老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

    温室

2019-11-29 17:28:08 | 俳句

いつ行っても、農業試験場は楽しい。

季節を先取りした花が咲いている。

そこで目に止まったのが、この 「サルオガセモドキ」

 

    

 

フレームの高い天井から吊るされ有る無しかの風に揺れている。およそ7~80センチはあるだろうか。地味な植物だ。

 

もう何十年も昔、初めて参加をした句会で、この(さるおがせ)の季語の句がでた。初めての句会で西も東も分らない。静かに出句された句に目を通し、皆さんの選や評を聞くばかりであった。皆さん優しい方ばかりであった。今は鬼籍に入った方ばかりである。

(さるおがせ)の句を詠んだ方はベテランのお寺の大黒さん。この記憶が俳句への興味の始まりと言ったら語弊が、、、しかし(さるおがせ)が気になった。

後日、調べた。深い森を歩く時はいつもこの(さるおがせ)の本物は?と巨樹を見上げる。はて本物に会った?見た?見過ごした?そのような夏の季語の(さるおがせもどき)を植物園のフレームの中で目の当たりにした。

巨木に絡まったこのような髭のような枯れた長い植物は見た事もあるかな~。

 

     ☆     動くもの一夏天のみさるをがせ    加藤楸邨

     ☆     さるをがせ見えざる風も見ゆるなり     真鍋呉夫  

 

    

 

薔薇が沢山、咲いていた。いつも期待をし、変わった色目の花を探す。

一番好きなのは濃いオレンジ色。そしてピンクの莟。

薔薇に囲まれているだけで幸福感がいっぱいだ。

 

   

 

花の名前は書かれていないが「わすれなぐさ」の種類だろう。

可憐な色。いらだつ気もほぐされる。

そんな花々に心を癒された一刻を過ごした。

 

     🍍     盛り上がる温室パイナップルたわわ

     🍍     温室の天井過る飛機の影

     🍍     温室へ世間の芥払い入る

     🍍     フレームの中は南国香の甘し

     

 

     

 

コメント
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