「ハロー、エブリワン(こんにちは、皆さん)!」。東日本大震災で被災した岩手県野田村の障子上喜一さん(25)が27日、米首都ワシントンで開催中の国際フォーラムで被災体験などを英語で披露した。
フォーラムは、知的障害者の権利保護などを訴える国際育成会連盟と米国の団体が共催。自らも障害を抱える障子上さんは災害への備えをテーマとする分科会で、各国から集まった約40人の障害者や家族、支援者らを前に震災当時の様子を詳しく説明した。
障子上さんは岩手県のNPO法人「ハックの家」に勤務。水産加工の仕事をしていたが、加工場が津波で大きく損壊。同じ仕事を続けることが難しくなり、同法人のパン工房で働いている。
「パンづくりはまだまだ初心者だけど、毎日努力して、最高のパン職人になりたいです」と締めくくると、会場から大きな拍手が沸き起こった。
英語を使うのは中学校以来だったという障子上さん。発表が終わると「出発前から本番ぎりぎりまで練習したかいがあった。これからも頑張りたい」と笑顔で語った。
スポーツニッポン-[ 2012年10月28日 14:51 ]