知的・身体障害者が出場する「もう一つのマラソン大会」が十一日、高根沢町石末の町民広場で開かれ、六十八人の障害者が汗を流した。「障害者と健常者が共生できる社会」がテーマの大会には、高校生を中心とする多数のボランティアも参加。手を取り合って大会を盛り上げた。
大会は障害者の自立を支援している「NPO法人わかば」(同町宝石台)の主催で、二〇〇六年に始まり今年で五回目。同法人の坂主晴美理事長(55)が六年前にボランティア養成講座を開いた際、参加者の高校生から「障害者と一緒に町を歩いたら、冷たい視線にさらされ悲しかった」と言われたのがきっかけだった。
重度の障害がある次男を持つ坂主さんは「健常者と障害者が触れ合う場をつくり、少しでも理解を深めてもらえれば」と考え、体力に応じて誰でも参加できるマラソン大会の開催を思い付いた。
この日は特別支援学校や福祉施設など県内十団体から八~四十八歳の男女が参加。七百メートル、一・五キロ、三キロの三部門に分かれて競技を実施した。スタート前、選手たちは「寒い寒い」「ちゃんと走れるかな」と落ち着かない様子だったが、号砲が鳴ると真剣な表情で駆けだし、熱い走りを見せた。
車いすで初参加した三ツ井恵美子さん(31)は伴走者の助けを借りず、声援を浴びながら七百メートルを十八分で完走。「不安だったけれど最後まで自力で頑張ることができ、自信になりました」と晴れやかな表情で話した。
運営を手伝った高校生は、高根沢、さくら清修両高校の三十六人。地域の女性もけんちん汁を振る舞った。介助係として伴走したさくら清修高二年の手塚文哉君(17)は「障害のある人に同情する気持ちもあったけれど、皆さんの前向きな姿勢に自分が励まされた。ずっと応援していきたい」と力を込めた。
東京新聞
大会は障害者の自立を支援している「NPO法人わかば」(同町宝石台)の主催で、二〇〇六年に始まり今年で五回目。同法人の坂主晴美理事長(55)が六年前にボランティア養成講座を開いた際、参加者の高校生から「障害者と一緒に町を歩いたら、冷たい視線にさらされ悲しかった」と言われたのがきっかけだった。
重度の障害がある次男を持つ坂主さんは「健常者と障害者が触れ合う場をつくり、少しでも理解を深めてもらえれば」と考え、体力に応じて誰でも参加できるマラソン大会の開催を思い付いた。
この日は特別支援学校や福祉施設など県内十団体から八~四十八歳の男女が参加。七百メートル、一・五キロ、三キロの三部門に分かれて競技を実施した。スタート前、選手たちは「寒い寒い」「ちゃんと走れるかな」と落ち着かない様子だったが、号砲が鳴ると真剣な表情で駆けだし、熱い走りを見せた。
車いすで初参加した三ツ井恵美子さん(31)は伴走者の助けを借りず、声援を浴びながら七百メートルを十八分で完走。「不安だったけれど最後まで自力で頑張ることができ、自信になりました」と晴れやかな表情で話した。
運営を手伝った高校生は、高根沢、さくら清修両高校の三十六人。地域の女性もけんちん汁を振る舞った。介助係として伴走したさくら清修高二年の手塚文哉君(17)は「障害のある人に同情する気持ちもあったけれど、皆さんの前向きな姿勢に自分が励まされた。ずっと応援していきたい」と力を込めた。
東京新聞