◇福山「絆の家」が来月中旬まで出店
福山市新涯町の障害者就労支援施設「絆の家」が同市内にラーメン店を出店し、施設の利用者が調理や接客に奮闘している。営業は8月中旬までの期間限定で、施設管理者で店長の上田晋資さん(43)は「最初は失敗ばかりだったが、みんなの頑張りで仕事をてきぱきとこなせるようになった」と喜んでいる。(大森篤志)
「絆の家」では、障害者約20人がしいたけ栽培に取り組み、地元のスーパーや道の駅に卸している。
ラーメン店は、上田さんの友人が店を経営していた縁で、閉鎖していた店舗を活用して実現。ラーメンの調理は、製麺や麺のゆで加減など、複雑な作業や独特のこつが必要など、障害者には難しい面もあるが、可能性を広げようと取り組む。
6月初めにオープンしたラーメン店は、同市南本庄の「尾道ラーメン朱鳶あかとび」。JR福山駅から西に約800メートルのJR山陽線沿いで、赤いのれんと白いちょうちんが目印だ。午前11時から午後3時までのランチ営業。テーブルとカウンターの計20席あり、メニューは唐辛子と野菜が入った「朱鳶ラーメン」など3種類を提供する。
勤務は同施設の利用者4~7人が交代で行い、店内をふき掃除したり、食材の野菜を切ったりと開店前から忙しく働く。客が来ると「いらっしゃいませ」と大きな声であいさつ。麺の硬さやスープの辛さは客が選べるが、注文用紙に丸を付けて店員に手渡してもらうことで、ミスがないように工夫している。
勤務する障害者は当初、野菜を同じ大きさに切りそろえるのに苦労したり、麺をゆでるのに硬すぎたり、柔らかすぎたりと失敗も多かった。しかし、毎日の経験で克服し、お客さんの満足度も高まり、今では1日20~25食を売り上げる。
「初めは不安だったのか声が小さかった」と振り返る上田さん。「しかし、限られた人としか接触のない施設では味わえない経験を通し、仲間と助け合う気持ちや新たな仕事への自信を付け、大きな声も出せるようになった」と成長に目を細める。勤務する楠正光さん(37)は「接客はいろんな人と出会えて楽しい」と声を弾ませた。
福山市障がい福祉課は、「福祉施設がラーメン店を経営するのは珍しい。利用者が前向きに取り組むのは素晴らしい」としている。
同店の営業は平日のみ。問い合わせは同店(084・931・2229)。
2014年07月16日 読売新聞
福山市新涯町の障害者就労支援施設「絆の家」が同市内にラーメン店を出店し、施設の利用者が調理や接客に奮闘している。営業は8月中旬までの期間限定で、施設管理者で店長の上田晋資さん(43)は「最初は失敗ばかりだったが、みんなの頑張りで仕事をてきぱきとこなせるようになった」と喜んでいる。(大森篤志)
「絆の家」では、障害者約20人がしいたけ栽培に取り組み、地元のスーパーや道の駅に卸している。
ラーメン店は、上田さんの友人が店を経営していた縁で、閉鎖していた店舗を活用して実現。ラーメンの調理は、製麺や麺のゆで加減など、複雑な作業や独特のこつが必要など、障害者には難しい面もあるが、可能性を広げようと取り組む。
6月初めにオープンしたラーメン店は、同市南本庄の「尾道ラーメン朱鳶あかとび」。JR福山駅から西に約800メートルのJR山陽線沿いで、赤いのれんと白いちょうちんが目印だ。午前11時から午後3時までのランチ営業。テーブルとカウンターの計20席あり、メニューは唐辛子と野菜が入った「朱鳶ラーメン」など3種類を提供する。
勤務は同施設の利用者4~7人が交代で行い、店内をふき掃除したり、食材の野菜を切ったりと開店前から忙しく働く。客が来ると「いらっしゃいませ」と大きな声であいさつ。麺の硬さやスープの辛さは客が選べるが、注文用紙に丸を付けて店員に手渡してもらうことで、ミスがないように工夫している。
勤務する障害者は当初、野菜を同じ大きさに切りそろえるのに苦労したり、麺をゆでるのに硬すぎたり、柔らかすぎたりと失敗も多かった。しかし、毎日の経験で克服し、お客さんの満足度も高まり、今では1日20~25食を売り上げる。
「初めは不安だったのか声が小さかった」と振り返る上田さん。「しかし、限られた人としか接触のない施設では味わえない経験を通し、仲間と助け合う気持ちや新たな仕事への自信を付け、大きな声も出せるようになった」と成長に目を細める。勤務する楠正光さん(37)は「接客はいろんな人と出会えて楽しい」と声を弾ませた。
福山市障がい福祉課は、「福祉施設がラーメン店を経営するのは珍しい。利用者が前向きに取り組むのは素晴らしい」としている。
同店の営業は平日のみ。問い合わせは同店(084・931・2229)。
2014年07月16日 読売新聞