中国の裏技2件が報じられた。
1は、人工島のパラセル諸島を「西沙区」に、スプラトリー諸島を「南沙区」とする2つの自治体を新設したことである。自治体とは云え両区の人口はそれぞれ2000人程度で、民間人の定住を演出するための観光業者を除いて、大半は軍人若しくは軍関係者とされている。パラセル諸島はベトナムと、スプラトリー諸島はフィリピンとの領有権確執があり、特にスプラトリー諸島については国際司法裁判所が中国の主張を否定した状況下での暴挙である。2は、香港の1国2制度を形骸化して、香港を事実上の支配下に組み込んだことである。香港は返還時に中国との関係を明記した基本法を制定(中国との協定文書)し、中国政府所属の各部門は香港特別行政区の事務に干渉できないとされていた。これまでは、中国政府の「香港マカオ事務弁公室」と出先の「香港連絡弁公室」は中国政府の所属部門であるとの解釈で運用されていたが、ここに来て中国と香港の両政府が「それぞれの弁公室は中国政府の所属部門ではない」と解釈を変更したことによって、両弁公室は中国政府そのものとなり基本法の縛りから外れることになる。マカオの状況は伝えられていないが、同様の状態であろう。既に香港では、民主派議員の拘束が始っており返還後50年間保証されていたはずの1国2制度は、25年で事実上の終焉を迎えることとなる。顕在化した2件だけでも、中国は世界の監視の目と欧米の影響力が希薄となる時期を虎視眈々と狙っていたことが推測される。国連機関の4/15のトップに中国人が座り、WHOには薬籠中のエチオピア人がいる現在を好機と考えたものであろうか。
物語風に書けば、遠謀深慮のもとに現今の状況を実現した習主席は、武漢感染症研究所に対してコロナウィルスの散布を命じた。感染初期に警鐘を鳴らした医師を譴責・隔離、WHOに送られた台湾のメールを黙殺させ順調に感染は拡大した。諸外国での十分な感染発生を知った習主席は、かねて計画・準備していた武漢市を隔離し、感染を湖北省に局限し得た。このことは、感染者の8割強が湖北省であり、湖北省以外では1万5千人(日本の現在の感染者数程度)しか感染していないことからも明らかであろう。習主席の思惑通り、世界は感染拡大に忙殺されて誰も人工島の行政区新設や香港・マカオの完全中国化に注意を払わなくなり、既成事実を積み重ねることに成功した。この作戦での中国人死者は3300人であるが、世界制覇を目指す習主席にとっては軽微な犠牲であろう。アフリカ諸国は駐中国使を通じて形ばかりの抗議をしたが、本国を債務漬けにしているので何等の痛痒も感じていないだろうし、一旦落ち込んだ経済も世界に先駆けて稼働を再開させることによってV字回復することだろう。唯一の気懸りはアメリカ高官が中国ウィルと呼び続け武漢研究所の調査を表明していることであるが、まだ隠し球を持っているので・・。自国民のわずかな犠牲で細菌テロを成功させた習主席は、毛沢東は建国と建設に数千万人に及ぶ犠牲者を要したが3千人の犠牲で中華覇権を実現した英雄と歴史の教科書(日本の検定教科書も含む。)に書かれるのかも知れない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます