もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

ボケと新聞

2021年09月22日 | 社会・政治問題

 新聞はいろいろなことを教えてくれる。

 柄にもなく昨日は中秋の名月を仰ぎ見たが、本日の新聞には「中秋の名月と満月が一致したのは平成25年以来8年ぶり」となっていた。
 自分はこれまで、中秋の名月=旧暦8月15日の満月と思い込んでいたので、これまで眺めた中秋の名月の多くが満月では無かったことに驚いた。国立天文台のHPを調べて見ると、2021年(名月: 9月21日、満月: 9月21日08時55分)、2020年(名月:10月1日、満月:10月2日06時05分)となっており、昨年はほぼ1日ずれていたことになる。
 揚げ足を取るようであるが、今年でも満月は午前8時55分であるので、自分が仰ぎ見た20時の時点では満月を12時間も過ぎたことになっている。国立天文台の解説に依れば「中秋の名月は太陰暦の日付で決まるが、満月は、太陽、地球、月の位置関係で決まる。月の公転軌道が楕円形であり、新月から満月までの日数が13.9日から15.6日と大きく変化する」となっている。これほどの誤差が有れば、太陰暦が使用されていた時代には「閏日」や「閏月」を挿入して補正したことも当然で、暦の制定が為政者の特権・義務・象徴であったことが理解できる。
 ここで更なる疑問が湧いた。例えば混乱を極めた戦国時代の、それも京都から遥かに離れた地方で書かれた資料にも日付が書かれたものも少なくないが、暦・暦日をどのようして津々浦々にまで周知・配布し得たのだろうか。閑話休題。
 国連総会の一般討論演説のトップバッターはブラジルで、2番目がホスト国のアメリカであることが慣例になっているらしい。
 円卓会議ではアルファベット順、オリンピックでは開催国の発音順に紹介することが慣例若しくは暗黙のルールであるが、Bで始まるブラジルが1番打者であることについて国連儀典長は「1945年の国連草創期、各国が最初の演説国となることを躊躇する中でブラジルが率先して引き受けたため」と説明している。更には、1997年には「演説リストは既存の伝統に基づく」と規定・追認され現在に至っているらしい。世界大戦が終結したものの、新たな米ソ陣営対立という局面で、「猫の首に鈴を付ける勇気」を発揮したブラジへの尊敬の念が受け継がれているようである。

 以上の2件の何れも、大方の人にとっては既知の事柄であるのだろうが、自分にとっては新しい知識発見となるものであった。
 「新聞は ボケと知識の リニューアル」。どなたかが更に推敲して新聞週間のキャッチフレーズにでも応募して頂けることを念じつつ、終演。