◇前県教育長・大崎さん、無料相談「荷を軽く」
不登校やいじめなどの悩みを抱える子どもや障害者らを対象にしたボランティアの相談施設「たんぽぽ教育研究所」(高知市南はりまや町2の4の15、四国管財4階)が、1日オープンする。前県教育長で、代表を務める大崎博澄さん(65)は「行き場所がない子どもらが、ぶらっとお茶でも飲みに来られる場所にしたい」と話している。
教育長時代、不登校で悩む親子の話を直接聞いてほしいと、知人の教師から依頼された。「1人受けると殺到する」などと止める声が多かったが、「子どもが一番大事」。忙しい時間の合間を縫って会いに行った。以後、保護者や教師からの相談を直接受けるようになる。「間接的に上がってくる情報だと間違う。肌で感じないと、現場で悩む人の気持ちは分からない」と気付いた。
08年3月の退職後、教育相談を電話で受け付ける同研究所を旗揚げ。建物はなく、“自分”が事務所。自宅や喫茶店などで話を聞く日々が続いた。拠点とする場所を探していたところ、知り合いのビル管理会社社長が、同社の4階部分のほか、机、椅子、パソコンなどを無料で提供してくれた。
教育相談やカウンセリングを引き続き受け付けるほか、子ども、障害者、保護者、教師らが「ちょっと心を休めに」いつでも立ち寄れるフリースペースとして事務所(25平方メートル)を開放。また、現場の教師と共同で、教育課題の解決策を探る研究を進める。当面、長女の未知さん(32)と2人で担当するが、知人の教師や、関係を築いた保護者らにも支えてもらう。
大崎さんの長男も、小学校のころにいじめを受け、高校時代に引きこもりになった。教育長時代、解決できなかった相談も多々あるといい、同研究所を作ったのは「罪を償いたいとの気持ちも」。現在常勤の高知大監事職は、4月から週1回の非常勤にしてもらった。「ライフワークとしてやっていく。気持ちに寄り添い、話をお聞きすることで少しでも荷物を軽くしてあげたい。気軽に来てくださいね」
◇
平日午前9時~午後5時(土日・祝日、午後5時以降の夜間は電話予約で随時対応)。問い合わせは、電話(090・7626・3543)かメール(osaki@tanpopo-k.net)で。
毎日新聞 2010年3月31日 地方版
不登校やいじめなどの悩みを抱える子どもや障害者らを対象にしたボランティアの相談施設「たんぽぽ教育研究所」(高知市南はりまや町2の4の15、四国管財4階)が、1日オープンする。前県教育長で、代表を務める大崎博澄さん(65)は「行き場所がない子どもらが、ぶらっとお茶でも飲みに来られる場所にしたい」と話している。
教育長時代、不登校で悩む親子の話を直接聞いてほしいと、知人の教師から依頼された。「1人受けると殺到する」などと止める声が多かったが、「子どもが一番大事」。忙しい時間の合間を縫って会いに行った。以後、保護者や教師からの相談を直接受けるようになる。「間接的に上がってくる情報だと間違う。肌で感じないと、現場で悩む人の気持ちは分からない」と気付いた。
08年3月の退職後、教育相談を電話で受け付ける同研究所を旗揚げ。建物はなく、“自分”が事務所。自宅や喫茶店などで話を聞く日々が続いた。拠点とする場所を探していたところ、知り合いのビル管理会社社長が、同社の4階部分のほか、机、椅子、パソコンなどを無料で提供してくれた。
教育相談やカウンセリングを引き続き受け付けるほか、子ども、障害者、保護者、教師らが「ちょっと心を休めに」いつでも立ち寄れるフリースペースとして事務所(25平方メートル)を開放。また、現場の教師と共同で、教育課題の解決策を探る研究を進める。当面、長女の未知さん(32)と2人で担当するが、知人の教師や、関係を築いた保護者らにも支えてもらう。
大崎さんの長男も、小学校のころにいじめを受け、高校時代に引きこもりになった。教育長時代、解決できなかった相談も多々あるといい、同研究所を作ったのは「罪を償いたいとの気持ちも」。現在常勤の高知大監事職は、4月から週1回の非常勤にしてもらった。「ライフワークとしてやっていく。気持ちに寄り添い、話をお聞きすることで少しでも荷物を軽くしてあげたい。気軽に来てくださいね」
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平日午前9時~午後5時(土日・祝日、午後5時以降の夜間は電話予約で随時対応)。問い合わせは、電話(090・7626・3543)かメール(osaki@tanpopo-k.net)で。
毎日新聞 2010年3月31日 地方版