病気や事故で片脚や片腕を失った選手がプレーする「アンプティサッカー」の第二回日本選手権大会が十六日、川崎市宮前区土橋の「フロンタウンさぎぬま」で開かれた。
アンプティサッカーは七人制で、選手らは金属製のつえ「クラッチ」で体を支えてボールを蹴る。ゴールキーパーは片腕を切断した人が担当する。国際大会も開催されている。
国内の競技人口は約四十人で、この日は全四チームが集結。トーナメントで戦った。鋭いシュートで得点すると、選手らはクラッチを掲げてハイタッチ。連係が難しいとされるヘディングでゴールを決めると、会場から拍手が湧き起こった。
関東勢が集うFCガサルスは大会二連覇。厚木市を拠点に練習しているTSAFCもチーム力を上げ、日本代表レベルの選手がそろったFC九州バイラオールに敗れるも健闘。三位になった。
競技を七月に始めたばかりのガサルスの児玉直選手(26)=埼玉県川越市=は十代のころ、骨肉腫で右脚を失っており「まだ利き足の感覚があって、右を出して空振りすることもある」と難しさも語ったが、「チームプレーがきれいに決まると爽快」と笑顔を見せた。
アンプティサッカー日本代表の杉野正幸監督は「脚などを切断した障害者に参加してもらえるよう競技をアピールしたい。ふさぎこんだ気持ちをほぐす一助にもなる」と話していた。
つえで体を支え、ボールを蹴る選手=宮前区で
東京新聞- 2012年9月17日