就職を希望するアスリートと企業の仲を取り持つ日本オリンピック委員会(JOC)の就職支援プロジェクト「アスリートナビゲーション(通称・アスナビ)」がバリアフリー化に踏み出した。パラリンピックを目指す障害者選手にも門戸が開かれる可能性が出てきたのだ。JOCは「健常者も障害者も、アスナビの場で互いの競技環境を知ることは刺激になるはず。企業側にとっては採用の選択肢が広がる」と相乗効果を期待している。
アスナビは、競技団体の推薦などで選ばれた選手の就職を、JOCが仲介役となって支援する取り組み。企業への説明会では選手が自らの言葉でPRし、現役引退後も社業に貢献できる人材を企業側が採用する。2010年秋に始まり、これまでに五輪経験者ら17人が13社に就職を決めた。
先月14日の説明会には、バンクーバーパラリンピックのアルペン(チェアスキー)代表、夏目堅司(39)が障害者選手として初参加。障害者選手への対象拡大は、20年オリンピック・パラリンピックの東京招致を支援する経済同友会の呼び掛けで実現した。今年4月から、民間企業に義務付けられる障害者の法定雇用率が0.2ポイント高い2%に上がったことが追い風となっている。
夏目は車イスに乗って、アイスホッケー女子代表主将の大沢ちほ(21)らと並び参加企業に支援を訴えた。トレーニング時間を確保するため、パートタイムでスキースクールの事務をしながら競技を続けているが、年間400万円以上の活動資金を捻出するのは容易でない。「他の冬季障害者アスリートも似たような境遇が多い」(夏目)という。
障害の種類や程度によって就ける職種が変わるため、障害者選手のアスナビ活用には課題が多い。しかし、日本パラリンピック委員会を傘下組織に持つ日本障害者スポーツ協会は「オリンピックもパラリンピックもスポーツは一つ。JOCと一緒に事業を進めていけることに意義がある」と今後の連携に意欲的だ。
MSN産経ニュース- 2013.6.7 21:00
アスナビは、競技団体の推薦などで選ばれた選手の就職を、JOCが仲介役となって支援する取り組み。企業への説明会では選手が自らの言葉でPRし、現役引退後も社業に貢献できる人材を企業側が採用する。2010年秋に始まり、これまでに五輪経験者ら17人が13社に就職を決めた。
先月14日の説明会には、バンクーバーパラリンピックのアルペン(チェアスキー)代表、夏目堅司(39)が障害者選手として初参加。障害者選手への対象拡大は、20年オリンピック・パラリンピックの東京招致を支援する経済同友会の呼び掛けで実現した。今年4月から、民間企業に義務付けられる障害者の法定雇用率が0.2ポイント高い2%に上がったことが追い風となっている。
夏目は車イスに乗って、アイスホッケー女子代表主将の大沢ちほ(21)らと並び参加企業に支援を訴えた。トレーニング時間を確保するため、パートタイムでスキースクールの事務をしながら競技を続けているが、年間400万円以上の活動資金を捻出するのは容易でない。「他の冬季障害者アスリートも似たような境遇が多い」(夏目)という。
障害の種類や程度によって就ける職種が変わるため、障害者選手のアスナビ活用には課題が多い。しかし、日本パラリンピック委員会を傘下組織に持つ日本障害者スポーツ協会は「オリンピックもパラリンピックもスポーツは一つ。JOCと一緒に事業を進めていけることに意義がある」と今後の連携に意欲的だ。
MSN産経ニュース- 2013.6.7 21:00