老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

秋色のショルダーバッグ

2015-08-21 12:20:46 | 俳句

  🐢   母の名で呼びかけられる墓参かな   

  🐢   背ナに目のありたる母の墓洗ふ         

母の背中には、幾つもの目があって、良いことも悪いことも 全部お見通しだった。無償の愛で子供達を見守ってくれていた。
その母に、私は外見が良く似てきた。
目の手術をして、目が見えるようになった時、初めて鏡に映った、自分の顔に「お母ちゃん」と呼びかけた。記憶の母がそこにいた。

       


秋。
袋も 涼しい夏のブルー系から 秋色の温かみのある色に、持ち替えることに。縦27~8センチ、横31~2センチで、物が沢山入る、大きいショルダーバッグ。
茶系の色を繋いだ。
沢山の手持ちの布から、配色の良いのを選び出す楽しみ。配色が上手くゆくと、50%は成功している。


     

裏面にはポケット。ファスナーを付けて、中の物が飛び出さないように、、、スマートフォンなど、すぐ取り出せるようにした。お花のアップピリケをして裏面も地味にならないよう、それでいて控えめにした。



奈良の正倉院展に行った時求めたハンカチで作った、病院の保険証 等々入れる袋。
イベントや神社仏閣、観光地では、いろんな柄のハンカチを売っている 。
どれも大判で生地がしっかりしているので、小物入れなど作るのに最適だ。
どこで求めたのか、場所の特徴もあるから、想い出の品になる。

     

保険証や、印鑑、財布、ハァスナーを三つ 付けている。それぞれ役目を果たす工夫をこらしたのだ。
病院の受付が混雑している時など、スッートとりだせるように、、、、歳を重ねるとどうしてもまごまごとしてしまうから。




深いところには、お財布、ファスナーの付いた深めのところは、大切な保険証。もう一か所には印鑑とか、診察券、、、、便利だ。


  しりとり俳句から生まれた句
   🍏   酔芙蓉モビール風を待つてをり
   
   🍏   色の無き風や朝の座禅堂

   🍏   父から子へ伝へる祭り囃子かな

            
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藍染め  ブラウスとベスト

2015-08-20 11:22:15 | 俳句

     ☆   八月や空に峠のあるごとく    長谷川櫂




涼しくなった。
窓を開けて寝ていると、肌寒くなり、床から起きて、窓を閉める。午前2時か3時。ラジオ深夜便をかけっぱなしにしているから、良い音楽がかかっているとそのまま4時くらいまで聞き、二度寝することになる。



藍染家で買った、端切れで作った、ベストとブラウス。
どちらも端切れだから、ひろげた生地から、何を作るか思い煩う。
好きな布だから、無駄にしたくない。
太い縞の生地は、縦に裁つと ベスト しか取れない。しっかりと張りのある木綿を染めている。
これから少し肌寒い日、ブラウスの上にはおれる。大切に大切に着まわしている。



ブラウスもベストと同時に端切れの山の中から見つけた。
真っ直ぐな、布ではない。断ち残った布の余りだ。上手に型紙を置いて、やっとブラウスにすることが出来た。ポケットに丸みをつけたのも、こんな風にしか、取れなっかたのだ。
綺麗な生地、何メートルと、求めたい。しかし、藍染家も、出荷するのが本筋がから、なかなか店には出していない。
掘り出し物を見つけるのも楽しみだし、余った布をパッチワークにちくちくと繋ぐのも、更なる楽しみだ。
このブラウス、大切に大切に今年も着た。色は褪せるどころか、作った頃と少しも変化していない。
着るものが沢山ありすぎて、着る機会が少ないから、いつまでも綺麗なのだ。
この柄が好き、沢山持っている中で一番好き。であるから、大切に扱っている。


    しりとり俳句から生まれた句
       砧打つ音婆さまのつつがなく
       星月夜吾に赤い血ながれをり
       とんぼの目やう白粉花の種なりぬ

            




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生身魂

2015-08-19 10:56:29 | 俳句

       ☆    生身魂こころ美人でありにけり    佐々木まき

     


 生身魂の句は沢山ある。

     ☆  奥の間に声おとろへず生身魂   鷲谷七葉子
     ☆  対の箸まあたらしくて生身魂   若井新一
     ☆  生身魂七十と申し達者なり   小林一茶
     ☆  玻璃戸の玻璃も風雪経たり生身魂   中村草田男
     ☆  生身魂酔ひて泣く癖ありにけり   清水基吉
     ☆  生身魂すずしく箸を使ひけり   秋山幹生
     ☆  猫の鈴つけかへてゐし生身魂   大木あまり

 生身魂は秋の季語。盂蘭盆会には、故人の霊を供養するばかりではなく、生きている目上の人に対しても、礼を尽くす。敬うべき年長者を、食物を贈るなどしてもてなすことも、生身魂と言う。
新に迎える精霊もなく、一族や目上の者が健康であることを祝う気持ちから出た習俗。室町時代以降からあったと言う。
歳時記の中から、例句を拾っていて、まあ、これだけ良い句の例が無い季語も少ない。
周囲におられる、老人の生態を観察して報告しているにすぎない。
一茶の時代は 70才で、もう生身魂として祀りあげられている。名をなした俳人の句にしては、、、、。
鈴を付けかえている。 酔っぱらって泣く癖。 箸使いが上手い。 声が達者。 どこにでもいる老人を、見たまま 「5 7 5」 にまとめただけ。詩情も、風雅も、無い。
草田男は戸のガラスが古くなると同時に、人間も古くなったと、言っているにすぎない。

