知的障害者の自立支援施設を運営する社会福祉法人「あさか会」(大阪市住吉区)が洗車施設を併設し、丁寧な仕上げで人気を集めている。施設を利用する男女7人が手作業で車体を磨き上げ、口コミで評判に。開店後5年間で売り上げも年々伸び、これまで平日だけだった営業を土日に広げることも検討、「障害者就労のモデルに」と期待が膨らんでいる。
同会運営の施設「はぁとらんど浅香」の敷地内に、乗用車1台分のスペースを「まちの洗車屋にじ」と名付け、開設した。施設職員の野田隆広さん(30)が中心になり、周辺の企業経営者らに協力を呼びかけて運営している。
野田さんは施設の外でも仕事ができるよう厳しく指導。スタッフの障害者らは数十種類の洗剤やワックスを使って体をいっぱいに動かし、ピカピカになるまで車体を磨いている。
開店当初は不安も多かったというが、手を抜かない作業に客の反応も良く、「一番上手な店に出会えた」と言われたこともあるという。
2005年の開店から07年度までは年間売り上げは40万円以下だったが、08年度は160万円、09年度は360万円と徐々に増え、今年度は10月末で既に300万円に達した。スタッフの工賃もアップし、以前携わった園芸や木工作業の約10倍の月2万円を稼ぐ大阪市東住吉区湯里、長岡利和さん(25)は「貯金したり、プロ野球を見に行ったりできるようになった。仕事も頑張ろうと思える」と話す。
店を見学した京都府のビル清掃会社が新たに障害者の採用を決めるなど、理解を深めるきっかけにもなっているといい、野田さんは「障害者だからできない、というイメージを変えていきたい」と力を込める。
午前9時~午後3時半。雨天の場合と土日、祝日休業。問い合わせは090・9867・6989へ。
(2010年12月24日 読売新聞)
同会運営の施設「はぁとらんど浅香」の敷地内に、乗用車1台分のスペースを「まちの洗車屋にじ」と名付け、開設した。施設職員の野田隆広さん(30)が中心になり、周辺の企業経営者らに協力を呼びかけて運営している。
野田さんは施設の外でも仕事ができるよう厳しく指導。スタッフの障害者らは数十種類の洗剤やワックスを使って体をいっぱいに動かし、ピカピカになるまで車体を磨いている。
開店当初は不安も多かったというが、手を抜かない作業に客の反応も良く、「一番上手な店に出会えた」と言われたこともあるという。
2005年の開店から07年度までは年間売り上げは40万円以下だったが、08年度は160万円、09年度は360万円と徐々に増え、今年度は10月末で既に300万円に達した。スタッフの工賃もアップし、以前携わった園芸や木工作業の約10倍の月2万円を稼ぐ大阪市東住吉区湯里、長岡利和さん(25)は「貯金したり、プロ野球を見に行ったりできるようになった。仕事も頑張ろうと思える」と話す。
店を見学した京都府のビル清掃会社が新たに障害者の採用を決めるなど、理解を深めるきっかけにもなっているといい、野田さんは「障害者だからできない、というイメージを変えていきたい」と力を込める。
午前9時~午後3時半。雨天の場合と土日、祝日休業。問い合わせは090・9867・6989へ。
(2010年12月24日 読売新聞)