横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

イカスミパエリャ

2020-10-19 11:38:58 | 心臓病の治療


魚貝のスペイン風炊き込みご飯のこと、パエリャと呼んでいます。通常はサフランをいれてご飯を黄色に染色するような色合い、それがまたレモンの酸味とマッチするのですが、応用編として、サフランでなくイカスミを使うこともお勧めです。魚貝だけでその出汁は十分出ますが、フランスの魚貝出汁なども使うとより濃厚な風味が出ます。日本ではまだまだイカスミを使った料理の認知度は低いようですが、冷蔵庫の中にイカスミペーストがあるといろいろと応用が利きます。

もちろん、定番はイカスミパエリャです。カプリチョーザというチェーン店の味が最もイカスミが濃くてニンニク、唐辛子も利いていて美味しいと思いますが、しばらく新型コロナウィルスのパンデミックの影響でお店で食べられませんでしたので、こうした間は自宅で自分で作る以外はありませんでした。最近になってようやくイカスミパスタがお店でも食べられるようになり、日常が帰ってきた、って感じです。やはり、食の豊かさが人生の豊かさ、食べられるものに制限がある暮らしというのは不便である、とつくづく思います。

しかしながら、フードロスをこれからどうやって減らしていくか、ということも同時に考えなくては行けません。豊かな食事とフードロスが増えるということは、比例している訳ではありません。食事を重要視している人ほど食べ物を粗末に扱うことはないので、その認識がよりフードロスを減らすことになると思います。無駄に賞味期限を気にしすぎている人がフードロスを助長しているともいえます。

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腹部大動脈瘤の手術での吻合位置

2020-10-19 11:28:28 | 大動脈疾患
 腹部大動脈瘤は心臓血管外科の手術の中でも件数の多い手術のひとつです。最近は血管内治療も多くなってきましたが、開腹しての人工血管置換術はまだまだその確実性、再発防止の観点からは有用です。
その腹部大動脈瘤の手術では血管の性状が悪い部分を切開して人工血管置換術を行う必要があるため、それによる塞栓症や狭窄が出来たりすることを防ぐことが手術成績維持のために重要です。

事前の評価として術前の造影CTを十分に検討することが重要です。石灰化病変やプラークの位置、腰動脈など分枝の状況の評価を頭に入れておく必要があります。また、性状が良好な部分も認識しておく必要があります。

術中の評価として事前のCT評価どおりかどうか、解剖学的に吻合しやすい位置にあるか、また形態はどうかなどを評価します。

 最終的に遮断、吻合する位置を性状の良好な位置で操作することが、トラブルを防ぐことに最も有用です。もし予想以上に性状が悪い、吻合が難しいという場合は、性状の良好な場所を選んで遮断や吻合をすることが重要です。多くの場合は腸骨動脈領域が石灰化が著しい、または粥腫が豊富な場合は、より遠位側の外腸骨動脈は性状が良好なことが多いので、無理に条件の悪い部位に勝負をかけるのではなく、確実に「勝てる場所」で勝負することが重要になります。それは外科医の力量によっても大きく左右されることになるので、外科医の吻合のテクニック、確実性がどうかも術式に反映されてしかるべきです。再吻合や追加吻合することなく、確実に一発で決める、ということが最優先です。「私、失敗しないので」というのは、まさに正しいことで、「通常の手術においては」失敗しない場所で勝負することが重要です。
 若手の医師を指導する場合は特に、その若手医師の技量がどの程度か、それ合わせた吻合位置を選択するなどを想定しながら手術に望むことも常に考えておく必要があります。
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