ゴエモンのつぶやき

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海外居住者の送金についてまとめ(マイナンバー関係)

2016年02月20日 12時17分21秒 | 障害者の自立

マイナンバー関係で、いろいろ情報が錯綜しているので、まとめてみます。前回の記事は問題提起のために書きましたので、今回は冷静にまとめます。

まず、最初に言っておきたいのが、前回記事のコメントで、海外在住者なんて節税のための富裕層なんだから、どうでもいい、といった偏見が多く見られました。日本から出た人は日本人ではない、といったニュアンスの方もいました。勘違いされている向きもあるかもしれないので、念のため申しますと、非居住者は、居住国の政府に税金を納める義務があり、欧州などでは日本より高額の税金を支払っている人もおります。

現在、海外在住者は130万人、国民の100人に1名います。私の周りをみても、節税のために移住した人など見当たらず、ごくごく普通に海外の企業に雇われて現地で働いている人(技術者から事務まで幅広くいます)、企業から派遣さている駐在員といった方に加え、海外留学生、日本語教師、ナース、医師、中小企業経営者、起業家、政府やNPO職員、芸術家音楽家、こういう人が多いです。

中には半ば無給で現地のひとに教育を提供しているひとや、障害者を雇ってお店を開いている人、僻地の医療のためにナースをやっているひとなど、献身的な方も多くしっています。果敢に海外でチャレンジしている中小企業経営者や起業家、スポーツ選手などもいます。

グローバル化が叫ばれているなか、海外在住者を十把一絡げにして、非国民として揶揄する人がいることは残念でなりません。悔しいです。無念です。

さて、前置きが長くなりましたが、現状をまとめます。

<送金関係>受け取る場合

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上から順番にみていきます。まず自分名義の海外口座から、日本のマイナンバーなしの自分名義の口座に送る場合。これは、保険金を自動引き落としにしていたり、日本の住宅のローンなどを返済するなど、日本の口座からのお金の引き落としが必要な場合を想定しています。これはNGです。

なお、銀行により対応がバラバラで、新生銀行は、マイナンバーなしでも現在のところOK。地方銀行などでは、マイナンバーなしでは受け付けない、など対応が分かれています。新生銀行も2018年までの経過処置ということで、それ意向はマイナンバーが必要とのこと。すべての銀行でNGとはなっていないのものの、NGの銀行も多いといえます。

では、どうすればいいのか?新生銀行に口座を開けばいいのか?ノーです。海外在住者は日本の銀行に新規口座を解説することはできませんので難しいです。

2つめのケースは迂回送金です。つまり日本在住でマイナンバーがある他人(家族含む)の口座に一回振り込み、そこから再度国内送金してもらうというものです。誰かに代わりにうけとって貰えばいいから大きく騒ぐ自体じゃないじゃないと指摘していますが、こういった迂回送金というのはマネロンと呼ばれる行為そのものです。

マイナンバーの運用により普通の人が迂回送金などを使わざる得ないのは、本末転倒ではないでしょうか。また、一定額(110万円)以上を他人名義に振り込むと贈与税の税務リスクも生じます。

3番めは、どちらかというと、これは日本国内の人のケースですが、マイナンバーをまだ登録していない口座に海外から、振り込み(報酬や代金の支払い)などがあった場合です。これも拒否され、マイナンバーの提出を求められます。

<送る場合>

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 次に、海外に送金する場合を見てみましょう。

まず、マイナンバーのない自分の口座から、海外の口座に送金する場合。相手が自分当てだろうか、他人あてだろうが、マイナンバーなしの口座からは海外送金ができません。

これは給与を日本円にて、日本の口座で受け取っているといった場合など、海外に生活費を送金する必要があるひとが困ります。また、ツイッターであったのですが、奨学金を日本円でうけとって、海外留学している場合で、学費支払いのために送金が必要な場合は問題となります。

また日本居住者でも、海外のひとに支払いをしたい場合、マイナンバーの登録が必要です。

最後のケースは、マイナンバー登録済みの他人名義日本口座から海外口座で送金を受ける場合です。これは、日本から報酬をもらったり、給与を現地に振り込んでもらったりといった場合が相当するでしょう。この場合は、日本の法人であればすべて法人番号というマイナンバー会社版が割り当てられているので、問題なく出来ることになります。

以上ですが、これが大問題と感じるか、どうでもいいと感じるかは、置かれた立場や、何処に住むか、何処で給与を受け取っているか、どこで支払いの必要があるか、といった状況によって変わります。

国内居住者のひとからみても、これを問題と感じるか、どうでもいいと感じるかは、それぞれでしょう。

いずれにしても問題提起となれば良いと思います。

<非居住者の銀行口座について>

さて、この話をすると、そもそもこういう指摘があります。

「日本の非居住者は、銀行口座は持てないため、原則閉鎖してから海外に行くべきであって、そもそも自分名義の銀行口座が国内に残っているのはおかしい」 「だから、海外送金以前に、あなたたち、口座を閉じないで海外に言ってるのが脱法行為ですよ」

