ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

カシマサン

2018年05月30日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 悩み事を吹っ切る

 5月初め頃、友人Tとユンタク(おしゃべりという意の沖縄語)している時、「血圧が高いので降圧剤を飲んでいる。最近減量もした。頭痛もしていた。」などと彼から聞く。降圧剤を飲むのは、我々の世代ではよく聞くので、たぶん普通のこと。私は、血圧は高いけれども降圧剤を飲んでいない。化学薬品に頼らず、自然の食物で何とかしようと思っている。フーチバー(ヨモギ)やサクナ(ボタンボウフウ)などをたまにだが食っている。であるが、まだ何ともなっていない。現状維持(150~160)がやっと。
 減量については、私は痩せ型なのでやる必要はない。ただ、最近頭痛はある。Tに「そっちは頭痛は無いの?」と訊かれた時は無かった。頭痛を感じ始めたのはTとユンタクした日から1週間程経った頃。思い悩むことがあっての頭痛ではなく本物の頭痛。若い頃の二日酔い以外あまり経験の無い頭痛。これが「高血圧→頭痛」なるものかと思う。
     

 さて、表題のカシマサン、私の感覚で和語に訳すと「煩ぇ」であるが、沖縄語辞典によると「かしましい。やかましい。うるさい。」となっている。発音は「姦しい」の沖縄語読みだと思われる。「女3人揃ったらかしましいとは愉快だね」の姦しい。
 ついでに、「かしましい。やかましい。うるさい。」を広辞苑で確認してみた。姦(かしま)しいは「やかましい」とあり、喧(やかま)しいはいくつかの意味があって、抜粋すると「騒がしい。そうぞうしい。」、「煩(わずら)わしい。めんどうである。」、「小言が多く、聞いてうるさく感じる。気むずかしい。」など。煩(うるさ)いはさらに多くの意味があり、抜粋するのも面倒なので1つだけ紹介すると、「扱いに手間がかかり厄介である。煩雑で面倒である。」のこと。面倒に感じる時にも「煩い」は使われる。
 沖縄語のカシマサンには上記の「かしましい。やかましい。うるさい。」のそれぞれの意味が含まれている。騒がしい時にも面倒に感じた時にも使われる。
 私がよく耳にしていた沖縄語で、カシマサンと同じような意味で使われる言葉としてヤガマサンがあり、これは喧(やかま)しいの沖縄語読みであろう。他にユンガシマサンというのもあった。カシマサンにユンをつけてユンガシマサンになると思われるが、私の経験では、酷く煩い時に使われていたような気がする。ちなみに、ユンは沖縄語辞典によると、「嫌悪の意を示す接頭辞」とのこと。「嫌になるほど煩い」となる。

 カシマサンとヤガマサンの、使い方の違いはほとんど無いと思われるが、私の経験で言えば、ヤガマサンは音に対して使うことが多く、カシマサンは音だけでなく煩わしいことや鬱陶しいこと面倒に感じることに対しても使われていると思う。
 「オバサン達が隣でぺちゃくちゃ喋くっている」、「子供たちが家の中で暴れまわっている」、「テレビの音が大きい」などといった時はカシマサンもヤガマサンも使えるが、「もつれている糸をほどこうとするが、すごく面倒」な時はカシマサンが適当。

 頭痛を感じるようになった5月15日辺りから、夜中小便で目が覚めた後、なかなか寝付けなくなっていた。「何だこれは、脳出血の前兆か?」と不安になる。
 腰痛が治らない、私が得意としている肉体労働ができない。脳出血で倒れたら、運良く命を取り留めても半身不随となって軽い作業もできなくなる。これから生きていけるかと不安になる。といった不安感が眠れない夜の頭の中を駆け巡る。そしてある日、
 「えーい、カシマサン!」となる。この時のカシマサンは「えーい、鬱陶しい!」と訳した方が適当となる。あれこれ思い悩むことが鬱陶しいと思って、ついに開き直る。
 「えーい、カシマサン!治らなきゃぁ治らないなりに何とかなるさ、生きていく術はいくらでもあるさ、目標持って努力していけば、それが元気の源になるさ」となった。そう思った2日後にはある目標を定め、目標達成のための努力を始めた。
 カシマサン、このように何か悩み事を吹っ切る際にも使われる。
     

 記:2018.5.30 ガジ丸 →沖縄の生活目次