もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

外国人との共生・共存とJITCO

2018年12月10日 | 社会・政治問題

 先行き不安が取り沙汰される、入管法改正案が成立して外国人労働者が隣人になる確率が確実に増した。

 日本の言語・生活・文化に不案内な外国人労働者が、片寄せ合って生活するための小さなコミュニティは、今後更に増えていくことだろうと思う。現在でも各地に点在する「リトル〇〇」と周辺住民の軋轢が報じられるが、入管法の改正によって軋轢の範囲と程度もまた確実に増加するのは止むを得ないことである。ここにきて、外国人との共生か共存かという議論がメディアに登場することが多くなった。最も望ましいのは外国人労働者が日本の文化と生活様式に同化して共生することであろうが、外国人労働者の大半が在留期間5年の短期労働者であることから共生まで期待することは無理であり、我々は共存の関係を受け入れざるを得ないものと思う。嘗て日本人、特に海外駐在員がエコノミックアニマルと呼ばれていた頃は、現地の文化と距離を置いた日本人の閉鎖的なコミュニティが西側先進国からは奇異の目で見られていたが、四半世紀を経て日本人が反対の立場に立たされることになったのは皮肉な回り合わせとしか言いようがない。就労ビザで働く労働者はさておき、技能実習ビザで働く技能実習生の受け入れ手順がどのようになっているのか知らなかったので調べてみた。現在、技能実習生の受け入れに際しては国際研修協力機構(JITCO:ジツコ)や特定の組合を窓口として受け入れることになっているらしい。雇用者による低賃金支給や過重労働が問題視されているが、雇用者は受け入れ窓口の資格審査を一応パスしているので、制度的な欠陥というよりも雇用者の人格の欠陥に起因する場合が多いのではなかろうかと推測するので、日本人の意識改革に俟たざるを得ないのが現実ではないだろうか。入管法の改正に伴って技能実習生とは異なる単純労働者が大量に入国することとなるが、彼等に対してもJITCOがサポートを担任するのだろうか。その場合、態勢として強化しなければならないのはJITCOの活動であると考える。JITCOは、法務・外務・厚労・経産・国交の五省共管の法人で、事業内容は主として制度を利用して技能実習生を受け入れる側をサポートする機関と理解したが、日本社会と外国人労働者の共生・共存にとって最大の障壁は、労働者の意識・行動様式と日本社会の乖離であるのではないだろうか。韓国では脱北者に対して教育センターで教育した後に社会に送り出している。諸外国でも受け入れた難民に対して同化のための教育をしている場合が多い。このことからも、入管法改正に伴って単純労働者として入国する外国人に対しては、半月程度の教育・訓練を義務付ける必要があり、JITCOの業務を受け入れ側のサポートだけではなく入国者に対する直接教育・訓練にまで拡大する必要があると考える。

 JITCOの機能拡大に対しては、費用・施設・人員の問題が浮上すると思われるが、施設としては廃校になった学校施設の活用、人員については無職のシルバー世代の登用等、幾多の方法が考えられる。費用についても、将来に亘って日本文化の存続を図るために、惜しむべきでないものと思うのだが。既に顕在化している外国人コミュニティとの軋轢を思えば、証文の出し遅れの感があとは言え、考慮に値する提言と思うが。如何に。


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