ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

チバリヨー、ハマリヨー

2018年05月25日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 元気を出す言葉

 先週のガジ丸通信『気張る人』で、チバリヨーというウチナーグチ(沖縄語)を最後の方に出したが、その部分を要約すると、
 チバリヨーという沖縄語は・・・気張れよの沖縄語読み、・・・頑を張るのではなく気を張る、それが沖縄流。ちなみに、気張るは「気持を強く保つ」(広辞苑)という意。

 と書いたのだが、自分でそう書いておいて、頑張るが「頑を張ること」などについて、「本当にそうか?」と疑問に思い広辞苑や沖縄語辞典などで調べてみた。

 先ず、「頑張る」は広辞苑によると、
 「頑張るは当て字。我に張るの転」とあり、その意としては、
 「1、我意を張り通す。」
 「2、どこまでも忍耐して努力する。」
 「3、ある場所を占めて動かない。」などとある。
 第二義の「どこまでも忍耐して努力する」が一般に良く聞く「頑張る」の意味かと思われる。漢字の「頑」を充てるからいけない。私のような者が勘違いする。
 ちなみに、「頑な」は「すなおでなく、ねじけているさま」(広辞苑)のこと。

 チバリヨーの原型はチバユンという動詞で、チバユンは『沖縄語辞典』によると「がんばる。精出して働く。」となっている。この「がんばる」は頑張るの第二義であろう。
 チバユンの命令形がチバレで、これに呼び掛けの助詞ヨーが付いてチバリヨー、「気張れよ。がんばれよ。」となる。ちなみに、気張るは広辞苑によると三つの意があって、
 「息をつめて力む。いきむ。」
 「いきごむ。勇み立つ。元気をだす。」
 「見えを張って必要以上のことをする。」
 とのこと。ちなみに、「気を張る」は「気持を強く保つ。気持を引き締める。」(広辞苑)のことで、これが私のイメージするチバユンに近い。
 ついでに、「気」も広辞苑で引いてみた。「生命の原動力となる勢い。活力の源。」とのこと。やはり、「頑」を張るより「気」を張った方が良いと思う。

 チバユンに似たような意味を持つものにハマユンがある。これも同じく命令形のハマレに呼び掛けの助詞ヨーが付いてハマリヨーとの形で耳にすることが多い。
 ハマユンは沖縄語辞典によると「はげむ。没頭する」という意。「励む」は広辞苑によると「気力をはげしくする。気を荒立てる。」、または「ある目的に向かって心を奮い立たす。つとめる。精を出す。」という意。概ねは「精を出す」の意で用いられる。
 ハマリヨーは、例えば、
 「明日はキビ刈りですよ」
 「ヤンナー、ハマリヨー」という風に使われる。ヤンナーは「そうであるか」といった意で、全体としては「そうか、がんばれよ」という意になる。であるが、ここでも、「がんばる」は頑を張るのではなく、「努力する」と解した方が合う。

 ハマリヨーもチバリヨーも「頑を張るのではなく、努力する」という意の「がんばれよー」となるが、私の感覚ではハマリヨーの方がより強く「がんばる」に感じる。チバリヨーはむしろ、「元気出せよー」という風に感じられる。

 以下の写真は4月27日に立ち寄った末吉公園。300坪の畑を始める前、まだ心と時間に余裕があった頃はたびたび散策していた場所。チバユン、ハマユンとは関係ないと思われるかもしれないが、腰痛に悩みながら「元気出せ俺」と散歩に挑戦した。
     
     
     
     
     
      
     

 記:2018.5.25 ガジ丸 →沖縄の生活目次