「CP+2016」の会場へ入ったところに、広いスペースを構えていたソニー。
入り口に近いこともあって、かなり混雑していました。
「G MASTER」レンズを前面にアピールする、ソニーのブース。
ソニーは昨年、主力のカメラのリニューアルを済ませてしまったこともあって、今年のCP+ については、キヤノンやニコン、リコー(PENTAX)のように自慢できる、フルサイズカメラの新製品がありません。かろうじて注目を集めそうなのはAPS-C機の「α6300」ぐらい。
どうするのかな、と思っていたところ、「G MASTER」レンズを軸に、それなりに充実した展示内容でした。
◆「G MASTER」レンズとは
「G MASTER」は、2月19日に国内発表されたばかり(ソニーのニュースリリース)。
独自開発のEマウント最上位レンズシリーズで、いまのところ標準ズームの24-70mm F2.8、ポートレート向きの中望遠85mm F1.4、望遠ズーム70-200mm F2.8 の3本が出る予定。
セールスポイントは『圧巻の解像力と、とろけるような美しいぼけ味』。
ソニーによると、どんどん高画素化するカメラの未来を見据え、解像性能を最大限に引き出す「超高度非球面XAレンズ」を使用したのがキ―ポイントとしています。
非球面レンズは、収差を補正する何枚ものレンズの役割を、微妙な曲率を持った1枚のレンズでまかなうもの。今ではどのメーカーも採用。ただし、鯛焼きのように押し型で作る(ガラスモールド)ための金型製作に伴う欠点もあって、点光源ボケにぐるぐる輪のような模様が現れる「輪線ボケ」「年輪ボケ」が発生しがち。海外では「onion ring bokeh(玉ネギの輪ボケ)」と呼ぶようです。
このほか、解像性能が高いシャープなレンズほど、「二線ボケ」(輪郭が強いボケ)も出やすい、ということがよく知られています。
解像性能を高めつつ、こうした「汚いボケ」を低減したのが「G MASTER」レンズ、とのこと。
レンズの表面を0.01ミクロン単位でなめらかにし、「onion ring bokeh(玉ネギの輪ボケ)」を低減したとするパネル表示。(でも、説明は英語だし、だれも見てない…)
ともかく、どれほど良い描写になるのか、撮ってみなければ分かりませんね。
撮影体験コーナーでは、展示カメラに自分のSDカードを入れてモデルを撮影、データ持ち帰りがOKでした。
こういう機会はめったにないこと。かなり順番待ちしましたが、実写してみました。
使えたのは、フルサイズ4240万画素のα7R II と「G MASTER」レンズ FE 85mm F1.4 GM。
ぜいたくな組み合わせです。
大口径レンズだけあって、ボディーに比べかなり大きい。
高級さが感じられる鏡筒の仕上げ。
◆「G MASTER」 レンズで実写
以下、α7R II と FE 85mm F1.4 GM での実写例です。
RAWで撮影後、そのまま基本的に画像補正なしで現像(一部の写真はトリミング)。
絞り F2、1/250秒、露出補正 0、ISO 100、ホワイトバランス AUTO、クリエイティブスタイル ポートレート。
高画素カメラの実力か、レンズ性能のすごさか、いずれにしても驚異的な解像力!
絞り F2、1/400秒、露出補正 0、ISO 100、ホワイトバランス AUTO、クリエイティブスタイル ポートレート、少しトリミング。
絞り F2、1/160秒、露出補正 0、ISO 100、ホワイトバランス AUTO、クリエイティブスタイル ポートレート。
絞り F1.4、1/640秒、露出補正 +0.3、ISO 100、ホワイトバランス AUTO、クリエイティブスタイル ポートレート、トリミング。
◆Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA で実写
次は別のカメラと「G MASTER」以外のレンズで撮ってみました。
α7 II とツァイスレンズSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA の組み合わせです。
絞り F1.8、1/250秒、露出補正 +0.7、ISO 100、ホワイトバランス AUTO、クリエイティブスタイル ポートレート。
これもボケのきれいなレンズですね。
絞り F1.8、1/320秒、露出補正 +1、ISO 100、ホワイトバランス AUTO、クリエイティブスタイル ポートレート、トリミング。
絞り F1.8、1/320秒、露出補正 +0.7、ISO 100、ホワイトバランス AUTO、クリエイティブスタイル ポートレート、トリミング。
◆魚住誠一氏セミナー
ソニーブースでは、「αレンズの描写力に酔いしれる~Gマスター85mmの衝撃~」と題し、ポートレート撮影で定評のある魚住誠一氏がスペシャルセミナーを行っていました。
人気モデルの三原勇希さんを撮影した作品を4Kの大画面に映し出し、ポートレート撮影のポイントを解説。
素晴らしいポートレートの数々…
構図はうまいし、美しかったですね。
「FE 85mm F1.4 GMは、四隅まで気持ちのいい解像感。シャープさと、とろけるようなボケの差がすごい。絞り開放ではピントが合う範囲が狭いので、ぜいたくに少し絞ってみるのも醍醐味。」と魚住氏は話していました。
セミナーのあと、大画面に映し出された作品をバックに、三原勇希さんの撮影タイム。
自分のカメラで撮影OK。
といっても、望遠レンズを持ってきていなかったので、魚住氏の作品のようなクローズアップは無理でした。残念…
「最初はグ~」で始まって、ジャンケンで勝ったお客さんへのプレゼントもありました(左が魚住氏)。
楽しいソニーブースはこれで終わり。
おっと、新製品の「α6300」を試していなかったのに気付きました。
ま、いいか、そのうちソニーストアで試せることだし…
ソニーのカメラとレンズ。上段中央に展示されているのが「α6300」。