9月3日 は敬老の日。 多年にわたり社会に尽くした老人を敬愛し、長寿を祝うのが敬老の日だ。
敬老の日 の例句を読んでいて、なんと、生身魂 と 敬老の日 の季語を入れ替えても充分に通じる。

たかが俳句、されど俳句。こ難かしく言うのは控えよう。

 佐々木まきさんの 生身魂の句。
こころ美人 を一読して、目から鱗が落ちた。こころ美人でありにけり。この心が美しいとの表現、すばらしい句だと思う。ことに年老いて、余す年月が自分でも計算出来るようになれば、残る人生を悔いなく過ごすには、せめて美しい心を持ち続けていたい。。。。と私も思っている。がなかなか。。。
自分が こころ美人 だとは詠んではいない。夫だか、親しい人か、心の美しい人周辺にいる。まきさんも 含んでの生身魂である印象だ。
こんな句が作りたい、作れるといいな~。



    昨日のしりとり俳句
     🏡   薬掘るほろほろ山鳩聞こえけり    ほろほろ を繋ぐ
 
     🏡   かまつかに日照の雨の過ぎにけり   雨 を繋ぐ
   
     🏡   隣家から鬼の子わが家に蔵うつす   鬼 を繋ぐ

今 雨が降っている。初鵙の声が雨の中から聞こえてくる。       
















       
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新涼

2015-08-18 10:40:56 | 俳句

     ☆   新涼やはらりと取れる本の帯   長谷川櫂

     ☆   水底の砂の涼しく動くかな 



涼しくなった。

パソコンの初心者と言えば、初心者だ。
ブログも立ち上げるには、立ち上げたが、それからが、大変だった。
お隣の 若い奥さんの力を借りて、写真の取り込みの方法を、教えてもらう。
やっと、ここまできたが、後から読み返すと、変換で、文字が間違っていたり、文章があべこべになっていたり、間違いがたくさんある。
一昨日も、送信ミスをやらかし、今日も又。
又、この取り消しの方法をお隣の奥さんに、SOS の信号を出して、教えてもらわなくては。
後期?高齢者? 言いたくないが、目は疲れる。パソコンと、スマートフォンを見て遊び、間で、新聞をくまなく読み、図書館で借りてきた本を読む。
目 の難病を抱えていながら、酷使していると思いつつ、止まらない、止められない、まこと困ったもんだな~。そろそろ、お裁縫の準備も整えた。暑い時は、アイロンを使うから、お裁縫はどうしても、敬遠をするようになる。



  昨日のしりとり俳句
       蕎麦の花丸々太る野猿かな  猿 を繋ぐ

       母と紛ふ鏡の吾や夜の秋    夜 を繋ぐ

       巡礼を驚かしたる野分かな   野分 を繋ぐ

       新豆腐携え来たる見舞客   新 を繋ぐ
 
       鮎釣りの竿を形見に若精霊   鮎 を繋ぐ 


             
                    




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さるすべり

2015-08-17 11:12:56 | 俳句

    ☆     百日紅ややちりがての小町寺   蕪村

    ☆     老いゆくを罪と思はず百日紅   横山白虹


    

 買物の途中、長尾寺に参拝。(四国八十八ケ所のうち第八十七番札所)
お盆で、もう皆さんすでにお参りを済ませた後か、境内に参拝者は数人しか見えない。
お参りをしながら、亡くなった身内の名前を心の中で数える。今年、また一人 夫の従兄の奥さまが亡くなった。癌を患い、まだまだ若く 長生きをして欲しかった。
だんだんと身辺から、人が消えてゆく現実。淋しいことだ。

    

境内に、さるすべりの花が咲いていた。
さるすべりの花の想い出は、中学校の校門の横に、この木があったこと。
一学期の終業式の頃は未だ咲いていない。二学期の始業式には、もう散っていた。
夏休み、登校日の時とか、夏休み中のクラブ活動の時しか、目にすることが出来なかった。
私から見ると、密かに咲いて、密かに散る花の記憶が強かった。
花びらの先がレースのように縮れて固まり、鞠の房のような花は、華やかで美しい。遠くから見ても、近くに寄っても、すぐ目に飛び込んでくる。暑さに耐えている花。少し元気をもらえる花なのだ。


      昨日のしりとり俳句
    🐞  飛鳥Ⅱ降りて踊りの輪の中へ    踊り を繋ぐ

    🐞  メタセコイアに秋の初風真っ直ぐに    初風 を繋ぐ          
    🐞  みせばやや島の霊場切岸に    みせばや を繋ぐ
         律の風秘密を隠しある小箱     箱 を繋ぐ

    🐞  鹿啼けり遠く野を焼く煙たつ   煙 を繋ぐ

   季語が弱いが、しり取り俳句でしか浮かばないこともあるから、楽しまなくっちゃ。

            


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする