ゴエモンのつぶやき

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障害者の「罪と罰」:イギリスからの報告/下 偏見生まぬ報道を求め

2010年04月25日 00時57分35秒 | 障害者の自立
 ◇民間団体が記事チェックや啓発、政策提言
 彼の身柄をアメリカに引き渡さないよう議員に頼んでください--。イギリス自閉症協会(NAS)のホームページにゲーリー・マッキノンという青年の顔写真付きでこのような呼びかけ文が掲載されている。この青年は米国防総省のコンピューターシステムに侵入した容疑で米政府から身柄引き渡しを要求されているが、08年8月に発達障害の一つであるアスペルガー症候群と診断された。

 アスペルガー症候群の特性として、強迫観念に駆られたように興味を注いで行ったことが、周囲にどのような影響を及ぼすのかわからない場合がある。そのような人に刑罰を科しても意味がないとして、イギリスでは医療や心理的ケアに基づいた矯正プログラムが行われている。ところが、米国にはそのような考えが希薄なため、最高で懲役70年の刑を受ける可能性があるというのだ。

 日本でも発達障害の人が事件を起こすと悪質さや猟奇性を強調した報道が行われ、厳罰を求める世論が高まる。そうした事情はイギリスでも同じという。センセーショナルな記事が紙面にあふれ、この青年の事件でもイギリス政府の内相は「アスペルガー症候群は事件とは関係ない」と主張して身柄引き渡しを進めようとした。それに対抗してNASが身柄引き渡しを阻止するキャンペーンを張っているのだという。

 NASは発達障害に関するさまざまな調査研究を行い、議会へのロビー活動や政策提言にも積極的に取り組む。発達障害児者の特性に合った学校教育や福祉サービス、矯正施設なども直接運営してきた。職員は約3000人。ほんの数人が事務局にいる日本の自閉症協会とは違う。

 メディア対策班もあり、10人の専従職員がいる。メディアからの問い合わせに答えるだけでなく、NASの取り組んでいるキャンペーンを積極的にPRしている。毎日7種類の全国紙を隅々まで読み、発達障害に関する報道で不適切な内容があると記者や編集責任者に抗議したり、発達障害の特性などを説明した協会作成の「メディアガイド」を渡して啓発に努めている。

 「すぐに反応することが大事です。何か事件があったときには24時間体制で臨み、できれば記事が出る前に記者から連絡が来るような関係づくりにも心がけている」とメディア対策班のスージー・ブラウンさん(26)は語る。フランスのある閣僚がイギリス保守党の政策を「自閉症みたいだ」と非難した際、ブラウンさんらメディア対策班は不適切な比喩(ひゆ)表現だとして抗議した。それがイギリスの新聞に掲載され、閣僚の事務所から謝罪の手紙が届いた。また、フランス自閉症協会からも感謝の意向が伝えられた。

 全国紙だけでなく地方で発行されている計約1000紙に対し、毎週10~15種類のニュースリリースを出してNASの活動のPRなどに努めている。イギリス全土で600~700家族が地方紙の報道をチェックして連絡してくれる体制も築いている。

 ブラウンさんは話す。「毎日モニターしていると良い記事もたくさんあり、自閉症に関心のある記者はとても多い。しかし同時にセンセーショナルな記事も書きたがるので『バランスを取って』と言っている。彼らが理解したいと思っていることは間違いないが、マスコミはあまりにもスピードが速く、記事のスペースも限られており、簡単にまとめたがる。こちらは簡単には説明できず、ジレンマを感じます」。フリーの記者はじっくり取材する傾向があるが、新聞社やテレビ局に勤めている記者はいつも急いでいるという。

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 触法障害者のケアや地域生活支援に多額の予算を投入する社会的土壌の形成に努めているのは、NASだけではない。ロンドンに本部のあるNGO「プリズン・リフォーム・トラスト」は、スタッフが毎週テレビやラジオに出演し、刑務所庁や保健省、財務省などとも定期的会合を持って刑務所改革をはたらきかけている。「専門スタッフが16人しかいない小さな組織だが、財源を政府に頼らない独立機関として政策決定に影響力を持っている」と代表の女性は胸を張る。

 メディアによるセンセーショナルな報道は多いが、それに対抗するように民間団体は活発に行動し、国を動かしているのだ。

毎日新聞 2010年4月24日 東京朝刊


身体障害者のミュージシャンたちがツアー!アメリカに亡命していた音楽家が描くドキュメンタリー

2010年04月25日 00時49分41秒 | 障害者の自立
 [シネマトゥデイ映画ニュース] 身体障害者のミュージシャンやダンサーを集めて行ったツアーをドキュメント映画化したロードムービー『ムンド・アラス/Mundo Alas』(原題)を製作したアルゼンチン音楽界の重鎮レオン・ヒエコに話を聞いた。

 レオンはこれまで数多くの若手ミュージシャンの手助けをしてきたが、「ミュージシャンの手助けをすることは、僕にとって義務のようなものなんだ。駆け出しのミュージシャンだけを助けるのではなく、人々に忘れられてしまったミュージシャンを、再発掘することも大切なんだ」と語ってくれた。そして、「僕は、ずっと身体に障害を持ったミュージシャンと演奏してきたから、彼らをほかの健康なミュージシャンと変わらないと思っているんだ。ある時国営放送の番組で、僕が20年間共に演奏してきた身体障害者のミュージシャンたちを集めて演奏したことがあって、そのときの評判が良かったから、今回の映画化の話が持ち込まれたんだよ」と今回のツアーと映画化の経緯を話した。

