八街市のバーチャルリアリティー製品開発会社「アイスマップ」(伊藤一男社長)が開発した視覚障害者用携帯時計「タック・タッチ」が、優れた製品を表彰する県の「千葉ものづくり認定製品」に選ばれた。同製品はボタンを押すと振動の数や長さで時刻を伝える仕組みで、腕時計型とストラップ型の2種類がある。従来の直接針に触ったり、音で伝えたりする視覚障害者用時計と比べて利用しやすい工夫が施されており、伊藤社長は「多くの方に知ってもらい、利用してほしい」と話している。
同製品はシリコーンゴム製で、重さは腕時計型が26グラム、ストラップ型が14グラムと軽い。視覚障害者でも簡単に着脱できるよう装着部分に磁石を採用した。側面には1時間、10分、1分の単位を伝える3つのボタンがあり、それぞれを押すと振動の数や長さで時刻を伝える。「おしゃれ感覚で身につけてほしい」という伊藤社長の思いから、ブルーとオレンジ、ブラウンの3種類を用意した。
同社はこれまで、大学の研究室などと共同で触覚や触感についての研究器具を開発。数年前、こうした器具を視覚障害者らに役立ててもらう方法などをテーマとした大学教授の講演を聴き、伊藤社長は「これまでの技術の蓄積を活用して、視覚障害者の日常生活に役立つ製品を開発しよう」と決意した。
視覚障害者との面会を重ねる中で、従来の視覚障害者用腕時計は「触っても直感的に認識しにくい」「音が出るなどして公共の場で使いにくい」といった意見に着目し、より便利な時計の開発に取り組んだ。
また、開発の途中で、目も見えず耳も聞こえない障害者から「電車を利用する際、降りる駅を判断するためにドア付近に立って開閉の回数を数えている」という話を聞いた。そういう人が安心して電車で座れるように、最大12時間のタイマー機能も付け加えた。
腕時計型は1万2800円、ストラップ型は1万2千円(いずれも税抜き)。昨年6月に発売し、これまでに約300台が販売されたという。伊藤社長は「この製品はまだまだ知られていないので、多くの方に知ってもらいたい。これからも視覚障害者の方の役に立つ製品を開発していきたい」と話した。
製品の問い合わせは同社(電)043・312・1352。
触感 時計 Tac-Touch (HA2375)
肌で時刻を感じる!触感 時計タックタッチ
触感(振動)によって、容易に時刻を知ることができる多機能時計!!
【1】製品の特長
- 皮膚への振動で時刻を知らせます。
- 「腕時計型」と「ストラップ型」の2種類をご用意!

※ご注意 ストラップの先についているビーズは商品に付属しません。
- とても軽いので、重さを感じません!
(腕時計型が26グラム、ストラップ型が14グラム)
- 腕時計の装着部分は磁石式で簡単!
- 磁石の方向を変えてリバース使用
- 電池はコンビニ等で購入、慣れれば自分で交換も可能
【2】機能
- 時刻
時、分(10の位)、分(1の位)を個別提示
午前・午後の設定と確認が可能
- アラーム
午前・午後を指定した時刻指定が可能
タイムアップ時のスヌーズ機能(3分おきに5回まで繰り返し振動)
- タイマー
2種類のタイマー機能をご用意
キッチンタイマー機能(1秒から14分59秒まで設定可能)
ロングタイマー機能(1分から11時間59分まで設定可能)
残り時間も確認可能
2016.2.1 産経ニュース