障害がある人を対象にしたスキー教室が28日、八幡平市で開かれました。多くの人に滑る楽しさを感じてもらおうという教室で講師はパラリンピックのメダリストたちです。この教室は、独立行政法人日本スポーツ振興センターが行っているものです。誰でも気軽にスキーを楽しめる環境づくりを目指して開かれ、4回目になります。特別講師は長野とトリノ、2つのパラリンピックのアルペンスキー金メダリスト大日方邦子さんと、ソチパラリンピックアルペンスキー銀メダリストの森井大樹さんです。会場の安比高原スキー場は時おり晴れ間の広がるまずまずのコンディションで県内外から参加した8歳から70歳までの11人は、ゲレンデの解放感を満喫していました。「椅子の下に1本のスキー板がついたモノスキー、ストックを持たない立位スキーなど、参加者たちはそれぞれのスタイルで雪原に飛び出しました。」(リポート)メダリストの大日方さんはスポーツとの出会いを通じて勇気や笑顔が溢れる社会をつくろうと全国で活動しています。「雪は足元が悪いですし、車椅子なんかだと滑ってあまり良い印象を持たない方も多いかもしれませんが、スキー場に来てモノスキー、バイスキーに乗ると、雪が遊び道具に変わってくれる。ものすごい笑顔になってくれます。」(大日方邦子さん)盛岡から参加した附田昊(つくた・そら)くん8歳です。先天性多発性関節拘縮症という病気のため両腕が動かせず、3年前までは歩くことができませんでした。昨シーズンから、椅子の下に2枚のスキー板がついた「バイスキー」を楽しんでいますが、今日は立って滑る「立位スキー」に挑戦することにしました。生まれて初めて自分の足で立って滑るスキー。膝になかなか力を入れられず、滑ることも、転ぶことも自由にできません。それでも・・・「ヤッター、疲れた~」(附田くん)「スキーは実はかなりユニバーサルなスポーツだと思う。色々な楽しみ方をすることができる。例えばモノスキーでは立つことができなくても滑れますし、視覚に障害のある方はガイドスキーに案内をしてもらいながら一緒に滑ることもできます。そこがスキーの魅力だと思う。」(大日方さん)このスキー教室は29日まで開催され、のべ40人ほどがメダリストと一緒にスキーを楽しむ予定です。
ニュースエコー 岩手放送 2017年3月30日