来秋 多様化対応 相談に力
岡山県岡山市は、発達障害を持つ人と家族をサポートする「市発達障害者支援センター」(仮称)を2011年11月をめどに、同市北区春日町、市勤労者福祉センター1階に開設する方針を決めた。
社会的関心の高まりなどを背景に、市立小中学校で発達障害の児童、生徒が増え、成人を含めた発達障害者の課題は多様化。市は「センターを中核に、市教委などと連携し、発達障害者や保護者の悩みに対応していきたい」としている。
発達障害は、05年4月施行の発達障害者支援法の定義で、幼少期から現れる先天的な脳障害とされ、読み書きや計算が苦手な学習障害(LD)▽人との意思疎通がうまくできない自閉症やアスペルガー症候群▽不用意に行動してしまう注意欠陥・多動性障害(ADHD)――などに分類される。
市の調査では、発達障害の子どもは09年度、市立小967人(08年度772人)、市立中191人(同164人)といずれも増加。このため市教委は10年4月、不登校などを担当する市教育相談室に、発達障害専門の分室を新設。保護者の電話相談に応じたり、教員に発達障害児への接し方を助言したりしている。
一方、同法は都道府県や政令市に、発達障害者支援センターの設置を義務づけており、09年4月に政令市に移行した市は準備を進めてきた。センターの内容は、市こども企画課が検討中だが、相談業務や発達・就労支援、啓発・研修が柱になる見通し。担当の発達障害児相談主事や臨床心理士ら十数人を配置する予定だ。
NPO法人県自閉症協会によると、最近は、大人になってから発達障害だと気付いた人からの相談も多く、障害の早期発見や就労支援も課題になっているという。同協会の伊丹英徳理事長は「障害者本人や親の悩みは様々。こうした人たちが地域で孤立しない支援体制を築いてほしい」と要望する。
市こども企画課は「民間の支援機関とも連携しながら、支援や啓発活動を行い、発達障害者を取り巻く社会環境を変えていくことを目指したい」としている。
◇
県内には、同法に基づき県が設置した、おかやま発達障害者支援センター(岡山市北区)と、同センター県北支所(津山市)があり、09年度の利用者は428人(相談支援304人、発達支援61人、就労支援63人)。岡山市内の利用者が約半数を占めることから、同市が設置するセンターとの役割分担が課題となる。県障害福祉課は「相談者にとって利用しやすい形を、市と協議していきたい」とする。
(2010年12月8日 読売新聞)
岡山県岡山市は、発達障害を持つ人と家族をサポートする「市発達障害者支援センター」(仮称)を2011年11月をめどに、同市北区春日町、市勤労者福祉センター1階に開設する方針を決めた。
社会的関心の高まりなどを背景に、市立小中学校で発達障害の児童、生徒が増え、成人を含めた発達障害者の課題は多様化。市は「センターを中核に、市教委などと連携し、発達障害者や保護者の悩みに対応していきたい」としている。
発達障害は、05年4月施行の発達障害者支援法の定義で、幼少期から現れる先天的な脳障害とされ、読み書きや計算が苦手な学習障害(LD)▽人との意思疎通がうまくできない自閉症やアスペルガー症候群▽不用意に行動してしまう注意欠陥・多動性障害(ADHD)――などに分類される。
市の調査では、発達障害の子どもは09年度、市立小967人(08年度772人)、市立中191人(同164人)といずれも増加。このため市教委は10年4月、不登校などを担当する市教育相談室に、発達障害専門の分室を新設。保護者の電話相談に応じたり、教員に発達障害児への接し方を助言したりしている。
一方、同法は都道府県や政令市に、発達障害者支援センターの設置を義務づけており、09年4月に政令市に移行した市は準備を進めてきた。センターの内容は、市こども企画課が検討中だが、相談業務や発達・就労支援、啓発・研修が柱になる見通し。担当の発達障害児相談主事や臨床心理士ら十数人を配置する予定だ。
NPO法人県自閉症協会によると、最近は、大人になってから発達障害だと気付いた人からの相談も多く、障害の早期発見や就労支援も課題になっているという。同協会の伊丹英徳理事長は「障害者本人や親の悩みは様々。こうした人たちが地域で孤立しない支援体制を築いてほしい」と要望する。
市こども企画課は「民間の支援機関とも連携しながら、支援や啓発活動を行い、発達障害者を取り巻く社会環境を変えていくことを目指したい」としている。
◇
県内には、同法に基づき県が設置した、おかやま発達障害者支援センター(岡山市北区)と、同センター県北支所(津山市)があり、09年度の利用者は428人(相談支援304人、発達支援61人、就労支援63人)。岡山市内の利用者が約半数を占めることから、同市が設置するセンターとの役割分担が課題となる。県障害福祉課は「相談者にとって利用しやすい形を、市と協議していきたい」とする。
(2010年12月8日 読売新聞)