もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

イーロン・マスク氏を学ぶ

2022年10月23日 | アメリカ

 イーロン・マスク氏の言動が波紋を広げている。

 氏は、宇宙開発企業スペースXや電気自動車企業テスラ等のCEOで保有資産は3020億ドル(約35兆円)とされており、アメリカン・ドリームを絵に描いたような人物と思っていた。
 ウクライナ事変では、ウクライナの要請に応じる形でスペースXの運営するスターリンクシステムを提供するとともに約2万台のスターリンク端末を寄付してロシアに破壊された官/軍/民の通信インフラの代替機能を果たし、ウクライナの継戦に於いては正面装備供与に劣らない貢献をしていると思っていた。しかしながら、10月14日には米国防総省に「ウクライナでの無償提供は自社のみでは無期限に継続できない。継続する場合は資金提供が必要」との書簡を送ったことが報じられ、何やら冷水を浴びせられた思いがした。当該書簡は翌日には撤回されたとされているが、アメリカのウクライナ直接支援には含まれない解決が図られたのであろうと邪推している。
 一昨日、マスク氏が「台湾を一国二制度の下に中国化する選択肢もある」との発言が報じられた。香港で立証された「中国の横紙破りによる一国二制度の破綻」を忘れたかのように・アメリカの台湾政策を無視するように、中国政府の公式見解そのままの発言をしたことは、氏にとって上海にあるテスラの権益保護以外のことは脳裏に無いようにも思える。

 マスク氏は、多くのアメリカ大企業と同様に民主・共和両党に政治献金しているものの、政治的には中道より「やや右寄り」との評価が一般的であるが、ウクライナ支援や台湾に関する発言を観る限り、右も左もない「金銭至上主義者」と呼ぶべきであるようにも思える。
 彼の国籍がどうなっているのか判らないが、Wikipediaで眺めた彼の生い立ちは、高校までは南アフリカで、大学は母親の出身地であるカナダで過ごした後にアメリカに移住したとされているので、恐らく多重国籍者であろうと思っている。
 カルロス・ゴーン氏の拝金主義が露わになった際、ゴーン氏がポルトガル・レバノン・フランスの多重国籍であることを知ったが、貧乏人の僻みで云えばマスク氏にもゴーン氏と同種の匂いが感じられる。
 かって、祖国を持たない漂流者のユダヤ人が信じる物は銭だけといわれてきたが、多重国籍者が忠誠を尽くす対象は国家以外であるようにも思える。
 云わずもがなの一言「蓮舫議員、如何ですか」


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