欧米では急性A型大動脈解離において、上行大動脈にPrimary Entryのある症例では上行大動脈置換に加えて専用のベアステントを末梢側吻合部から下行大動脈に向かって挿入することで、遠位側吻合部の新しいエントリーを回避でき、術後のリモデリングが良好になるとで普及しつつあるということである。現在の日本の急性大動脈解離では約半数が弓部置換プラスオープンステントで上行大動脈置換の頻度は低下しているようであるが、エントリー切除が上行大動脈置換でできる症例ではこの方法でより低侵襲、短時間に手術が可能となる。早ければ2026年に日本国内でも販売される模様で、現在の日本の大動脈解離手術に大きな影響を与える可能性がある。
本日筆者はアメリカから来日した製品担当者と話をする機会があったが、約8割の急性大動脈解離に対して上行置換を選択している当グループにおいては最も恩恵を受ける製品になると確信した。