「ウゥン 二ィヤアン」 力を込めた泣き方で私のベドに上がってくる。
「姫 お早う」
これが、毎朝の 姫 との挨拶。
「ニャーアン」と言って、階段を降りて行く。後ろを振り返りながら、私が付いて降りるのを確かめている。
すでに、夫から餌をもらって、食べている。
夫を従えてベランダに出て、庭を三巡くらいすれば 姫 の満足な一日の始まりだ。
ラスカルさんの 句
いつせいに鳩の飛び立ち銀杏散る
天高しくるんと回る象の鼻
吊る詩柿その日一日分の皺
「風に立つラインオン」を聴き秋高し
黄落ややぐるんぐるんと風見鶏
黒飴のやうな眼や菊人形
山頭火忌やぐい呑を新調す
豊年や硝子細工を売る露天
ふた桁の背番号の子天高し
コスモスの揺れつつ風の色変はる
単語帳めくり色なき風の中
電報の刺繍のぬくみ秋深し
水の面に少し歪んでしまう月
書き写しているときりが無い。沢山の佳句が詠まれている。僅か2日余りで。
この方が(しりとり俳句)の牽引役を担っている。
毎朝、会社に行く前の十分か二十分の間に投句をやっているみたいだ。前の句の中の文字を拾い、脱線しかかった句の流れを、本筋に戻してゆく。
第11回 「俳壇賞」を受賞し、未来塾俳句教室の講師をなさっているのを、スマホで偶然に見つけた。
おつちょこちょいの私は、何も知らぬまま、ラスカルさんの句が読みたくて、しりとり俳句のページに参加していたと言っても過言ではない。
きっと、頭の体操を出勤前にやっているのではないかな。
ラスカルさん、お礼申し上げます。勉強になっております。
☆ 言霊の飛び交ってゐる赤い羽 ラスカル
現代版 俳句アンソロージー から。
しりとり俳句から生まれた句です。