女性4人組、SPEEDのメンバーで歌手、今井絵理子(32)が9日、自民党本部で会見し、夏の参院選に同党比例代表候補として出馬することを表明した。聴覚障害がある長男(11)を育てるシングルマザーで、同党は選挙戦の目玉候補として擁立。会見には手話を交えて臨み、今後の歌手活動について「歌の力も役立つ」と言及。国会議員、歌手、母親の“三刀流”を目指す意向を示した。
1996年の「Body & Soul」で鮮烈デビュー。パワフルな歌声でSPEEDを支える今井が政界進出を狙う。
自民党本部には約80人の報道陣が集結。無数のフラッシュの中、ヒット曲「White Love」を意識したかのような白のスーツ姿で登場すると、「今回立候補します今井絵理子です」と笑顔であいさつした。
今井は聴覚障害がある小学5年の長男(11)を育てるシングルマザーで、手話の普及活動も積極的に展開。会見でも自らの手話を交えて質疑に応じ、障害を持つ子供を育てる苦労や、災害報道などにおける健常者と聴覚障害者の情報格差などを指摘。「障害者に対する差別をなくしたい」などと訴えた。
自民党は、若年層に対する抜群の知名度と手話の普及活動に積極的な今井の姿勢に着目。選挙戦の目玉候補としてこの日、公認を決定した。
今井は1月に聴覚障害者教育に積極的な山東昭子参院議員(73)の要請を受けて快諾。決め手は長男の存在で、「息子に相談したら『ママ、たくさんの人に手話を広げて』のひと言が大きかった」と説明した。
現在はSPEEDでツインボーカルを組む島袋寛子(31)とのユニット、ERIHIROでも活躍中。音楽活動については「支えてくださるファンのためにも(政治と)両立したい」と継続を宣言。政界でも「歌の力は役立つ」と力説し、「SPEEDのメンバーも『エリの決断したことなら応援する』と言ってくれた」と感謝した。
関係者は選挙戦でのSPEEDの応援について「未定」としたが、強い絆で結ばれる4人が集結する場面もありそうだ。
出馬会見で手話を交えて記者の質問に答える今井絵理子=9日午後、東京・永田町の自民党本部
2016.2.10 サンケイスポーツ