ゴエモンのつぶやき

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バリアフリーを前へ 「障害者差別解消法」に目を向けて

2016年02月13日 12時11分36秒 | 障害者の自立

 障害者が待ち望む「障害者差別解消法」だが、政府や自治体の準備不足もあって、民間の取り組みの遅れや、学校現場の対応への不安が浮かび上がる。四月の施行まで五十日足らず。障害者団体の関係者は「画期的な法律なので浸透してほしい」「マニュアル頼りではなく、目の前の一人一人を見て対応を」と願う。 

■民間企業

 「車いすの人が何人かで食事をしたくても、入れる店を見つけるのが難しい。飲食店の多い東京でさえ…」。「DPI(障害者インターナショナル)日本会議」(東京都千代田区)事務局長で、自身も車いすを使う佐藤聡さん(48)が嘆く。

 障害者差別解消法は民間事業者にも、努力義務として障害を理由にした差別を禁じる。しかし、店舗の入り口に段差があったり、視聴覚障害者向けの案内が不備だったりと、法の指す「社会的障壁」が多く残っているのが現状だ。

 ファミリーレストラン「デニーズ」を経営する「セブン&アイ・フードシステムズ」(墨田区)は法施行までに、約三百九十の全店で、障害者対応のスロープやトイレがあるかを再点検し、ホームページで情報提供する。スロープなどがない店は改装時に設置する方針だが、「店によっては設備を造るスペースがなかったり、テナント型でオーナーの許可が必要だったりする」と担当者。

 コストも課題で、総合スーパー「アピタ」などを展開する「ユニー」(愛知県稲沢市)は「障害者対応の多目的トイレを造ると、一カ所約八百万円の投資が必要」と明かす。

 障害者の就労支援や学習支援をする「LITALICO」(目黒区)が昨年十月に実施した調査では、企業百五十七社のうち、44・5%が「法の内容を把握していない」と答えた。法への対応を実施・検討しているとの回答は、わずか19・1%だった。

 佐藤さんは「差別はいけない、と明示した法律を待ち望んできた。障害者は日常、飲食店や鉄道などいろんな民間事業者に接する。まずは法律の知名度を上げ、不十分な点を見直してほしい」と訴える。

■教育現場

 文部科学省によると、障害者らが対象の特別支援教育を受ける子どもは全国で四十数万人。他に、通常学級に通う小中学生の6・5%に発達障害の可能性があると推計される。しかし、特別支援教育以外の現場では「一部の子を特別扱いしない」との発想が強く、障害のある子の学習環境は後回しになりがちだ。

 学習障害(LD)で書くことが苦手なのに、板書の写真撮影は不可。コミュニケーションが困難なのに、何度も注意する…。発達障害の中高生を支援するNPO法人「パルレ」(品川区)の坪井久美子理事長は「つらい思いをしてきた子が少なくない」と語る。

 障害者差別解消法の施行で、従来の学校の発想は転換を迫られるはずだが、注意欠陥多動性障害(ADHD)の長女(19)を持つ四十代の女性は「長年続いた慣習は急には変わらない」と不信を募らせる。

 LITALICOの野口晃菜執行役員は「教員研修で小中学校を回った感触では、法を正確に理解しているのは一部」。昨年三月の同社のインターネット調査で、回答した小中学校教員三百人のうち、法について「内容も含め知っている」と答えたのは17%、「知らない」が43%だった。

 文科省は法の内容や注意点を示した対応指針を作り、昨年十一月に全国の教育委員会などに通知した。理解は進むと考えられるが、障害の状態は千差万別で多様な対応が必要になる。

 坪井理事長は「マニュアル頼りでなく、目の前の一人一人を見て、どう対応すればいいかを考えてほしい」と訴えている。

障害者差別解消法の施行を前に、障害者差別について学ぶ企業の担当者ら

2016年2月12日    東京新聞


五感で楽しむ「せたがや梅まつり」 視覚障害者発案のガイドツアー

2016年02月13日 12時04分56秒 | 障害者の自立

 梅の名所として知られる世田谷区立羽根木公園(代田四)で十一日、「第三十九回せたがや梅まつり」が始まった。園内にある紅梅二百七十本、白梅三百八十本のうち六割強がすでに開花した。来月五日には、区内に住む視覚障害者の発案で、障害者も参加できるガイドツアーが行われる。 (小形佳奈)

 ツアーは午前十一時と午後一時の二回、区みどりとみず政策担当部テント前を出発。区職員が梅園の成り立ちやウメの種類を解説し、防虫剤の原料にもなるクスノキの葉の香りや、サルスベリの木肌の手触りも楽しんでもらう。

 樹木の解説は、梅まつりに合わせて以前から区が行っていた。今回は、NPO法人世田谷区視力障害者福祉協会副理事長の大竹博さん(52)が「五感を使えば、自分たちのような視覚障害者も参加できる」と提案した。梅丘在住の大竹さんは昨年末、園内のウメが数輪咲いたことに香りで気付いたという。「見えなくても感じることができる」とツアーを心待ちにしている。

 協会は区内の録音奉仕グループの協力で、梅まつりのパンフレットを読み上げるCDを作成。北沢出張所(北沢二)などで配布している。

 梅まつりは三月六日まで。週末を中心に模擬店や植木市、抹茶サービスなどがある。

問い合わせは、せたがやコール=電03(5432)3333、ツアーに関する問い合わせは区みどり政策課=電03(5432)2536=へ。

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「東京五輪・パラリンピックに向け、地域の人も案内人になってくれれば」と話す大竹博さん

2016年2月12日    東京新聞


くりぃむ上田 障害者スポーツの「魅力を知って」

2016年02月13日 11時57分57秒 | 障害者の自立

 くりぃむしちゅー・上田晋也(45)が、BS日テレの新番組「ストロングポイント」(21日スタート、日曜・後5時)のナレーションを務めることが11日、明らかになった。

 民放のBSで初めて障害者スポーツを専門に扱うドキュメンタリー番組。今年行われるリオパラリンピック、2020年の東京パラリンピックを見据え、選手一人一人の長所「ストロングポイント」にスポットを当て、強さの秘密を解き明かしていく。上田は「障害者スポーツには、健常者のスポーツとはまた違った競技の魅力や楽しさがあることを知っていただきたいし、僕もまた視聴者の皆さんと一緒にもっといろんな発見をしていければ」と意欲を見せた。

 BS日テレの障害者スポーツ番組でナレーションを務める上田晋也
BS日テレの障害者スポーツ番組でナレーションを務める上田晋也

2016年2月12日    スポーツ報知

フットサル、精神障害者の国際大会開催へ

2016年02月13日 11時48分55秒 | 障害者の自立

 2020東京パラリンピックを機に、発展を図る障害者スポーツ。その中で、取り残されたアスリートたちがいる。うつ病や統合失調症と闘う「精神障害者」の選手だ。身体や知的障害者のように国際的な団体や国際大会がなく、パラリンピック出場資格もない。国内でも活動の場はわずか。この危機に、日本で唯一の精神障害者スポーツの統括団体が立ち上がった。

 「2人で呼吸を合わせて!」「ボールを持っている相手に近い選手が寄せて、逆サイドは絞って」

 1月下旬に大阪府堺市であった男女混成の精神障害者フットサル日本代表の強化合宿。全国からえりすぐりの12人が、組織プレーを確認しながら汗を流していた。

 彼らが目指すのは、今月27日、堺市である「世界初の精神障害者スポーツの国際大会」だ。記念の第1回は、日本、イタリア、ペルーが参加する。大会を実現させたのは、精神医療従事者らが13年に立ち上げたNPO法人「日本ソーシャルフットボール協会(JSFA)」。スポーツは、幻覚や気分が沈むなどの症状の改善に効果があると近年、医学会などで報告されており、体を動かす環境づくりに力を入れてきた。

 代表合宿に招集された竹田智哉(28)は、小学校で無視されるいじめを受け、中学3年の頃から自分の体臭を他人が嫌がっていると感じ始め、登校がつらくなった。小学1年で始めたサッカーでは守備の裏へ飛び出すのが得意なFWで、推薦で高校に入学。しかし、1年の夏に不登校になり、退学。24歳で受診した精神科病院社会不安障害対人恐怖症と診断された。

 2年前に精神障害者フットサルチームに入った。「最初は、人が怖くて会話もできなかった」。ところが、週2回の練習を重ねると、仲間と会話が増え、人への恐怖心がなくなる。今ではアルバイトができ、同僚と笑い合う。近く、就職活動を始める予定だ。競技では昨年、全国大会に出場し、代表に選ばれた。「大会で明るいイメージを広げ、健常者との交流の場を広げたい。そのためにも地元開催の大会で優勝して盛り上げたい」と意気込む。

 ログイン前の続き効果は、就労率にも表れる。精神障害者の就労率は2割程度といわれ、精神科医でもあるJSFAの岡村武彦理事長のフットサルチームでも、結成した06年は、選手32人中1人しか就労していなかった。今では半数以上が働いている。結婚し、子どもが生まれ、家族で生活できるようになった選手は2人いる。

 肢体に不自由のない精神障害者は、身体障害者スポーツには参加できない。一方、健常者と共にスポーツをする場も少ない。選手として真剣勝負を挑める公式の場はほとんどなかった。全国規模の大会が行われたのは、01年のバレーボールが初めて。しかし、他の競技は流れに続かなかった。

