観・環・感

野鳥観察や旅行、映画などの趣味と日常生活や世の中の状況について、
感じる事を書いています。

「メンタルヘルス」ノート

2005年08月02日 | 日記
最近。うつ症の人が増えている。
「不安で悩んで、それが一月続いたらうつ病です。お医者さんに行って下さい。」というCMがあるくらいだ。
自民党の永岡衆議院議員が自殺した。どうも、昨年末ぐらいからうつ症の投薬治療を続けていたらしい。しかし、自殺の引き金は、郵政の問題である可能性が高い。
以下は、愛知教育大学、竹内登規夫教授のメンタルヘルスの研修を受講したときのメモ
(先生の話と板書をまとめたつもりだが、聞き違いや書き写し違いがあるかもしれない。)

1 現代社会とメンタルヘルス
少子高齢化、国際化、コンピュータ化、価値観の多様化と人に厳しい変化に対して対応できなければ、心のあつれきとなり、メンタルヘルスの低下として顕れてくる。
カウンセラーという職業人にも患者のために力を尽くしてもだめな場合、その結果、バーンアウトしてしまう人がいる。本来、日本人は勤勉だから過重労働でそのまま燃え尽きてしまう人がかなりいる。
2 ストレスから生じる心の問題
人の心に風邪をひかせるようなウィルスは世の中にたくさんある。
人は適度なストレスがあることによって思考力、想像力、問題解決能力が生まれ、生きる力となる。周りの奴はいいなあ、自分だけが何故不幸なんだと思うことがいけない。
① 自立神経失調症
交感神経と副交感神経のバランスがストレスによって崩れることによりなる。  
独り言を言ってる人がいるが、聞こえてる声は幻聴で、その声の主(大抵の場合、その人の一番嫌な人)と対話している。
「良眠」が取れるかどうかが一番の問題。良眠が取れているときは、疾患の心配がまずない。
「不眠」の解消として酒を飲んでその勢いで寝るのはよくない。運動することがいいといっても朝のジョギングは体のために良くない。朝は脳梗塞で倒れる率が高い。
② 心の病気の特徴
手をしょっちゅう洗うとか「繰り返し行動」をとる。ストレスは、自分ではなかなか自覚できないので、このような行動に他人が気をつけてやる必要がある。
・ 激励と同情は絶対してはいけない。とにかく、本人の話を聞いてあげることが必要。
忙しいときに相談に来たときのような場合には、次の日でも必ず時間をとるようにすること。
聞く場所は事務所の一角とかでなく、個室あるいは人目を気にしなくてもいい喫茶店など。
・ 心の状態が体に出る。一番分かりやすい例は、胃潰瘍である。 分単位、時間単位でストレス性潰瘍ができる。 
・ 疾病利得
体の調子が悪いと言って学校や職場を休むようなことが続いた場合、医者に見せ、別段どこも悪くないと言われたら「心の病気」を疑う必要がある。
・躁鬱病
医者は、他人(職場の上司等)が本人の症状を聞いても絶対に患者のことは言わない。
最近は、診断書にも病名を躁鬱病とはなかなか書かない。診断書を書いても本人のために自律神経失調症、早期鬱症、軽度鬱症と書く程度。薬が良くなっているので、カウンセリングや薬で早期に治る率が高いので、患者の会社等での処遇を考えての対応である。
・ 痩せすぎ
完璧主義者の人で痩せようと試みる人は要注意。努力するとスリム化に成功するからもっと痩せようとする。
・ ストレス太り
ストレスが高まると空腹感が生じる。だから、つい食べ過ぎてしまう。しかし、本人はそのことに気づかない。
3 偏見
精神系の病気は、誰でもなる可能性がある。心の問題を内因的原因と捉えたから「遺伝」といった誤った解釈が生まれた。心の病は、心理的原因、環境的原因でなる。ベトナム戦争で極限を超える悲惨な体験をした兵隊の精神的後遺症(PTSD)でそのことがよく分かる。

4 心の問題の発見法 
・ 「他人批判」を繰り返している人の側にほとんど問題があることが心理学的に認められている。
・ 仕事に必要なのが報連相=ホウレンソウ(報告、連絡、相談)
日常生活に必要なのが5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)これに乱れが生じる。
・ 最近は、バーチャルリアリティーの影響で「死生観」というものが分からなくなっている若者が増えている。
・行動(攻撃的な行動、固執的行動、逃避的行動)の裏側に潜む本質を見抜く。

5 ストレスを招かないための方法
・ 心に余裕を持つこと 
  フリードマンとローゼンマンの理論
Type A 真面目、几帳面    冠動脈疾患やストレスに陥りやすい。
Type B 不真面目、ルーズ    冠動脈疾患やストレスに陥りにくい。
・ 何かに打ち込めるものを持つこと(趣味の延長で十分である。)
・ 心身一如
次の3つのことを守る。1 朝日に当たる。2 冷水で顔を洗う。朝食は必ず摂る。そうすることで頭に体に心にスイッチが入る。

6 カウンセリングについて
・ 子供の場合は、問題行動を起こす一番の原因は家庭にあることが多い。特に両親の不和は影響が大きい。
心を家庭でオープンにできない家庭状況にある子をカウンセリングによって「物の見方」を変えるようにさせる。
・ FAce to Face 対面的関係を重視する。人と人が直接対面することが大事。いきなり要件から入るのでなく、時候のあいさつのような話題から入ることが大切である。
・ カウンセラーとクライアントの関係について
依存の関係を作ってはいけない。ともに考えるという姿勢が大切である。
・ 受容と傾聴
人は受容されたと思うと自己開示をし始め、ありのままを話すようになる。
・ クライアントに対して否定的、評価的態度はとらず、傾聴を心がけること。
・ クライアントに対する座り方は必ず対角線上に座ること、スペース上無理なら自分が横を向くように座ること。
・ 傾聴は是認でも否認でもない。
・ 傾聴の効果
クライアントのカタルシス効果(感情の浄化、心の洗浄)
真の原因あるいは問題の把握ができる。客観視ができ「気づき」が得られる。クライアントとカウンセラーの信頼関係の深化が期待できる。
・ カウンセリング時にメモは取ってはいけない。クライアントが帰ってから取ること。
何を話したのか確実に覚えておくために、オウム返しに確認してからしゃべる訓練をする。