日教組大会での授業実践報告の一端を新聞で読んだ。
現在、日教組大会が開催されていることすら知らなかった不明を大いに反省するところであるが、同大会に対する右翼の妨害行動や、会場の利用取り消し等の沈静化に伴ってメディアの報道量が激減していることも一因と思う。それはさておき、記事中に広島県の小学校教員が、中国側の資料を基に大東亜戦争について満州事変を起点とした15年戦争の概念で教育していることに興味をひかれた。確かに昭和6年の満州事変が日中の確執として国際的に注目され、機に乗じ様とした欧米社会との軋轢に発展した結果として大東亜戦惹起の原因となったものであるが、背景にある、国民党の統治能力と満州族抑圧政策、ロシアの南下膨張政策、英米蘭独西葡の植民地政策、当時の国際倫理観、戦争と事変の概念、日本の経済・人口問題、在留邦人保護、等々を総合的に判断したとき、日中の確執を15年戦争と呼ぶことは中国がプロパガンダとして採用している説に過ぎないと思う。報告した教員が近世をどのように理解しての行動か分からないが、国際的に日中戦争は中国(国民党)が日本に宣戦布告した1941年~45年とするのが一般的であり、国際的に異論がある概念を小学生に教えることは妥当ではないと思う。異論と言えば、大東亜戦争終結に至る過程について、日清戦争を始めとする主張、ペリー来航を契機とする説、阿片戦争を始期とする説、果てには東インド会社設立が対立の始めとする説まであり、15年戦争説はその一つにしか当たらないものの、自虐史観を刷り込むには好個の説として当該教員は自説としているのではないだろうか。
歴史認識は歴史的事実を学んだ後に各個人が構築すべきものであり、刷り込みや押し付けでなされるべきではないと思う。偏向した歴史教育の結果として偏狭でいびつな国民を作り出している中国と韓国が反面教師として存在しているのに、日教組は現在には学ばないのかと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます