「ネパールの人々を助けたい」。兵庫県西宮市の中国出身歌手、李広宏さん(54)が、10日に大阪府大東市で開くコンサートを急遽、ネパール大地震の被災者支援チャリティーに変更、協力を訴える。李さんは阪神大震災の被災経験があり、「このまま見過ごせない」と立ち上がった。募金は産経新聞厚生文化事業団の救援金に寄託するという。
李さんは中国・蘇州出身で、昭和62年に来日。日本や中国、世界の叙情歌を歌い続けている。
その一方、平成7年の阪神大震災で、西宮市内の自宅が全壊、避難所生活をした経験から、2008年の中国・四川大地震では「歌で被害者を元気づけたい」と現地でコンサートを開くとともに、小学校の再建資金を寄付。平成23年の東日本大震災でも約20回、東北各地の被災地に足を運び、福島県の障害者施設に募金をしたりしてきた。
今回のコンサートは、4月25日に発生したネパール大地震以前に開催が決まっていた。しかし、多くの人が犠牲になったネパールの惨状を知り、「少しでも役に立ちたい」思いから、チャリティーコンサートの実施を決めた。
李さんは「ネパールの人たちを励ます思いを込めて歌いたい。機会があれば、現地を訪れ、日本と中国、ネパールのかけ橋にもなろうと考えている」と話し、協力を呼びかけている。
コンサートでは、「千の風になって」「蘇州夜曲」「夏の思い出」「早春賦」などを歌う。
10日午後2時から、大東市末広町の市立生涯学習センター・アクロスで。大人1900円(前売り1500円)など。会場に募金箱を設けて善意を募るほか、CDの売り上げの一部を寄付する。問い合わせは、同センター((電)072・869・6505)。
「ネパールの被災者を助けたい」と話す李広宏さん。10日にチャリティーコンサートを開く=兵庫県西宮市
2015.5.5 産経ニュース