僧帽弁置換術において最も恐ろしい合併症はなんといっても左室破裂です。これは僧帽弁置換のために縫着した人工弁の固い弁座と、左室心筋の収縮の間で心筋が断裂して発生します。心筋は心室中隔を軸(重心)に動くので、最も心筋の可動性が高い部分は中隔と対側の自由壁です。この部分が最も左室心筋が大きく動く部位になるので、一般にここから左室破裂は発生します。具体的には回旋枝領域で、左房側から左室内腔を観察するとP1の位置、すなわち時計で言うと8時方向の僧帽弁輪よりの左室心筋が断裂します。
このことから、左室破裂の予防の為にはこの、P1(8時)を中心に先に固定することにより、弁輪の位置と左室心筋の収縮とがひずみを発生することを予防するので、結果的に左室破裂を予防すると考え、後輩医局員にもそのような結ぶ順番を指導してきました。
左室破裂自体がそれほど遭遇することがない病態ですので、この考えが本当に正しいかどうかはもう少し時間がかかると思いますが、数年経過しているうちに指導内容のコンセプトが間違って伝わっているようだったので、ここでまた記載してみました。
このことから、左室破裂の予防の為にはこの、P1(8時)を中心に先に固定することにより、弁輪の位置と左室心筋の収縮とがひずみを発生することを予防するので、結果的に左室破裂を予防すると考え、後輩医局員にもそのような結ぶ順番を指導してきました。
左室破裂自体がそれほど遭遇することがない病態ですので、この考えが本当に正しいかどうかはもう少し時間がかかると思いますが、数年経過しているうちに指導内容のコンセプトが間違って伝わっているようだったので、ここでまた記載してみました。