観・環・感

野鳥観察や旅行、映画などの趣味と日常生活や世の中の状況について、
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南飛図からサントリーホワイトまで

2010年07月25日 | 日記
川端龍子の有名な作品で鳥がテーマといえば、「南飛図」がある。この作品のテーマの月と雁といえば、切手になってる安藤広重の「月と雁」を始め、よく好まれているテーマである。
もちろん、月を背景にして写真に撮って人も多いが、飛んでいる雁の群れを下からでなくこの作品のように上から撮っている人はあまりにいないのでないか。
ガンやカモは、秋に北から南へ渡って来るのだが、たいてい夜間に渡っているようである。月明かりに照らされて濃紺の夜空を飛んで行く雁の群れを見ると、「雁風呂」を思い出す。
雁風呂とは何ぞや広辞苑で調べると、“浜辺の木を薪として風呂をわかしたこと。青森県外ヶ浜で雁を供養した風習。”
ウィキペディアで検索すると“日本に秋に飛来する雁は、木片を口にくわえ、または足でつかんで運んでくると信じられていた。渡りの途中、海上で休息するためであるという。
日本の海岸まで来ると海上で休息する必要はなくなるため、不要となった木片はそこで一旦落とされる。そして春になると、再び落としておいた木片をくわえて海を渡って帰っていくのだと
考えられていた。旅立ちの季節が終わりもう雁が来なくなっても海岸にまだ残っている木片があると、それは日本で死んだ雁のものであるとして、供養のために、旅人などに流木で焚いた風呂を振る舞ったという。”
いいお話だが、実際の所は、「青森県長寿社会振興センター」のホームページによると、
“「外ヶ浜の雁風呂」は、渡り鳥を愛する人々の思いが込められた哀しく美しい伝説。しかし、不思議なことに伝説が生まれたはずの外ヶ浜ー津軽のむつ湾沿岸地方ーで、この伝説を聞くことはない。
その地方に住む何人かに確認してみても、知らない、と言われるだけで、似たような民話もないようだ。厳しい自然と折り合いをつけなければ暮らしていけない人々の情感があふれた、
哀しくも美しい伝説、とも思えるのだが、この伝説は津軽地方には残っていない。
ウイスキー会社のテレビコマーシャルのこの「雁風呂の伝説」が使われたことがある。海岸の焚火とナレーションが哀しい伝説を美しい映像に表現して全国放映した。津軽に住む人でさえ、
このときに初めて「雁風呂」を知った人が多かったのではないだろうか。伝説の地といわれた地域に住む人は「伝説の発祥の地はコマーシャルが制作されたスタジオの内」と苦笑した。
「雁風呂」のことをずいぶん聞かれて閉口したのだと言う。津軽の伝説や民話を研究している坂本吉加氏によれば、都人たちの文学表現上のロマンチシズム、空想から生まれたもので18世紀には一般的に普及していたらしい。”
このCMは、サントリーウィスキー「角瓶」の1973年のCMである。
ついでながら、このCMで「あわれな話だなあ。日本人て不思議だなあ。」と呟いていたのは、作家・エッセイストの山口瞳。サントリーの前身の壽屋の宣伝部には、氏の他に、
イラストレーター・漫画家の柳原良平や小説家、開高健がいた。むろんCMには彼ら本人や作品も登場している。
サントリー社のホームページから
この柳原良平が生み出したアンクルトリスも面白いが、 私は、一時期この角瓶のハイボールが愛飲していたのだ。ウィスキーは、無理をして「トリス」からではなく「ホワイト」からスタートし、次いで「角瓶」。
今はウィスキーは滅多に飲まなくなりほとんどビール(アサヒドライよりはキリンラガー)
サントリーホワイトのCMと言うとロンカーターのベース。ベースの演奏で酒のCMとなると、いかりや長助のキリンラガーのCMと話は続いていく。
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