ごもっとものです。たしかに脱法行為で、建前はその通りでしょう。これについては、海外居住者で知らないひとはいないのではないでしょうか?ですが、これを厳格に適用したらどうなるのでしょうか?海外居住者は日本の銀行システムにアクセスする手段が全く無いということになります。送金以前に、完全シャットアウトです。

まずそもそも、日本で決められている非居住者とは範囲が広いです。会社の命で、自分の意志と関係なく赴任している駐在員も非居住者ですし、海外ボランティアで派遣されているひと、海外の大学に留学している人、海外の企業に雇われて働く人、退職されて年金で海外に住まわれている高齢者、こうした人も非居住者になります。もちろん日本国政府の在外公館の職員も非居住者です。

これらの人がすべて、海外転出時に、口座を閉鎖してから行けというのでしょうか。建前はそうなっているかもしれませんが、とうてい現実的ではありません。つまり、すでにここで現実との乖離状態が続いているということです。

現在、海外居住は、たんなる転職や転勤、引っ越し、仕事の都合などで、頻繁に、誰にでも生じる事態です。しかし制度がブラジル移民や、ハワイ移民、海外にいくなら日本とのつながりはすべて断ってからいきなさい的なものになっているというのは、現在にマッチしないとおもいます。

多くの国では、たしかに非居住者の銀行口座開設は厳しいです。たとえばアメリカに私が口座を作ろうとすると、アメリカ居住者でないので拒否されます。これは当たり前とおもいます。しかし、日本に住んでいるアメリカ市民がアメリカに口座を作ろうとしても、拒否されません。アメリカ市民だからです。

同様に英国国籍を持っている英国人は、英国銀行に口座をもったまま、欧州やアメリカで働けます。

しかし、これが日本の場合は拒否されるのです。日本国籍を所有していても、海外に居住となった途端(駐在や留学であってもです)、日本の口座を閉じられ、日本に口座をつくることが拒否されます。まるで外国人扱いです。

ですから居住か非居住かでなく、日本国のパスポートを持っていれば、日本の銀行に口座を維持、開設することが出来るようになっていただきたいというのが切実なる要望であります。

国としてグローバル化や、海外進出を後押ししている中、制度が追いついてない、もしくは金融鎖国を是とする制度になるのなら、残念です。

2016年02月18日     BLOGOS


「視覚障害に打楽器の可能性を」

2016年02月20日 12時08分28秒 | 障害者の自立

 先日行われた聖市カーニバルには「モーホ・ダ・カーザ・ヴェルデ」のバテリアとして参加した日本人プロドラマーのISAO CATOさん(33、東京)の姿があった。視野障害を抱えつつも、力強く活動し、同じ障害を抱える人たちに打楽器の可能性しめそうとする同氏の姿を追った。

 渡伯のきっかけになったのは、既にフリーのプロ奏者として数々のライブに出演した2012年に日本で当地の音楽大学「ソウザ・リマ」へのオーディションを兼ねたセミナーに参加したことだった。
 「その時は偶然参加して、元々はサンバがやりたくてきたわけではない」と笑うが、見事合格。準備期間を経て、一昨年の2月から聖市に長期滞在していた。
 楽器との出会いは高校卒業間近にバンドを組むという友人に誘われたことで、そこから火が着き、20代前半にはセッションドラマーとして、プロの道を歩んでいた。
 「もっとうまくなりたいという一心で、月に70本ライブに出た頃もあった」。仕事を選ばずに忙しい日々が続く中、転機が訪れたのは27歳の時。当時の指導者の影響から米国NYに渡り、短期間セッション演奏に参加。「本番を知らずにプロとして活動していた自分が稚拙に思えた」と素直に認めるほどレベルの高さに驚いた。
 「日本だけを見ていても、結局成長は出来ない」と悟り、その後も米国、キューバ等、で演奏経験を重ねて今日に至る。「自分にしか出来ない仕事をしたい」と。
 当地に来てからは、エスコーラでの練習以外にも、あらゆる打楽器を学んだ。「ブラジルは音楽における打楽器の重要度が高く、その分レベルも高い。それも譜面が読めずに感覚で叩く人もいる。そういう〝訛り〟のアクセントを吸収できたことが大きな収穫だった」と成長を語る。
 自身が語る視野障害について、「感覚としては普通の人の5%程だと思う」と話す。先天的なものとして知らされたというが、「ここ数年で一気に狭まった感じがする。いつ視力がなくなるかもわからない」と明かす。
 2月初旬、飛び級で同校を卒業し拠点を再び日本へと移す。今後の活動として、同じ視覚に障害がある人に対して、打楽器の可能性を説くことを掲げている。
 「自分自身指先の感覚が鋭くなってきている」と語り、奏者としての利点があるのと同時に、「自分を表現できる場所を作って欲しい」という。「障害者だからと言って、保護を受けるばかりではなく、持っているエネルギーを発信していける存在であるべき」。
 日本では同じ境遇にある人に向けたワークショップやサンバ・エスコーラへの参加の提案をしていきたいという。

2016年2月19日     ニッケイ新聞