へなちょこの日々

プラナリア飼育記録から始まったブログ。

8月に読んだ本(2)

2017-09-01 13:02:00 | 

どうぶつたちがねむるときどうぶつたちがねむるとき感想
図書館本、「チェコの最も美しい本2014年」3位受賞作。いろいろな動物たちがどうやって眠るのか。とにかく絵がすばらしい。多色刷りの木版画? すべての見開きページを額装して飾っておきたい。いや、木綿に注染で手ぬぐいにしても。表紙~裏表紙のラッコちゃんは、本文のラッコの章とは異なる、水族館バージョンですね。キリンはライオンがいつ襲ってきても対応できるよう、5分くらいの小刻みな眠りを繰り返すらしい。私は以前は猫のようにぐっすり眠れていたのに、どうしてキリンになってしまったのか。襲ってくるライオンなどいないのに。
読了日:08月09日 著者:イジー・ドヴォジャーク
京都「トカイナカ」暮らし京都「トカイナカ」暮らし感想
和歌山の田舎から、京都府亀岡の「トカイナカ」に引っ越したグレさんの生活。前半はトカイナカから遊びに行く京都洛内のガイドブック(古書店情報多し)、後半は亀岡での田舎生活の満喫っぷりを。購入した中古住宅が欠陥住宅とわかり、都会に遊びにも行けない多忙な日々を送るも、今ではニホンミツバチの養蜂をするまでに至る! まろやかな自家製蜂蜜なんて、いいですなあ。私も今住んでいるところはちょっとだけトカイナカよりの都会。これ以上都会には行けないな。生活の便利不便以前に、緑や生き物の気配がないと苦しくなってしまう。
読了日:08月09日 著者:グレゴリ青山
宝くじで1億円当たった人の末路宝くじで1億円当たった人の末路感想
図書館はすごい順番待ちだったので購入(文件曹ニ違って旬がある本だと思ったので)。マジョリティとは違う生き方を選択した人がどういう人生を歩むのか、専門家や体験者をインタビューした本。統計的に「こうなる人が多い」というわけでなくあくまでもその人個人の意見や印象、という論が多い。なので筆者があらかじめ、自分の意見を支持してくれそうな論を展開する人を選んだんじゃ? という見方は穿ってるかな。さくさく読める本でした。
読了日:08月08日 著者:鈴木 信行
きょうはパーティーのひ (日本傑作絵本シリーズ)きょうはパーティーのひ (日本傑作絵本シリーズ)感想
シリーズ3作目だそうですが、1・2作目が最寄の図書館にはなかったので最新刊から。この表紙のハイウエストタイツ姿の怪しい御仁(犬?)はどなた?とページをめくると…この方、クネクネさんとおっしゃるのね。思っていたよりもしっかり物だけど…。えっそうなの? そうなの?? と設定に度肝を抜かされ、でもなんだかあたたかいほんわりした絵本でした。このなんともいえないアトモスフィア、狙って出せる味じゃない。チャオ!
読了日:08月06日 著者:樋勝 朋巳
ねうちもん京都 お金をかけずに京めぐりねうちもん京都 お金をかけずに京めぐり感想
京都市生まれ京都市育ち亀岡在住の著者による「おねうち」な京都ガイドブック。京都の飲食店って観光価格で「うーん」となるので冒険できない、ということがありがちなのですが、地元の人がおすすめのお値打ち価格の飲食店・その他お店・名刹がこれでもかー! と。この本を持って、京都をそぞろ歩きたい。なもんで図書館で借りただけにとどまらず、購入してしまいました。京都の人もお店の人の「いけず」に泣かされたりすることもあるのですね。お店を探す中でどれだけ「はずれモン」に行き当たったしまったやら。
読了日:08月06日 著者:グレゴリ青山
田舎暮らしはじめました うちの家賃は5千円田舎暮らしはじめました うちの家賃は5千円感想
図書館本。東京の家賃の高さに辟易し、勢いで和歌山の山奥に引っ越したグレゴリ夫妻。田舎暮らしを礼賛も否定もせず、良さも不便さもひっくるめてありのままを描いている感じ。小中学生のころ住んでいたぼろくて広い借家を思い出しました。不便なら不便なりに何とかなりそうだけれど、広大な敷地や畑の管理はしんどそうだ。でも田舎なら猫飼い放題だ!と思ったけれど、田舎だから動物にとって安全ではないということも思い知らされた。旅先での長期逗留のような4年間の思い出。