 映画の中では、ミュージシャンの一人、マクシーという青年が印象的だ。11歳のときにレオンと歌った映像と、最近の映像が比較されている。この青年について聞いてみると、「マクシーはこの映画に出演してから、音楽で家族を養うことができるようになったんだよ! 彼はCDもリリースしているんだよ! 彼以外にもこのツアーに参加してくれた多くのミュージシャンは、CDを出したり、本を執筆したりして積極的な活動をしているんだ」と話した。この映画によって、レオンはまた多くのミュージシャンを手助けしたようだ。

 ツアー後すぐに結婚したカップルがいたのだが、「本当に素晴らしいことだったよ! デイミアン(車いすのダンサー)の結婚相手は、彼のダンスパートナーではなく、盲目のボーカリスト、カリーナのアシスタントをしていた女性なんだ。彼らはツアーの時に出会って恋をしたようだけど、誰もそのことに気付かなかったんだよ……(笑)。ツアーの後になって、映画の編集をしている際に、彼らから電話があって結婚すると言われたんだ! 僕はすぐに、この映画のために撮影させてよと頼んだよ!(笑)」と二人のロマンスにまったく気付かなかったことを明かしてくれた。

 そんな彼は、過去につらい経験をしたことがある。それは、彼が1976年に「The Ghost of Canterville」というアルバムをリリースしたときのことだ。このアルバムは、当時軍事政権下にあったアルゼンチンの検閲を受け、12曲入っていた中の10曲が演奏することを禁じられてしまった。結局、このアルバムの中の曲は、後に出したアルバムの中に2、3曲ずつ入れながら、徐々にリリースしていくことになったが、彼はこのアルバムが原因で命を狙われたこともあり、一時期アメリカに亡命していたこともあったのだ。

 さまざまな苦労をしながら、数多くのミュージシャンを支えてきたレオン。インタビューの際、身体障害者のミュージシャンの名前を出して質問するたびに、「彼らのことを、まるでハリウッドスターの名前のように覚えて質問してくれることに感謝するよ! と言って涙ぐんでいたのが印象に残った。まさしく彼は、アルゼンチン音楽界の宝である。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

シネマトゥデイ

難病患者や障害者の就労支援--来月15日、佐賀 /佐賀

2010年04月25日 00時47分00秒 | 障害者の自立
 難病患者や障害者への就労支援のあり方を考えるシンポジウムが5月15日午後1時半から、佐賀市兵庫町藤木のほほえみ館で開かれる。主催するNPO法人・県難病支援ネットワーク(同市)の三原睦子理事長は「難病患者の働きたいという思いをかなえられる社会になるよう、多くの人に関心を持ってほしい」と参加を呼びかけている。

 同ネットは03年設立。04年に九州で初めて開設した「県難病相談・支援センター」を運営する指定管理者として、難病患者や家族の相談に応じたり、交流を深める活動を行っている。

 就労についてのシンポジウムは今回で3回目。難病患者の就労支援に詳しい「障害者職業総合センター」(千葉市)の春名由一郎研究員が基調講演するほか、県内企業に就職している難病患者らがシンポジストとして経験を語る。

 入場無料。定員は約100人。電話(0952・97・9632)▽ファクス(0952・97・9634)▽メール(sagapref‐nanbyo1@abox3.so‐net.ne.jp)--による事前申し込みが必要。

毎日新聞 2010年4月24日 地方版


障害者福祉や教育の現状は?、家族らも参加し交流集会/横浜‎

2010年04月25日 00時44分51秒 | 障害者の自立
 障害者福祉や教育の現状について考える「障害者と家族の交流集会2010」が24日、横浜市神奈川区の反町地域ケアプラザで行われた。障害者や家族ら計35人が参加した。

 県内の障害者団体など14団体で構成される「障害児者の生活と権利を守る神奈川県連絡協議会」(川崎市多摩区)が主催した。

 障害者をめぐる制度改革の動向を知り、新しい法制度を展望するため、基本的な視点を学ぶのが狙いという。事務局の清水健男さん(67)は、「集会を通じて、私たちの運動の方向性を考える場でもある」と話していた。

 「障害者自立支援法廃止の方向と今後の障害者福祉」、「インクルーシブ教育とは何か」と題し、関係者らが約1時間ずつ講演した。質疑応答や意見交換も行われた。参加者からは「低所得者への福祉サービスは具体的にどう変わるのか」、「障害者の所得保障については」といった質問が寄せられていた。

カナロコ(神奈川新聞

「益子マインド」好評 土日祝日も一時預かり /栃木

2010年04月25日 00時42分28秒 | 障害者の自立
 ◇問い合わせも多く、職員増へ
 全国的にも数少ない365日受け入れ体制を整えた障害者施設として益子町山本に開設された「益子マインド」が好評だ。利用者の保護者の多くが「ようやく居場所が見つかった」と喜んでいる。

 「益子マインド」は1年を通じて、土日祝日関係なく、障害者の一時預かりに対応するのが特徴。芳賀地区障害者相談支援センターによると、芳賀地区では「土日受け入れを行っている施設が少なく、障害者の子供を持つ保護者からの問い合わせも多い」という。

 「益子マインド」の利用者は現在、一時利用と就労支援を合わせて19~35歳の男女13人。オープンしてからも問い合わせや見学がそれぞれ週に3、4件ずつあり、職員も3人増員することが決まった。

 「益子マインド」を経営する坂本士郎社長は「障害者の保護者の力になりたい」と開設した。施設を訪れる前は表情が硬かった保護者が、施設を見学して説明を聞いて帰るころには笑顔に変わるという。

 坂本社長は「想像以上に存在意義がある」。障害者というよりも一人の人間として職員も私も接している。ここを求めてくれる人の支えになれるようこれからも頑張りたい」と話している。

毎日新聞 2010年4月23日 地方版