特有な症状軽減も
認知症になると、記憶障害だけでなく、生活にもさまざまな支障を来します。被害妄想や徘徊(はいかい)、排せつの障害が出ることもあり、往々にして介護者の精神的な負担が増えます。
しかし、介護者が認知症の知識を持ち、正しく接することができれば、妄想や徘徊など、認知症に特有な症状も軽減するといわれています。いかに良いケア、良い環境が大事かということです。
認知症ケアは、笑顔、褒めること、認めること、寄り添うこと、相手を尊重することがポイントです。徘徊などの周辺症状は、不安や混乱が原因で起こります。
原因を探り、できるだけ穏やかに接すると、相手も穏やかになり、症状が軽減します。こうしたこつを学び、非言語的ケア、すなわち触れるケアを充実させると、さらに良いケアになる可能性があります。
足をさするフットケアや、相手の行動を認め、気持ちに寄り添うバリデーション療法、背中を優しく包み込むように触るタクティールケアなどが、こうしたケアの一種で、注目されています。
ただそうはいっても腹が立つ、という介護者は多いようです。それも人間ですから当たり前です。
(国立長寿医療研究センター内科総合診療部長・遠藤英俊)
(2012年9月18日) 【中日新聞】【朝刊】
認知症になると、記憶障害だけでなく、生活にもさまざまな支障を来します。被害妄想や徘徊(はいかい)、排せつの障害が出ることもあり、往々にして介護者の精神的な負担が増えます。
しかし、介護者が認知症の知識を持ち、正しく接することができれば、妄想や徘徊など、認知症に特有な症状も軽減するといわれています。いかに良いケア、良い環境が大事かということです。
認知症ケアは、笑顔、褒めること、認めること、寄り添うこと、相手を尊重することがポイントです。徘徊などの周辺症状は、不安や混乱が原因で起こります。
原因を探り、できるだけ穏やかに接すると、相手も穏やかになり、症状が軽減します。こうしたこつを学び、非言語的ケア、すなわち触れるケアを充実させると、さらに良いケアになる可能性があります。
足をさするフットケアや、相手の行動を認め、気持ちに寄り添うバリデーション療法、背中を優しく包み込むように触るタクティールケアなどが、こうしたケアの一種で、注目されています。
ただそうはいっても腹が立つ、という介護者は多いようです。それも人間ですから当たり前です。
(国立長寿医療研究センター内科総合診療部長・遠藤英俊)
(2012年9月18日) 【中日新聞】【朝刊】