もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

サル騒動

2023年04月06日 | 憲法

 自分は「春休み防衛戦」で孫にノックアウトされたが、同時期に小西洋之議員も完敗・自爆の憂き目に遭っている。

 小西議員は自身が野党筆頭幹事である参院憲法審査会の開催に関して「毎週開催はサル・蛮族の所業」と放言し、さらに発言撤回の会見でも謝罪すること無く「オフレコ無視、切り取り」という報道機関への抗議に終始し、将に「引かれ者の小唄」という醜態を晒してしまった。
 いわゆる小西文書で高市大臣の首を狙ったものの、小西文書が捏造とは断定されないまでも怪文書との評価が定まった今となっては恥の上塗であるが、最初に「サル報道」したNHK・フジTVの取材拒否の広言に至っては高市大臣追及の論拠とした「放送法の恣意的運用や報道の自由」を自ら犯すという、お粗末さに思える。
 小西議員のサル発言は、立憲民主党の憲法観と護憲努力を窮地に追い込むという滑稽ではあるが新たな展開を見せている。
 現在、憲法審査会の最大論点は国会議員の任期延長に関する緊急条項であるが、自・公・国・維各党は任期延長を可能とする憲法改正を標榜し、国・維に至っては改憲条文案の起草・提案にまで踏みこんでいる。一方の立民は「参院の緊急集会で明確になった場合は議論すべき」との従来主張を固持しているが、議員713人(衆院465人、参院248人)で維持している国会の権能を、最悪の場合参院の半分124人で維持できると考えているのだろうか。さらには国政選挙もできない状況下で憲法議論を行い、国民投票ができると考えているのであれば、立憲民主党こそホモサピエンス発展の最大要因とされる「想像力と創造力」を持ち合わせていない「サルの集団」と呼ばれるに相応しい様に思える。
 また立民は今回の小西発言によって、表立って衆参憲法審査会の開催忌避に動けない下地を作り出し、これまでのように予算審議の通常国会中は審査会を開催しないという慣例、国民投票のCM規制検証期間中は審査会での改憲議論封止、等々の戦術を採り続けることは困難になってしまったように思える。

 小西議員は「元放送政策課課長補佐に喧嘩を売るとはいい度胸だ」ともツィートしたとされているが、官僚の権限縮小はこれまで立民が事あるごとに述べたことであり、オフレコの紳士協定破りとしている点はについても、2月の総理秘書官のLGBTに関するオフレコ発言を厳しく追及したことを考えれば、ブーメランの標的と化した泉代表には「泣き面に蜂」と思いたいことだろう。
泉執行部は小西議員を筆頭幹事からの更迭で幕引きを図っているが、サル発言はともかくとしても怪文書問題だけでも党員除名や議員辞職に値する悪意・醜態ではないだろうか。
 小西議員は一連の渦中で「憲法学者」とも述べていると報じられているが、ハテ・サテ。


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