読了日:08月05日 著者:グレゴリ青山
美男子と煙草美男子と煙草感想
太宰の繊細さが胸を貫く。悔し泣きの場面がつらい。「ヴァレリイの言葉、――善をなす場合には、いつも詫びながらしなければいけない。善ほど他人を傷つけるものはないのだから。」そうして優しく傷つきやすい人は、善行をするために自らを追い詰めていくのか。追記のオチでちょっとほっとする。ウイスキーのどぶろく、ってなんだ。
読了日:08月04日 著者:太宰 治
失敗園失敗園感想
太宰の掌編。庭に目いっぱい植えられて栄養不足な植物たちが、自嘲気味に文句を言う。でもなんだかとっても楽しそう。個性豊かな植物たち。なかでもトマトが気に入りました。そうか、力こぶだったんだね。1ヶ月で1分も伸びず、でも枯れもしないにんじんもいいですね。今は何も育てていないけれど、かつて私に育てられた植物たちも、こんな風にぶつくさ楽しく文句を言ってたのだろうか。
読了日:08月04日 著者:太宰 治
幽霊物件案内―怪奇探偵のマル秘情報ファイル (ホラージャパネスク叢書)幽霊物件案内―怪奇探偵のマル秘情報ファイル (ホラージャパネスク叢書)感想
図書館本。題名から期待して読んだんだけど、うーん。「物件案内」と銘打つには話がとっちらかりすぎている印象。登場人物個人にまつわる話であって、建物関係ないのでは?という話が多い。また「で?」という意味不明なものも多数。意味不明ならではの浮ウに仕立て上げるのが怪談作家ではないのか。あと筆者の性格の悪さがにじみ出ていたり、本人の体験談はやたら長くなっているところにも苦笑。正直な人なんでしょうね。猫が化けた幼女が非常階段で遊んでいる話が好き。でも「指が3本だった」そうだけど、猫も手(前足)の指は5本あるよね。
読了日:08月02日 著者:小池 壮彦
もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたらもし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら感想
図書館に予約してあと6人、というところまで来たのだけど、待てずにTサイトで読んでしまった。 文体模写による、文豪、現代作家、雑誌、歌詞、会話文などの「カップ焼きそば」譚。小説などは文体だけでなく、特定の作品を意識して書かれている。俵万智のあまりのやっつけっぷりが逆に気持ちいい。とにかく、よくこれだけ書いたな、と感心しきり。村上春樹は「泥棒かささぎ」を聴きながら湯を沸かすのかと思いきや、風の歌だった。題名はピンボールだけど。ピース。しかしハイパーメディアクリエイターって何してる人なのか、いまだにわからん。
読了日:08月02日 著者:神田 桂一,菊池 良
君の膵臓をたべたい (双葉文庫)君の膵臓をたべたい (双葉文庫)感想
私にはなにがいいのかわからなかった。最初50ページでやめようと思ったけど最後まで読んだら「おおっ」となるかな?と思いがんばって読んだけど…残念。露悪的なヒロインには好感持てないし、いかにもラノベめいた主人公にも興ざめ。第一、命に関わる病気を周りの人に隠しとおせるものだろうか? そして焼肉もスイーツもモツ鍋も、すい臓には悪いと思うんだけど。いきなり事件に巻き込まれて死ぬのも意味ワカラン。ぐったり。
読了日:08月01日 著者:住野 よる
里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)感想
2年前に同僚から借りて積んであった本、あさって1年ぶりに会うのでそのときに必ず返そうと。今、読んでよかった。4年前の初版だが、全く古さは感じない。経済の話だけでなく、いろいろなことが頭をよぎった。充足感や自己肯定感を感じられる生き方への回帰。「張り合い」がなければ人は生きていけない。里山資本主義は決して政府主導で実現するのではなく、拝金型資本主義の常識外の「なんか面白そうだな」「やってみたい」という個人の思いによって実現する。私のやりたいことはなんだろう。
読了日:08月01日 著者:藻谷 浩介,NHK広島取材班

読書メーター