 それから十数年。13年に精神障害者スポーツ初の団体としてJSFAが設立され、昨年10月に初めてフットサルの全国大会が行われた。ここ数年でフットサルチームは急増。今では全国で1500人以上が競技を楽しんでいる。

 精神障害者スポーツの普及が、世界で最も早く進んだのはイタリアだ。1978年、精神科病院を廃止して入院をなくし、地域社会で共生するよう促す法律ができ、スポーツを楽しむ権利にも目が向けられた。96年にはサッカーの全国大会が始まり、競技活動に自治体から助成金が出ている。12年の時点で、全国に約80チーム、約1千人がサッカー活動をするようになった。障害のある人とない人の混成チームで争うリーグもある。

 精神障害者のスポーツは、デンマークや英国でも行われていた。しかし、病院の外に出ることへの世の中の理解を得られず、国をまたぐ交流は乏しかった。13年、東京で初の国際シンポジウムが開かれて8カ国が参加。世界的な流れを作るためにも、スポーツの国際大会や国際団体が必要だとされ、今月の大阪での世界初のフットサル国際大会開催につながった。

 日本の精神障害者数は推計で約320万人で、入院患者は約32万人。日本代表の奥田亘監督は「精神障害を持つ人を応援してもらえるよう、最後まで戦う姿勢を見せたい」。日本が始めた試みが、世界を変える一歩にもなる。

写真・図版

精神障害者スポーツで世界初の国際大会に向けて練習するフットサル日本代表の選手たち

2016年2月12日   朝日新聞


差別解消法4月施行 障害者の「窓口」整備遅れる 準備自治体1%

2016年02月13日 11時35分26秒 | 障害者の自立

 障害者差別解消法が四月に施行されるのに伴い、障害者の身近な相談窓口として、政府が全国の市区町村などに設置を勧めている「障害者差別解消支援地域協議会」の準備が、ほとんど進んでいないことが分かった。政府は全国約千八百の自治体への設置を目指しているが、準備に入ったのは二十程度と1%にとどまり、協議会がほとんどないまま四月を迎えることになる。協議会は法律の実効性を高める柱と位置づけられており、障害者の要望が反映されにくくなる懸念が強まっている。 

 設置が進まない原因の一つは、政府の対応の遅れだ。法を所管する内閣府がすべての県と市区町村に設置を促す文書を出したのは昨年十一月で、自治体側の準備期間が短いからだ。内閣府によると、準備を始めたのはさいたま市、千葉県松戸市、東京都世田谷区などにとどまる。

 地域協議会は障害者の相談を受け、解決に向けて対応するのが役割。自治体や国の出先機関、障害者団体、家族会、医師、学識経験者らで構成され、自治体が庶務を担う。設置は義務ではないが、法に「差別解消の取り組みを効果的かつ円滑に行うため協議会を組織できる」と規定。内閣府は協議会に寄せられた相談内容や解決例を集約し、ノウハウを全国に広げる方針で、協議会の増加が法運用に不可欠とみる。

 衆参両院は二〇一三年の法成立時に、付帯決議で「制度の谷間やたらい回しが生じない体制を構築するため、設置を促進させる」と協議会の重要性を指摘した。

 内閣府は「施行までに一つでも多くの協議会ができるよう促していく」と話すが、四月時点で設置自治体がごくわずかになる可能性を認める。政府に法制定を働きかけてきた十三の障害者団体でつくる「日本障害フォーラム」は「法律が施行されても、障害者の生活が何も変わらない事態になりかねない。政府は自治体に強く働きかけてほしい」と求める。

 障害者差別解消法をめぐっては、施行直後は民間事業者らの認識不足から、障害者の要望が受け入れられず、トラブルになる可能性が専門家から指摘されている。法律は関係する十五省庁がそれぞれ、民間事業者向けに対応指針をつくるよう義務づけたが、省庁の対応は遅れ、各省庁が事業者への通知を出し終えたのは一月中旬だった。

 <障害者差別解消法> 2013年6月に成立した。国の機関、地方自治体、民間事業者に対し、不当な差別的対応を禁止した上で、合理的な配慮(その場で可能な配慮)を義務づけた。合理的な配慮とは、例えば車いすを利用する人に建物入り口に段差スロープを設置すること。行政機関は法的義務、民間は一律に対応できないとして努力義務にしたが、民間事業者が政府から報告を求められても従わなかったり、虚偽の報告をした場合、罰則が科される。法の趣旨を周知するには時間が必要との理由で、施行は16年4月になった。

2016年2月12日   東京新聞