滋賀県は4月から、外見からは障害や病気の有無が分かりにくい人でも、公共交通機関などで配慮や手助けが受けられるよう、「ヘルプマーク」を導入する。障害者や妊婦らに無料配布し、「マークを見かけたら、思いやりのある行動を」と呼び掛けている。
ヘルプマークは、縦9センチ、幅5センチ。赤地に白の十字とハートマークが描かれ、かばんなどに取り付けられる。義足や人工関節の使用者、聴覚や視覚に障害のある人、人工透析患者や難病、妊娠初期の人など、配慮や援助を必要とする人に活用してもらう。
県は、バスや駅、商業施設などでヘルプマークを見たら、席を譲るなどの対応を求めていく。健康に見える人でも、災害や事故時に自力で避難や状況把握が難しい場合がある。難病がある若い人の中には優先席に座ることをためらう人もいるという。県は、マークを付けている人が困っている場合は声を掛けるよう、市民に配慮を呼び掛けていく。
ヘルプマークは2012年に東京都が考案し、16年に京都府や和歌山県、奈良県が導入。今年4月から岐阜県や大阪府も導入する。滋賀県が採用したデザインは東京都や京都府と同じで、独自マークを採用する兵庫県を除いた関西の2府3県は同じヘルプマークを使うことになる。
ヘルプマークは4月3日から、大津市の県庁障害福祉課と各市町の福祉担当窓口、保健所で配布する。