ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

女性や障害者にもやさしい 市民団体がデザイン提案−−長崎・眼鏡橋近く /長崎

2014年04月06日 01時51分49秒 | 障害者の自立
 長崎市の観光名所、眼鏡橋近くにある市民会館裏の公衆トイレが改修され、話題を呼んでいる。「きれいになって入りやすくなった」「使いやすい」−−。改装を市に働きかけたのは、市民団体「みんなにやさしいトイレ会議」実行委員会。使う人の立場に立ったトイレのデザインを提案し、女性や障害者らが歓迎している。

 「トイレ会議」実行委は女性の目線に立ったトイレのあり方を考えてきた竹中晴美さんが3年前に設立し、主婦や市職員ら約20人が街のトイレの実態調査などに取り組んできた。市と連携した公衆トイレ改装は、市民会館裏が4カ所目となる。

 市は当初、「男性の利用が圧倒的」という調査結果から男子トイレのスペースを女子トイレより広げる設計図を出した。実行委は「汚いから女性の利用が少ない。市民の声に耳を傾けて」と訴え、職員と何度も話し合いを重ねた。

 改装でこだわったのは清潔感と使いやすさ。窓を大きく作り、光を取り入れ開放的な雰囲気にした。女子トイレの中が入り口から見えないようにするなどの配慮も。多機能トイレには着替えスペースを配置したほか、万が一転倒した場合に備え、床近くにも緊急ブザーのボタンを設置。使う人の立場に立ったさまざまな工夫を取り入れている。

 こうした功績が認められ、3月には市民が選ぶ市民団体表彰(市主催)で大賞も受賞した。竹中さんは「使う側の代表として要望を言ってきてよかった」と喜ぶ。ただ、トイレットペーパーの持ち去りなど課題もあるといい「せっかくきれいにしてもマナーが悪ければ汚くなる。維持するのは私たち」と利用者に協力を呼びかけている。

毎日新聞 2014年04月05日 地方版

忘れても次の夢へ 高次脳機能障害 春日市の安辺真志さん

2014年04月06日 01時44分55秒 | 障害者の自立
 17年前の交通事故で脳を損傷し、記憶などに障害がある福岡県春日市の安辺真志(あべしんじ)さん(40)が1月、リハビリを経ての就職やボランティア活動の努力を認められ、春日市から表彰された。昨秋、大分市であった日本脳外傷友の会全国大会でも九州で唯一、当事者活動奨励賞を受賞した。全国で50万人が苦しんでいるとされ、誰でもなる可能性がある高次脳機能障害だが、社会的理解度は低いのが現実だ。周囲は「高次脳機能障害者の希望の星になって!」とエールを送る。

 3月に春日市であった市民ソフトボール大会。安辺さんは代打で出場し、二塁打を放った。監督を務める父憲治さん(66)の胸には、ベースに向かって懸命に走る安辺さんの姿に込み上げるものがあった。

 事故に遭ったのは1997年4月。当時勤めていた水道設備工事会社の残業を終え、バイクで帰宅中に四輪駆動車と衝突した。安辺さんは40日間、意識不明だった。九死に一生を得た後、きついリハビリに励んで生活に不自由ないほど手足は動くようになった。が、記憶障害などが残った。他人の言葉をすぐ忘れ、計画的な物事の遂行も難しい。

 しかし、持ち前の頑張り精神で努力する。憲治さんらがつくったNPO法人「福岡・翼の会」で脳活性化訓練などを続け、今は両親と同居の家から福岡市の化粧品通販会社に障害者の仲間とバス通勤する。「きょうは○○をする」。携帯電話のスケジュール管理機能を使い記憶を補っている。

 当事者活動奨励賞を「最近で一番うれしかった」と語る彼の目標は自立、そして結婚だが、「正直言って不安はある」と打ち明ける。高次脳機能障害者の自立は難しいのだろうか。

 阿部順子岐阜医療科学大教授によると、自立して結婚し、子を持つ高次脳機能障害者は、周りの「希望の星」になっているという。自立を支える方法の一つが、同教授らが考案した「生活版ジョブコーチ支援」。専門的知識を持つ人による訪問型生活支援だ。

 「支援なしでの1人暮らし(自立)は挫折の可能性が高いけど、まず一歩を踏み出さないと」と教授は安辺さんの背中を押す。ジョブコーチ支援実現を行政などに働き掛ける両親も、息子の結婚を夢見る。

 最近、沖縄の知人が「翼の会」機関誌に載った安辺さんの受賞の弁に感想を書いてきた。「真志さんの『未来は今、自分の取る行動のその先にある』の言葉が私の励み」とあった。地域での理解(支援)の広がりと自身の思いが、「星」を輝かせる。

=2014/04/05付 西日本新聞朝刊=

<金口木舌>障がい者権利条例

2014年04月06日 01時34分29秒 | 障害者の自立
 国際通りのスクランブル交差点で視覚障がい者の男性が前に進めず、途方に暮れていた。通り掛かった女性が手を差し伸べ、目的地の店まで手を引き、買い物を手伝った

▼別れ際、男性は言った。「迷惑掛けてごめんなさい」。これを聞いて女性は悲しくなった。男性はこうも言った。「私みたいな障がい者を迷惑と普通の人たちは思う」「助けを求めたら怒鳴られることもあったから」

▼このやりとりを専門学校生の仲本琴絵さん(24)=北谷町=が2月下旬、フェイスブックにつづった。男性が受けた仕打ちを「普通」のことにせず、「目の見えない人の手を引くことが普通でなくちゃならない」。共感が広がり、シェアは1万1千件余に及んだ

▼障がい者への差別を禁止し、差別事例を解決する仕組みを整えた県の「障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例」が1日に施行された。障がい者への差別をなくす機運を県民全体で盛り上げたい

▼条例制定前の聞き取りで、障がいを理由にバスの運転手から乗車を拒否されたり、児童施設への入園を断られたりした体験が寄せられた。条例が目指す共生社会の実現は容易ではなさそうだ

▼仲本さんは、この男性が謝ることなく生きられる世の中になってほしいと願う。他者を思いやる優しさと行動力を起点に、条例の理念を県内の隅々に根付かせたい。

2014年4月5日 琉球新報