小田原市のケースワーカーが生活保護受給者を威圧するようなジャンパーを代々着用した問題で、識者らが改善策を探る第三回検討会が十四日あった。母子世帯の受給率の低さなどが問題として指摘され、市は原因を調べる考えを示した。
市によると、二〇一六年度の生活保護受給の全体数は二千三百六十五世帯で、うち母子家庭は八十八世帯(3・7%)。市内の総世帯数に占める母子世帯の割合(7・9%)に比べて低く、母子家庭が利用しにくい運用になっている可能性が浮上した。
市の資料によると、受給世帯に占める母子世帯の割合は、鎌倉市(2・4%)、三浦市(3・2%)、南足柄市(3・8%)、秦野市(4・1%)も低い。
一方、綾瀬市(9%)や座間市(7・9%)、藤沢市(7・7%)など母子世帯の受給率が、総世帯数に占める比率より高い自治体もあり、小田原市の担当者は「小田原が低い原因を調べたい」と回答した。
ケースワーカーに女性が少ない点も問題になった。市のケースワーカー二十六人のうち、女性は現在二人。しかし、高齢者や障害者、傷病者世帯を含めた全体の受給者の半数を女性が占める。検討委メンバーの元受給者の女性は「男性のケースワーカーには言いにくいこともある。東京ではケースワーカーも男女半々が普通」と指摘し、「困って助けを求める人が大半なのに怖い人、悪い人という受給者への視線を変えてほしい」と訴えた。
今回は過去最多の三十九人の市民が傍聴。最後の検討会となる第四回は二十五日午後七時二十分から市役所で開く。
多くの市民が傍聴した検討会 |
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小田原市のケースワーカーが生活保護受給者を威圧するようなジャンパーを代々着用した問題で、識者らが改善策を
20017年3月15日 東京新聞