイは、「枝や葉に油分を多く含み、よく燃えるので、石油やガスコンロが普及する前は、薪として好まれました。種子は炊くと胡麻の代用になるようです。葉は皮膚病、水虫などの薬用になります」とのこと。
 「薪として好まれた」に私は関心を持ち、畑に1本植えておくかと思った。縄文人の生き方に憧れているので、燃料も自給しようかという魂胆。
 
 ヤブニッケイ(藪肉桂):公園
 クスノキ科の常緑高木 西日本、沖縄、台湾、他に分布 方言名:シバキ、ツツアギ
 香辛料のシナモンのことを和語ではニッケイ(肉桂)と言うが、それは樹木のニッケイの樹皮(桂皮と言う)を乾燥させたものを言う。ということで、ニッケイは樹木名でもある。そのニッケイと同属で、山地に自生することからヤブニッケイという名。
 本種の樹皮もニッケイにやや似た香りと渋みがあるらしいが、香辛料として利用されるとは私が参考にしているどの文献にも記載されていない。ただ、種子から肉桂脂をとり薬用とするのはニッケイと同じとある。紫黒色の果実、結実期は6月から9月。
 高さ10mになる。成長は速く、耐潮風性が強い。半陰でも陽光地でもよく生育する。種子が薬用に用いられ、材は器具や薪炭として利用される。花は目立たない。
 
 葉

 ちなみに、
 ニッケイ(肉桂):公園
 クスノキ科の常緑高木。インドシナ原産 方言名:なし
 
 葉

 記:島乃ガジ丸 2005.12.19 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行


ヤエヤマヤシ

2017年07月25日 | 草木:ヤシ竹特殊類

 私の車はスズキの軽乗用車で、買ってから4年8ヶ月ばかりになる。今日までに累計の走行距離は約7200キロメートル。平均すると1年に1600キロメートル走っていることになる。この数字は、友人たちに言わせると相当少ないということである。
 私は、出かける時には徒歩か、バス、モノレールを利用することが多い。車は主に通勤でしか使わない。それに、遠出もほとんどしない。ために、走行距離が伸びない。
 最近で遠出したのは、車は、義兄が借りて読谷村まで数回。鹿児島の友人Nが借りて、これは恩納村、石川市あたりまで行っている。私が乗っての遠出は去年の秋、Nと一緒に沖縄島南部をぐるり回った時ぐらいである。
 南部の佐敷町、知念村辺りの海沿いの国道には、街路樹としてヤシが多く用いられている。ヤシの並木は確か、私が子供の頃からあったように記憶している。ダイオウヤシのような外来種のヤシであったように覚えている。

 去年、Nとその辺りを通った時に、知念村に入った辺りの街路樹のヤシが、ダイオウヤシでは無くヤエヤマヤシであることに気付いた。ヤエヤマヤシは八重山に自生するヤシ。幹の部分と葉の部分のバランスが良く、形の整ったきれいなヤシである。沖縄島には自生しないので、街路樹は八重山から運んだものであろう。
 その頃、既にガジ丸HPは立ち上げていたが、HPに対する熱心さがまだ十分に無かったようで、ヤエヤマヤシの写真を撮ろうなんて思いつかなかった。最近になって、あーあの時撮って置けばよかったと後悔したのであるが、わざわざ、その写真を撮るだけのために遠出することは、面倒臭がり屋の私にはできないのであった。
 が、先月、「八重山スケッチの旅」に出かける。そして、さすが八重山なのである。ヤエヤマヤシはいたるところにあった。写真はいくらでも撮れた。
 
 ヤエヤマヤシ(八重山椰子):街路・公園
 ヤシ科の常緑高木 原産分布は石垣島、西表島 方言名:ウラダヤシ・ビンドー
 八重山にしか自生していないのでヤエヤマヤシという名。世界でも石垣島と西表島にしか自生しない1属1種のヤシ。姿良く、赤褐色の葉鞘も美しい。
 高さ20m、葉の長さ5mに達する大型のヤシなので、民家の庭には使い辛い。八重山から移入して、沖縄本島の公園や街路樹として利用されている。
 陽光地を好むが半日陰にも耐える。湿潤地でよく生育するが乾燥にも強い。沖縄の環境に合った丈夫なヤシ。ただ、移植はやや難しい。「米原のヤエヤマヤシ群落」(石垣島)、「ウドンブルのヤエヤマヤシ群落」(西表島)は国の天然記念物に指定されている。
 
 沖縄産

 記:島乃ガジ丸 2005.12.4 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行