◇「可能性を発見する場に」−−島久美子さん
「障害のある人もない人も、誰もが豊かな時間と新しい自分の可能性を発見する場にしたい」。昨年9月、和歌山市美園町のみその商店街に障害者アートの拠点施設「RAKU」をオープンさせた。障害者の魅力的な芸術作品を展示し、ワークショップを毎月開催。エコバッグ、ポストカードなどの商品化にも取り組んでいる。
20歳の時から約30年間、子どもの文化芸術活動を支援する団体で働いた。生の舞台鑑賞や遊びの創造、野外活動などを通して子どもたちが生き生きとするのを見て、「芸術は人が人として豊かに生きるうえで不可欠な要素」と感じてきた。
約3年前から働く障害者リハビリ施設「麦の郷(さと)」(和歌山市)で、通所者の家族や職員から「芸術活動を取り入れたいが、どこで誰に相談したらよいか分からない」という声を聞いた。障害者の芸術活動の拠点となる場所が求められていると感じた。11年、同商店街で県内から公募した障害者の作品展を開いたことがきっかけとなり、RAKUを開設した。
絵画や陶芸、手織り、書道、音楽、ダンスなどのワークショップは、先行して昨年6月から開催。講師は芸術にかかわるボランティアの専門家らだ。「障害のある人は、『障害のために○○ができない』と否定から始まることが多い。けれどもアートは勉強ではないので正解がなく、一人一人の感性が素直に表れる」という。自身も講師を務め、参加者からの「ここへ来るのが一番楽しい」との言葉に手応えを感じた。
昨年9月に開催したオープニング展「世界でひとつだけの織り」では、NPO法人和歌山盲ろう者友の会(同)が運営するさをり織りのアトリエ「Heart to Hand」のメンバーらによるタペストリーなどを展示。その後も、障害者作業所や福祉施設と共同した企画展を開催している。商品化されたエコバッグやポストカードも好評という。
「障害があろうとなかろうと、すばらしい作品は人の心を打つ。アートを通したつながりは、社会を変える力がある。人生の最後のステージをここに懸けてみたい」。
目標は地元の障害者アーティストを掘り起こし、仕事を創出することだ。
毎日新聞 2013年01月31日 地方版
「障害のある人もない人も、誰もが豊かな時間と新しい自分の可能性を発見する場にしたい」。昨年9月、和歌山市美園町のみその商店街に障害者アートの拠点施設「RAKU」をオープンさせた。障害者の魅力的な芸術作品を展示し、ワークショップを毎月開催。エコバッグ、ポストカードなどの商品化にも取り組んでいる。
20歳の時から約30年間、子どもの文化芸術活動を支援する団体で働いた。生の舞台鑑賞や遊びの創造、野外活動などを通して子どもたちが生き生きとするのを見て、「芸術は人が人として豊かに生きるうえで不可欠な要素」と感じてきた。
約3年前から働く障害者リハビリ施設「麦の郷(さと)」(和歌山市)で、通所者の家族や職員から「芸術活動を取り入れたいが、どこで誰に相談したらよいか分からない」という声を聞いた。障害者の芸術活動の拠点となる場所が求められていると感じた。11年、同商店街で県内から公募した障害者の作品展を開いたことがきっかけとなり、RAKUを開設した。
絵画や陶芸、手織り、書道、音楽、ダンスなどのワークショップは、先行して昨年6月から開催。講師は芸術にかかわるボランティアの専門家らだ。「障害のある人は、『障害のために○○ができない』と否定から始まることが多い。けれどもアートは勉強ではないので正解がなく、一人一人の感性が素直に表れる」という。自身も講師を務め、参加者からの「ここへ来るのが一番楽しい」との言葉に手応えを感じた。
昨年9月に開催したオープニング展「世界でひとつだけの織り」では、NPO法人和歌山盲ろう者友の会(同)が運営するさをり織りのアトリエ「Heart to Hand」のメンバーらによるタペストリーなどを展示。その後も、障害者作業所や福祉施設と共同した企画展を開催している。商品化されたエコバッグやポストカードも好評という。
「障害があろうとなかろうと、すばらしい作品は人の心を打つ。アートを通したつながりは、社会を変える力がある。人生の最後のステージをここに懸けてみたい」。
目標は地元の障害者アーティストを掘り起こし、仕事を創出することだ。
毎日新聞 2013年01月31日 地方版