盛久 を観に行く
観世九皐会九月定例会 矢来能楽堂 シテ 観世喜正 ワキ 宝生常三
あらすじ・・・平盛久は 源平の戦いに敗れたのち捕らえられ 鎌倉の頼朝のもとに護送された
信心の篤い盛久は 移送途中にも 清水寺に向かい 観音経をとなえるうちに夢を見る
やがて由比ガ浜で 断首されようとしたとき 刀は真っ二つに折れ 処刑は中止された
盛久が見た夢は 頼朝も見た というのだ
頼朝はこれを奇遇とし 刑を許し 盛久の舞う男舞を観るのだった
時間にして1時間余り 派手でもなく女々しくもなく 刀が折れる場面は振り上げた刀を前に放り出す演出だった
幕が上がり橋掛かりに歩み始めるとすぐにシテが語り始める このような出だしはあまりない
見ごたえがあったのは男舞 大柄の喜正の舞は舞台が狭く感じるほどだった
この日も暑かった でも和服 背広姿の方も多かった 気を引き締める何かが 古典芸能にはあるのかもしれない
このところの空には秋ともつかない雲が湧く